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遠野物語研究所編『遠野物語と昔話』(amazon未投稿版)

遠野物語研究所編『遠野物語と昔話』(遠野物語研究所、2010年)

佐々木喜善の再評価とグローバルな視点の提示(星4つ)

 本書は1995年設立の遠野市のNPOが、2009年に武蔵野市と遠野市で開いたゼミナール講演記録(歌物語も含む)に、金容儀との対談を加えて2010年に刊行した本である。本書によれば、第一に『遠野物語』(1910年)の話し手佐々木喜善(鏡石)は日本のグリムと呼ぶべき人物であり、現代民話や昔話の採集に尽力し、語り手の属性や編集者の価値判断(改変や取捨選択)、生活感覚の変化にも自覚的であった。第二に、柳田国男の方法論は合理的な自然還元であるが、『遠野物語』はそうではない。また、後者は記紀とはあの世とこの世の未分化な点において、日本霊異記とは霊肉が未分化な点において、夢幻能とはカウンセラーの不在において異なる。第三に、コンテキストが変わると、言葉も含めて(今後グローバル化の中でどうなるかも問題)語りのテキストも変わるため、昔話が家庭ではなく観光の場で語られることに賛否両論がある。第四に、遠野物語は固有性と普遍性を兼ね備えた書物であり、たとえば類話が東アジア各地にある郭公と時鳥の話は、飢饉の歴史(人の腹を割く話も残る)と関連付け得る。また、ザシキワラシの話は江戸末期の遠野村社会の秩序の崩壊を示す話として読める。第五に、柳田は一国民俗学を創り上げるにあたり、シンデレラ、水神の文使い、非一神教的な無限の再生(反転)を象徴する女性と馬の結びつきなどに見られる、ユーロ=アジア世界レベルの比較研究の道を閉ざした。第六に、遠野物語を考えるに際して、都市的な側面=修験や製鉄民も含めた多様な人々を考慮する必要がある。先住民との安易な関連付けは危険である。第七に、遠野物語からエコロジーの問題や情操教育を考えることも可能である。総じて本書には、誤字の多さや昔話の過大評価傾向が見られるものの、佐々木の再評価など、読みどころは多い。

・編者:1995年に設立された遠野市の民間研究団体の交流機関
・編集者の価値判断(柳田や佐々木による改変や取捨選択)
・日本とケルトでは鳥と死者の魂が関連付けられる。
                         2012年4月13日(金)

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2012年5月16日中区での新地域委員会制度説明会議事

 2012年5月16日(水)18時30分より、栄の中区区役所6階大会議室(当日会場変更)において、「地域委員会の新たなモデル実施制度説明会」が開催され、私も参加した。開始4分前にアナウンスで来場者への注意(スクリーンや壁にも提示されていた)が流れたが、そのときにはあまり来場者はいなかったと記憶する。添付メモの通り、会場入り口からみて、右手の側には奥から(多分)パソコンでの記録係の女性3人と区長、区民生活課の役人2人、保健所長と男性二人が座り、左手の側には事務局の男性1人と毎日新聞の女性記者1人が座り、左奥に司会、総務局の役人3人(副局長、地域委員会制度準備担当部長・同主幹)が座った。会場正面には資料説明のためのスクリーンがあり、その右手に議事内容をその場で筆記したものを映す小スクリーンが置かれ、傍らには手話通訳者が付いた。その他が一般来場者席であり、このメモによれば、上記関係者を除けば男性27人、女性7人が来たことになるが、正直言って人の出入りがあったため、これが正確な人数かどうかは検討を要する。ただ大まかに言って30数人程の来場者であったことは確かである。

 細かい議事はこのメモと、おそらくは役所のHPに載ると思われるので、それを見ていただくとして、前回の制度との差異のみまとめれば、
第一に、モデル実施の申請時点で、まず30人以上の住民(満18歳以上の日本国民で当該地域の住民基本台帳の登録者)の発起人が必要であること、
第二に、申請以前に発起人と学区連協との協議が必要であること、
第三に、公募委員の資格は発起人と同じだが、推薦委員の資格からは住民基本台帳登録者という要件が外れること、また共に公開の場で選出すること、そして公募委員の投票については、投票所設置方式か郵送方式かを住民が選択すること、なお選挙の予定日は9月であること(望月注:この日程なら市議会の日程に合わせて予算案作成に追われる必要がないということなのだろうか)、
第四に、推薦・公募委員の選出後に、アンケートや団体への聞き取りなどを通じて、地域課題の洗い出しと絞り込みを行うこと、
第五に、市も事務に協力するが、発起人はこの過程で地域住民の動員を図り、準備会、選任投票運営委員会、運営事務局などを設置し、地域委員会の事務を補佐すること、
第六に、モデル地域は各区二地域(小中学校の学区か同一区域内の複数学区)を上限とし、この前の8学区は申請できないこと、
といったことくらいであろうか。詳細はパンフレットを見ればわかるので、後は18時55分からの質疑についてまとめたい。

 質疑応答といっても、説明を聞いたばかりでなかなか出るものでもないため、最初に主幹が他区で出た質問内容をまとめて説明した。
 第一に既存団体との関係が不明瞭という点だが、これはパンフでも触れられている。
 第二に地域委員会の担い手が不明である点、地域委員会への関心が低く、また住民にこれ以上の負担をかけていいのかという問題もあるという点も指摘されているが、市は住民参加の1手法として提案しているだけであり、また既存団体の負担軽減という側面もある。
 第三に、予算の使途が不明瞭である点が指摘されたが、「市の基準を超えるもの」の例としては、街路灯が交差点のほか、100メートル間隔で設置されるという基準があるため、その基準に照らして不足している場合にのみ設置が許されるという例が挙げられる。また、補助金の巻き替えについては、たとえば安心・安全等の活動について、従来の補助金で行うか、地域予算で行うかを住民が選択できる。自主財源の巻き替えについては、既存事業を充実させる内容であれば、自主財源への付け加えも可能である。これらの点は前回とは異なる点である。他の補助金との違いは、住民が自由に決められる点にある。
 第四に、住民参加を促す工夫について問われたが、勤労者に対しての休暇制度は現時点では考えていないため、会議時間を夜にしたり、土日を活用するなどの工夫が必要である。また若い世代に対しては、アンケートへの協力や参考人・傍聴人としての参加を期待している(望月注:回答になっているかなあ…)。
 第五に、事業実施における委員の関わり方については、協力を義務付け、継続事業の管理担当も決めてもらうよう要請する(望月注:これも回答になっているかなあ…1年任期でよいのかどうかも前回問われたが)。
 第六に、住民の自主運営のための工夫については、現在マニュアルを作成中であり、また運営のための専門家(ファシリテーター)を1回呼ぶための費用を計上し、研修も市がフォローしようと考えていると述べた。
 こうした主幹の説明の後、来場者からの質疑が行われた。まず千種区の男性が問題点を9点にわたり列挙した。常連だけあって適切で鋭い指摘が目立つ。
 第一に、30人の発起人には自署と捺印を義務付けるのか。
 第二に、学区連協と発起人の協議内容とは具体的に何か。
 第三に、準備会への住民の協力者とは具体的にどのような人を指すのか。
 第四に、推薦委員を出すよう依頼するとは具体的にどのようなことか。
 第五に、公開での推薦委員選出について、住民に案内を周知するのか。
 第六に、推薦委員の住民登録要件を外してよいのか。
 第七に、住民には全員投票資格があるのか。抽出するのか。
 第八に、運営事務局は誰がやるのか。また無償か。
 第九に、会計・出納役は役所が担当するのか。
 これにまず司会(この人も主幹らしい)が回答した。第一点については、登録申請書には自署が求められるが、捺印は不要である。第二点については、推薦委員選出と、学区連協掲示板の使用許可、運営・実施への協力要請などを協議する。第三点については、発起人だけでは手が足りないので、住民の協力者を募る。第五点については、公開討論会に加え、公開の場を設定し地域に案内したい。第七点については、国籍、住民登録、年齢などの要件を審議して有資格者を抽出するとの意味である。第八点については、地域住民が無償で運営委員会を行ってほしい。第九点については、会計は前回同様地域住民にやっていただき、出納は一定額の公金を準備している。
 続いて主幹が補足した。第四点については、推薦委員の人数は定員分を必ず確保する。また、第五点については、候補者募集時に市に選挙公報を出していただき、住民に周知する。また第八点については、準備担当部長によれば、発起人が次々と住民の協力者を増やしながら、準備会、投票運営委員会を組織し、地域委員と共に運営事務局を形成するとのことらしい。彼らは無報酬だが費用弁償は行われる。第六点については、主幹によれば、商店街の店主が当該地域に住んでいない場合もあるため、他人から推薦されるほどの人物であれば、住民登録要件を外す方が良いと考えたという。
 続いて千種区の男性が発言した。第一に、発起人30人は確認されるのか。第二に、申請後の住民意識の醸成のための広報をどうするのか。回覧板や掲示板で周知できるのか。第三に、具体的にどう人数を増やしていくのか。運営の負担は大負担であり、これまで区役所が広報しても周知徹底しなかったわけだが、人的拘束時間をどの程度見積っているのか、という3点である。
 これに対する司会の回答によれば、第一点については、区役所で発起人の住民登録を確認する。第二点については、地域団体のネットワークを活用し、住民の集まる場に掲示する(望月注:前回これに失敗したのだと思うが)。第三点については、前回田代学区では一言一句違わぬ議事録が作成されたが、そこまで期待していない。地域委員会だより程度かそれ以上の内容の議事録を想定している。拘束時間も人によるので、即答できない・ファシリテーターの活用で判断してほしい(望月注:回答を投げたなあ…)。準備担当部長がこれに補足して、タイミングが合えば市の資料と共に配布することも可能であること、運営マニュアル、地域委員会だよりのフォーマットも市が用意することを述べ、市からの情報よりも地域からの情報の方が伝わり易く感じると言った(望月注:その地域が前回はあまり協力しなかったんだが)。
 これに対して、来場者の男性から、新しい住民参加の仕組みづくりを謳う割には、広報は既存の手段により過ぎていること、新しい関心を掘り起こし全市民に浸透できるような広報を考えないと、それこそ学区連協の活動のただの延長線上にすぎなくなり、とくに今回の地域委員会は後退し特色を失っているように見えること、まず広く知らせることが活動の根本であることが、正当にも指摘された。これに対して、準備担当部長は、予算化は不十分だが今後も新しい工夫をしたいと答えるしかなかった。
 続いて北区の男性が、候補者の来歴や写真は個人情報に当たるが配布してよいか、5日間の投票運動とはいかなるものか、公職選挙法との関連は、という3点を聞いた。司会が、前回役所で準備したものには、氏名、性別、年齢、職業、町名迄の住所、本人が書くアピール欄を候補者が書くことになっており、これであれば配布してかまわないのではないか、また、投票運動とは投票期間のことではなく、選挙運動のことであり、公職選挙法は適用されないが、事前運動はダメだ、金をかけないようお願いすると候補者に伝えると回答した。
 ほかに質問者があまりいないようであったため、私も発言し、地域課題の設定はモデル地域での投票後に行われるのですね、と確認した。司会によれば、モデル地域は抽選で決定され、選挙後に地域委員が地域課題を絞り込むため、地域課題は複数でもかまわないとのことだった。
 最後に、初出席の栄の主婦が発言した。私はこれまで町内会で一度も地域委員会について聞いたことがなかった。市民がもっとよくこれについて知らないといけないのではないか(望月注:前回にも、会議の時間帯から主婦の意見が反映されにくいとの意見があった)。また、推薦委員から住民登録要件を外すというけれども、昼間だけ地域で仕事をしている人は、結局のところ地域のことより自分の仕事の方を優先するのではないか。加えて、推薦委員の方が地域で人脈をもち、華々しい活動をしているのだから、発言力が強くなりがちであることを考えれば、人数は半分で良いのではないか、もっと住民が主になるように、力関係のバランスを考えてほしい、との内容であった。これに対して、準備担当部長は、たしかに住民主体で運営する必要があるが、地区外に住んでいても重要な活動をされている方であれば、入れていただいてもかまわないとの主旨にすぎないと返答した(望月注:地域住民から推薦されるほどの人物であれば、かまわないのかもしれない)。
 この時点で19時55分となり、閉会時刻となり発言もひと段落ついたため、司会が閉会の挨拶を行った。アンケートに連絡先を書いてくれれば回答を郵送するし、出前説明会も受け付けている。会場出口でモデル地域の申請やアンケートを受け付けている、と司会が発言し、57分頃制度説明会は閉会となった。
 私がアンケートに書いた内容は以下の通りである。現在地域活動の担い手が高齢化しているように感じるため、地域委員会の主旨自体には賛成である。ただし、住民の協力がすんなり得られれば良いが、現在のままでは結局学区連協に人的負担が押し付けられかねない。やはり既存団体や住民に聞き取りをしっかり行い、何が優先課題化をきちんと把握することから始めなければならないだろう。これを書いてアンケートを提出して帰ろうとすると、出口で女性記者が千種区の男性に取材をしていた。このときの会話で初めてこの記者が毎日新聞の記者だと小耳にはさんだ。男性の氏名と年齢を聞いていたので、多分載るのだろう。

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2012年5月16日中区での新地域委員会制度説明会メモ2

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 メモの続き。補足説明はまた後に。

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2012年5月16日中区での新地域委員会制度説明会メモ1

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 名古屋市では再度地域委員会のモデル事業を実施するとのことで、ここのところ毎日のように制度説明会を各区の区役所で開催している。18日にはわが千種区でも開催される予定らしいが、私は仕事のために行けないので、2012年5月16日(水)、中区区役所での説明会に参加することにし、仕事帰りに立ち寄ってきた。区役所前では女性が1人で幟を立てて宣伝をしていた。当日会場が変更になり、私は30分前に6階大会議室に行った。会場入り口でパンフレット、鉛筆、アンケートを受け取り、席について開始時間を待った。以下は、その際にとったメモの一部である。最近多忙になってきたため、とりあえず秘密保全法の際と同様、メモだけここに提示しておき、補足説明をコメントないし別スレッドの形で今後付加していきたいと思う。ブログはこれが可能だから助かる。偏向した管理人もとりあえずはいないようだし。
 ページ数は名古屋市の発行した今回の地域委員会のパンフレットの頁数である。また、個人情報の関係から、会場からの発言については発言者の名を伏せた(千種区の男性についてはシールを貼っておいた)。市の役人については名前を出しても構わないかと思うため、伏せずにおいても良いかと思い、そのままとした。このメモの後も20時前まで会場から質問があったが、その分は改めて私が補足説明(前回の制度との差異など)とともに書き込むつもりである。なお、会場には毎日新聞の女性記者が来ていた。

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秘密保全法について2

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 勉強会の際の中谷講演ノートの後半部分。容量の関係でこうなっております。

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