弁護士阪口徳雄の自由発言

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官房機密費の極秘に少しは風穴(官房機密費51)

主 文
1 内閣官房内閣総務官が平成181120日付けで原告に対してした行政文書の一部開示決定のうち,平成171031日から平成18926日までの内閣官房報償費の支払(支出)に関する次の行政文書を不開示とした部分を取り消す。
(1)政策推進費受払簿
(2)出納管理簿のうち,調査情報対策費及び活動関係費の各支払決定に対応する各項目の記載を除いた部分
(3)報償費支払明細書
2 原告のその余の請求を棄却する。

3 訴訟費用はこれを2分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 


以上が今回の大阪地裁の判決の主文。
官房報償費の使途の公開を求めて約5年。
とにかく、今までは国庫から官房長官に月1億円が支払われていることは開示されていたが、そこから、いくら、どのような名目で、いつ官房長官が「支出」していたか、については一切〇秘として公開されなかった。
 
とにかく暗中模索の裁判だった。
 
スッタ、モンダの結果、「政策推進費受払簿」「出納管理簿」「報償費支払明細書」「支出決定書」「領収書等」があることが判明。
 
何だ、報償費支払明細書」は会計検査院に報告している文書で、これが開示されても相手方が判らないのだから、これは開示できるだろうと迫った。
政策推進費受払簿」は官房長官がいつ、幾ら、受け取ったかが判るだけで相手先が判らないのだから当然に開示されるべきと主張。
 
国はそれが開示されると「国の安全が害される」とか「支出先が明らかになれば国益に支障が生じる」などと言って開示を拒んだ。
 
「政策推進費」は官房長官が自ら管理し、直接相手に渡すカネ
月2回から3回官房長官にわたっている。「政策推進費受払簿」の形式は下記の通りだがこの文書が開示されると、官房長官に、何月何日幾ら支払ったかが明らかになる。しかも、その間に幾ら官房長官が使ったかも明らかになる。
 
政策推進費の大半は与野党国会対策の為に支出されたと言われている。スパイ対策とか外交秘密に関しての支出など殆どない。
 
与野党対決があった前後に仮に3000万円が支出されていることが判ると、そのカネだと疑われる。今の民主党のように党内対立がある時期に2000万円が官房長官に政策推進費として支出されていたら与党議員に配ったと疑われる。
 
これは官房長官にとって知られたくない情報。
 

官房機密費の秘密の扉が全部開かなかったが、その秘密の一部を裁判を通じてこじ開けることができた。全く何に使うか極秘中の極秘であり、使いたい放題であったカネに。

 

この判決は、官房長官の政策推進費のデタラメ支出に少しの抑止効果がありそうだ。


イメージ 1
 
官房機密費:一部文書の開示命令 大阪地裁が初判断
 内閣官房報償費(官房機密費)の支出に関する情報を不開示とした国を相手取り、市民団体「政治資金オンブズマン」(大阪市)のメンバーが不開示決定処分の取り消しを求めた訴訟の判決が23日、大阪地裁であった。山田明裁判長は、支払い相手先が特定されない報償費支払明細書など一部文書の開示を命じた。外務省の報償費(外交機密費)を巡っては開示を認めた判決もあるが、官房機密費の情報開示に関する司法判断は初めてという。
 開示を命じた文書には、出納管理簿の一部情報や政策推進費受払簿が含まれている。
 官房機密費は、国の事業を円滑に行うため機動的に使う経費で、官房長官の判断で支出される。国内外の極秘の情報収集が主な目的とされるが、使途の公表や領収書の提出義務がなく、目的外使用があるとの指摘も出ている。
 同オンブズマンの上脇博之・神戸学院大大学院教授は06年10月、安倍晋三元首相が官房長官を務めていた時期(05〜06年)の官房機密費について、領収書や支出相手方などの情報公開を請求。国が不開示としたため、07年に提訴した。
 原告側は「政治家のパーティー代などに官房機密費を支出したとの報道もある。一律に非開示とするのは違法。金額や日付などを公開しても支障はない」と主張。国側は「官房機密費の情報を明らかにすると、相手方との信頼関係を損なう恐れがある」と反論した。
 裁判では、官房機密費に関する実務を知る千代幹也(ちしろ・みきや)元内閣総務官(59)が証人として出廷。支出には▽官房長官が自ら管理し、直接相手に渡す「政策推進費」▽情報収集対価などとして使う「調査情報対策費」▽交通費や贈答品代などの「活動関係費」の3類型があり、「支出先が明らかになれば国益に支障が生じる」と不開示の妥当性を強調していた。
 外交機密費を巡り、NPOが国に支出文書の不開示処分の取り消しを求めた訴訟では、東京地裁が06年、支払い目的や内容、支払額などの開示を命令。しかし、東京高裁は08年、開示範囲を大幅に狭める判決を言い渡している。【苅田伸宏】
毎日新聞 2012年3月23日 13時43分(最終更新 3月23日 15時12分)
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官房機密費の開示認める 大阪地裁
NHK 3月23日 19時27分

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いわゆる「官房機密費」の使いみちを明らかにするよう市民グループが求めた裁判で、大阪地方裁判所は、領収書など使いみちが分かる文書は非公開とする一方で、金額の合計などを記した一部の文書については、「相手が特定されないのだから支障はない」と公開を認めました。
官房機密費に関する文書の公開を認めた判決は初めてです。
官房機密費は、正式には「内閣官房報償費」と呼ばれ、毎年およそ12億円が支出されています。
情報収集活動などに使われているとされていますが、具体的な使いみちは明らかにされず、市民グループのメンバーが、国に情報公開を求めて訴えを起こしていました。
判決で大阪地方裁判所の山田明裁判長は、相手の名前や金額が書かれた領収書などについて、「公開されると関係者やほかの国との信頼関係が損なわれたり、情報収集活動の内容を察知されたりしてわが国の政策活動に著しく支障を来すおそれがある」と指摘し、非公開とする判断を示しました。
一方、「報償費支払明細書」など、一定期間の支出金額の合計などを記した文書については、「相手の名前や使いみちが書かれていないものがあり、ほかの文書と照らし合わせても相手は特定されないのだから支障はない」と判断して、明らかにできないとした国の決定を取り消し、公開を認める判決を出しました。
官房機密費に関する文書の公開を認めた判決は初めてです。
判決について、市民グループ側は「一部公開が認められ評価できる。さらに公開の範囲を広げられるよう裁判を続けたい」と、控訴する方針を示しました。
一方、内閣官房は「関係機関と協議して適切に対応したい」としています。
 

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失敗例に学ぶ『内部告発』の勧め(公益通報41)

失敗例に学ぶ『内部告発』公益通報制度を知り、守り、活かす.
 
目次
プロローグ 内部告発の風景「当事者の戸惑いと担当者の責任」
1 公益通報(内部告発)の理念・制度とその運用
2 通報者(内部告発者)の立場から公益通報において知っておくべきこと
3 通報(内部告発)を受けた事業者はいかに対応すべきか役員・担当者・弁護士の役割と責任
4 重要判例解説
5 証拠収集と外部告発の限界
6 諸外国の公益通報者保護制度
7 公益通報者保護法改正に対する提言
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この本は読む価値あり。
内部告発を受けた事業者側の担当者、役員、弁護士達がどのように対処すべきかについて、失敗事例から教訓を導きだしている。どこで間違いを犯したか、失敗があったかを、その場面ごとに解説しているが故に、実に説得力がある。
 
読んでみて一番の失敗事例はダスキン事件であろう。

未認可添加物の混入した肉まんの通報を受け販売した役員の責任は当然として、既に、肉まんが販売完了後に知った役員、監査役達にも、それを積極的に公表して社会の信頼を回復するべき義務を怠った責任が認められている。

不作為・放置した失敗事例」である。

最近ではオリンパス事件である。しかしこの本にはオリンパス失敗事例は紹介されていない。

公表すべき事件を怠ったオリンパス役員達の責任の追加(株主と会社) http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/folder/1340210.html

内部告発を受けると、会社のトップ達は、感情的になり、つい冷静な対応ができず「隠ぺい」に走り、通報者を処分する傾向に走りがち。
 
その結果、「隠蔽」したはずの事件が、マスコミに報道される。その上、裁判になる。通報者側も傷がつくが、会社側も社会的信用に大きな傷がつき、終息するのが、内部告発事件の顛末である。
 
これらの失敗事例の中から、著者らは、公益通報を受けた時のトップ、担当者達、弁護士らの心構えを書いている。『事業所内部に内部告発を受けた時は、内容が真実の通報であれば事業者にとって是正の機会、準備の時間的余裕を与えるものとして歓迎すべきことであるもし事実が異なるのであれば調査結果を丁寧に通報者に知らせ納得を得られるように努力すれば良い。その後外部に通報される事態になったとしても、事前準備は済んでいるので慌てることはない。報復措置あるいは報復と取られかねない措置は無用の係争やコストアップ、事業者の社会的評価の低下を招くだけである』と。
 
この結論はさすがである
 
内部告発に通報者側、事業者側において、それどれの立場で実際に関与してきた弁護士達であるが故に言えるのであろう。
 
非常に専門的になるのが第5章の「内部告発に伴う証拠収集問題」の法的解釈問題の解説である。この解釈は内容は公益通報者保護法を何度読んでも回答がない部分であり、公益通報者保護法が判例に委ねた空白部分であるからである。
 
通報する側では、会社側の「証拠」を入手して告発しないと真実性の立証が難しくなる。その結果、会社の内部の「証拠」をコッソリ入手しくてはならない。この行為は内部告発に不可避的に生じる行為である。となり、証拠入取行為は形式的には窃盗罪になり、少なくても就業規則違反に該当する。
この本は、内部告発に伴う証拠収集行為を豊富な判例を引用して、判例がどのように考えているかを、実例を挙げて詳細に検討している。
 
最後に韓国の内部告発保護法を紹介している点が参考になる。
 
通報対象事実は公職者の「腐敗行為」であるが、通報者の通報による刑の減免、通報者に対する差別取扱行為者に1年以下の懲役、告発をした者に報奨金や、税の支出を免れるなどの場合は最高20億ウオンの支給などビックリする法律が隣の国で制定されている。
 
アメリカの不正請求防止法、キイタム訴訟によく似た制度である。知らなかったが故に、これを知っただけでも読んだ価値があった。
 
事業者が失敗しない、公益通報に関係する人達、特に相談にのる弁護士達や担当者達が失敗しない為の「教科書」であると言える。
 
一読をお勧めする

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2.5億円食い逃げ裁判で千代幹也元総務官が証言(内閣官房機密費50」

自民党政権末期の河村長官が2.5億を食い逃げした事件について、その官房機密費を管理していた千代幹也元内閣総務官が法廷で証言する。
 
日時 20111220日(火)午後130分から午後4時30
場所 大阪地方裁判所 8階806号法廷
 
千代幹也元内閣総務官の陳述書が政治資金オンブズマンのHPにアップされている
 
安倍官房長官の情報公開裁判の時と同じで、官房報償費の「具体的使途」は言えないという逃げの証言になるだろう。
 
しかし今回の2.5億円の使途はわずか平成21年9月4日から16日の間に支出するのは異常だと原告が主張したら、過去の情報入取の対価もあったし、将来の情報入取の対価もあったと弁明してきた。安倍長官の時の法廷では言わなかったこと。
 
このブログで千代証人にどのような尋問するかは明らかにできないが、政権末期の自民党があれこれ弁明しようが、デタラメ政権であったことは確実
 
民主党政権も政権交代前は官房報償費の一部公開をすると公約し、官房長官は就任の都度、どのように公開するか検証すると言いながら退任と同時にダンマリを決め込み、早2年以上も経過してしまった。
 
2大政党による政権交代とは、ドッチもドッチの政権、似通った政権であることは官房報償費情報公開裁判でも明らかになった。
 
税金の支出の透明性は、民主主義のイロハであり、官房報償費であっても限りなく透明性が要求される。

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公表すべき事件を怠ったオリンパス役員達の責任の追加(株主と会社)

オリンパスの損失隠しは底が見えない。奈良市在住の株主が11/2付の株主
表訴訟の訴え提訴通知をした。  
 
株主の権利弁護団HP参照
 
その後に会社の公表資料などで被告とすべ取締役、監査役は増え合計47
名及び監査法人2者になったようだ。上記47名及び2監査法人は「損失計
上先送り」が開始されていたであろう平成11年以降の、取締役、監査役、
計監査人である。
 
近いうちに新たに提訴通知を追加するようだ。
 
そのうち、非常に興味を感じたのは マイケル・ウッドフォード氏を解任した件
新たな損害を追加する動きだ。
 
マイケルウッドフォード氏は、9月下旬、取締役のみならず、社外取締役、
査役に対しても、巨額の違法支出について質問する手紙を電子メールで送
った 
 
このような場合、当時の役員らは代表取締役から、違法行為の疑いの指摘
があっのであるから、同事実が真実であるかどうかを早急に調査し、もし
それが真実であると判明した場合には、その違法、不正行為に対する必要な
置(その事実を公表するなどの措置を含む)をを早急に取るべき注意義務があ
る。
 
しかるにその義務に背き、安易にマイケルウッドフォード氏を全員一致で解
し、そのあげくジャイラス社及び国内3社の買収について適切な評価、手
きを経て実施したと虚偽の事実を公表したことだ。
 
このような当時の取締役らの無責任な行為がオリンスのガバナンスが機能不
全に陥っている醜態を世界のさらけ出す結果となった。
 
この為に会社の受けた信用損害は巨額であり、かつこの信用回復の為にもそ
損害が拡大する。この信用損害並びに信用回復損害はすくなく見積もって
も100億円は下らないとして、新たな提訴請求をする予定という。
 
ダスキン事件でも公表すべき時期にそれを隠ぺいした責任が認めれれ役員
に信用回復の為の損害の賠償を命じた。同じ問題である。
 
ダスキン役員の「不作為」責任(株主と会社13) 参照

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第一生命社長の国会議員接待事件の報告(株主と会社)

本日(11/17)第一生命社長が自民党を中心とする金融族議員のパーテイ券購入、接待は取締役の善管注意義務違反するとしてその金を会社に返還せよという株主代表訴訟の第2回の弁論があった。
 
原告は準備書面(1)を事前に提出し、本日陳述した。
この内容は株主の権利弁護団のHPにアップした。
 
裁判官は被告に
①原告の準備書面(1)に対する被告の反論
②第1回弁論で原告が提出した第一生命が所持する国会議員別の接待文書などの文書提出命令を申立していたが、これについての被告の意見
を求めた。
 
次回は来年の1月12日午前11時となった。

今後の裁判の焦点は、第一生命が所持する国会議員別の接待日時、金額、
パー券の国会議員別の購入数、日時などは開示されるかどうかである。
 
モトモトこの事件は第一生命の内部の情報がマスコミ関係者や株主権利弁護団などにあっての裁判である。
 
この事件は客観的事実についてはほぼ双方に争いがなく、何故、第一生命の社長が、どのような理由や動機で、国会議員にパー券を配り、接待したかの法的解釈が争点となる事件。
 
文書提出命令に対する第一生命の対応如何であるが、一挙にこの事件の最大の攻防となりそうだ。
 
次いで被告側の証人、本人尋問などの証拠しらべに入るかも知れない。

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