あなたの知らない視点で語りたい〜フォト 詩 小説 エッセイ

理想がなければ自らが作ればいい。自由と愛と尊厳のある世界を、このブログのから発信していきます。

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KKKは1865年、六人の若者の悪ふざけから始まった。
しかし、すぐにKKKは州をまたぐテロ組織となる。一時期衰退、1920年代に復興すると構成員は800万人に膨れあがる。
 
 
第二次大戦後、KKKはアトランタを本拠地に、ジョージア州の主な政治家を抱き込み、警察権力も手を組んでいると言われた。KKKは秘密結社で正体がわからず、合い言葉を使い、密室で陰謀をたくらみ、恐ろしい集団であると大衆には信じられていた。大衆は彼らのほとんど何も知らず、ゆえに恐れ、自分らは無力だと感じていた。
 
 
――さて、この恐ろしい秘密結社の脅威は、どこまでが本当でどこまでが嘘なのだろうか?
 
 
1940年、この集団の真実をさぐるために、KKKにもぐり込んだ男がいる。ステットソン・ケネディという男だ。
 
 
彼は「卑劣」「無知」「横やり」「脅し」が大嫌いだった。
 
そして、その大嫌いなものを、どの組織より高らかに掲げていたのが当時のKKKだった。
その正体を探るべく、彼はKKKの秘密警察にして「鞭打ち団」にスパイとして入り込むことに成功する。
 
彼は喜んだが、もし誰かに暴力をふるうハメになったら、どうしようかとも考えた。
しかし、それは杞憂に終わった。なぜなら、その仕事は単に「痛い目に遭うぞ」という脅しを口にすることだけだったからだ。
 
 
KKKの暴力と言えば「リンチ」というイメージだった。
ではこの「リンチ」本当に頻繁に行なわれていたのだろうか?
 
黒人に対するリンチ件数の統計を見てみよう。
 1890-1899年  1111件
1900-1909    791
1910-1919    569
1920-1929    281
1930-1939    119
1940-1949    31 
1950-1959    6
1960-1969    3
(※ただし、この総数にはKKKによるリンチ意外のリンチも含まれている)
 
 
このように、黒人人口の大きさと比べると、リンチはめったに行なわれていないことがわかる。
 
 
ではステットソンがもぐり混んだ組織は、リンチしないで、中で何をやっていたのだろう?
 
実のところ、学もなく、将来も暗く、何かはけ口のほしい哀れな男どもの、子供っぽい集いみたいなものだった。
 
彼らは宗教めかした御詠歌だとか誓いの言葉だとかで、おどろおどろしい雰囲気を楽しみ、幹部のほうはと言えば、何千人もの平団員から集めた団費と会社オーナーからの依頼で組み合いを脅す仕事料、ミカジメ料、決起集会での莫大な献金、銃の密売、怪しげな保険組合で保険を団員に売るなどで収入を得ている始末だった。
 
 
ステッドソンはあきれ果て、ますますこの結社をつぶすことを決意する。
だが彼個人で何が出来よう? 彼はあちこちに働きかけたが、巨人に小石でも投げているようなものだった。
 
そしてついに、彼は試行錯誤の末、大変ユニークな攻撃方法を思いつく。
 
 
――子供にスーパーマンになってもらい、悪人KKKを倒す、KKKごっこをやらせよう! 
 
 
彼らの力の根源は隠されたもの、つまり「秘密」だった。政治家と組んでいる? 警察権力とつながっている?
彼らに逆らうとリンチされる? いったい全体これは事実なのか? かれらの正体がわからない。つまり情報が公になっていないことが彼らの武器だったのだ。
 
 
そこで彼は潜入で入手した内部の情報を公にすることを、思いつく。それも子供らに彼らの大切な情報を与えるのだ。
彼は数百万人の子供たちが聴く人気ラジオ番組「スーパマンの冒険」の中に、KKKの最高機密を入れてもらった。たちまち、このKKKごっこは子供たちの間で流行っていった。
 
KKKの神聖な儀式は、子供らに汚されていった。KKKの親は苦々しげに自分の子供が、KKKを倒す遊びを眺め、押し入れの奧の白いかぶりものが子供に見つからないことを祈った。KKKは全米の笑いものになり、何百万人もの団員を集めていた組織は勢いを失っていった。

 
 
秘密結社は秘密主義であるから、力を持つ。それを逆手に取り、情報を公にすることで彼らの力を削ぐのだ。
 
 
そもそも何故、KKKはこれほど脅威と見られていたのだろうか?それは一般大衆の「恐れ」の心理である。
過剰な「恐れ」が、組織本来の力よりも、多大な力を組織に持たせるのだ。
 
巨大な恐れの前に個人でなにが出来るだろう?
まったく簡単なことだ。こんな言葉がある。
 
 
――太陽(光)のもとにさらけ出せば、滅菌できる―― 
 
 
彼の武器は情報だった。彼は情報の本当の力を知っていたのだ。もしもステットソンが現代に生きていたら、わかったことをかたっぱしからブログに流し込んでいただろう。
秘密は秘密であるがゆえに、人に恐れを抱かせているのだから。
 
(引用及び参考図書、ヤバい経済学・S・D・レヴィットとS・J・ダブナー著より)
 
 

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なるほどと思って読みました。私が今書きかけている政治小説の指導者は公然と「DIC(破壊こそ建設であるの略称)は秘密結社だ」と言い放っていました。彼は、言い知れぬ恐れを持ってメンバーを支配していたのです。2日前自分が書いた詩集を探していたら、1972年発行、三井物産の社員用手帳がポロリと出てきました。私は書記を担当していたらしく東京や沖縄での会議の内容がビッシリ書き込まれていました。私が書いてきた詩やエッセイ、小説も情報なのです。勿論、紹介してきた音楽も情報です。心が喜ぶ記事を読ませていただきました。

2014/5/20(火) 午後 1:51 [ aja 1951 ] 返信する

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隠れていた情報を白日の下にさらし、公にする・・・。
秘密でなくなれば、恐れもなくなる・・・。
すごく単純な話なんですね、実は・・・。
今はインターネットを使って、まさに情報合戦実行中ってところでしょうか・・・。

2014/5/20(火) 午後 2:44 [ ひろみ ] 返信する

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aja 1951 さん、コメントありがとうございます。
「ヤバい経済学」の二回目です。このKKKの話は大変、感銘を受けました。私はツイッターで権力の暴露記事をリツィートすることが多いのですが、最近少し、その意味を見失いかけていました。
でも、「情報は力」という、この例を知り、自分は間違っていないのだと確信しました。隠されたものを光に照らす。知ったことを共有することが大事なのだと思うのです。もちろん楽しいことも共有していきたいです。^^

2014/5/20(火) 午後 6:00 都環 咲耶子(とわさくやこ) 返信する

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ひろみさん、コメントありがとうございます。
「正体見たり枯れ尾花」ということわざがありますね。
幽霊だと思って恐れていたものが、よく見たら枯れたススキの穂だったという意味から。疑心暗鬼で物事を見ると、悪いほうに想像が膨らんで、ありもしないことに恐れるようになるということです。

まず恐れる前に正しい情報を得る。そうすれば、恐れを利用しようとする人びとから自由になります。恐れず、適切に警戒することが一番です。

2014/5/20(火) 午後 6:07 都環 咲耶子(とわさくやこ) 返信する

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