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社労士試験の正常化を願って

訴訟の背景

訴訟の背景
開示された『選択式得点分布状況等(甲11等),合格基準について(甲4−2,5,6,7,15)(公文書:平成27年4月3日決定)』と平成27年度の選択式得点分布状況等(乙5−8等)を元に精査すると,そのすべてが,選択式科目の補正のあり方(難易度の考え方)である。これらの記述の内容は「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」ため,内部審査基準である『「合格基準の難易度の考え方(乙5−6中段:2 年度毎の補正)」=「合格基準の補正は,試験水準を一定に保つため,各年度において,総得点及び各科目の平均点及び得点分布等の試験結果を総合的に勘案して行う」』に基づき,過年度の7人の委員が行政裁量を発揮し,克明にこの1点の判断過程(甲4−2,5,6,7,15)を示し,その結果:公知の事実を詳細に記載している。平成27年度の選択式科目の難易度の考え方(行政裁量)が,平成26年度までと比較して明らかに違う(この裁判の重要な争点である)。
また,合格基準の決定は,「合格基準の考え方」を内部審査基準として,内部規定である「合否判定委員会要領(7人の委員の会議体)」に基づき行われてきたことも分かった(訴状提出時点では,委員会を7名の奇数人よる会議体と捉えていた,また,客観的に判断してその内容である)。
内部審査基準・内部規定・合否判定資料・公知の事実があるなか,「総得点21点で,なぜ4点下げにとどまったのか」,平成27年度の7人の委員は内部審査基準「合格基準の考え方」の選択式難易度の考え方をどのように解釈したのか,平成26年度までと比較して,解釈に大きな差異があるため,厚労省の試験事務担当者(・・氏)に問い合わせて「選択式補正科目の難易度の考え方を変更したのか」確認したところ,「選択式補正科目の難易度の考え方は過年度より一切変更していない」との明確な返答があり,行使された行政裁量(難易度の考え方)にさらに疑義が膨らみ,・・氏(宛先は・・氏からの聞き取り)への意見書(甲12),塩崎大臣への通知書(甲13)を送付して,説明,回答をお願いしたが,説明,回答は一切得られていない。「問い合わせ,意見書等の送付は1,2件ではないはずである」。

例年と変わったこと


例年と変わった事は,選択式試験の難易度(合否判定資料:乙5−8)と職務上の行政裁量を発揮する人「厚労大臣(塩崎大臣),7人の合否判定委員(・・氏を含む7名),試験事務担当者(・・氏,・・氏)」(関係者合わせて10名:起案用紙等から)だけである「毎年,変わるようである」。社労士法3条・9条・10条,試験の実施要綱,「合格基準の難易度の考え方(内部審査基準),合否判定委員会要領(内部規定)」は変わっていない。

したがって,選択式試験の難易度以外,平成27年度に職務上の行政裁量を発揮する人10名が変わっただけで,文書化された社労士法3条・9条・10条,試験の実施要綱,「合格基準の難易度の考え方(内部審査基準),合否判定委員会要領(内部規定)」は変わっていないのであるから,それらの文書,特に合否判定手続きに用いられた「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」ため,「合格基準の難易度の考え方(内部審査基準)」を職務上の行政裁量を発揮する人10名が適正かつ合理的に解釈した上で,「合否判定資料」を適正かつ合理的に精査し合格基準を決定したか,発揮された行政裁量の妥当性が問われる裁判である。

※次回は選択式難易度の考え方を投稿します。




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社労士法と厚労省が策定した基準,規定
法律(社労士法)で細かく規定できないことは法律(社労士法)を執行し適用する行政権(厚労省)に委ねられ,行政権(厚労省)が裁量権の名のもとに,事務(合否判定を含まず)の仕組みとしての「社労士試験事務規定(非公開)」・「試験の実施要領」と合否判定の決定手続きの審査基準としての『内部審査基準・内部規定(非公開)』に基づき長年運用してきた。
社労士試験は「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」ため,厚労省が行政裁量にて,内部審査基準である『「合格基準の難易度の考え方」=「合格基準の補正は,試験水準を一定に保つため,各年度において,総得点及び各科目の平均点及び得点分布等の試験結果を総合的に勘案して行う」』を策定し,それを適正かつ合理的に運用する目的で,「合否判定委員会要領(奇数人7名の委員よる会議体)を内部規定し,国民(受験者)には一般公開しない方針(合否判定資料を含む)で,合格基準を決定し,結果(公知の事実)のみを公表してきた。係る視点から,社労士法(法律)に細かく規定できなかった行政権が裁量権に基づき策定した「内部審査基準・内部規定・社労士試験事務規定・試験の実施要領」は社労士法(法律)と同じ重みをもち(牽連関係にあり),行政権(厚労省)はこれらの四点を適正かつ合理的な裁量権を発揮し運用しなければならないと解される。
※次回は「訴訟の背景」を投稿します。

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「公知の事実」=「歴史的事実」
選択式の合格基準(公知の事実)の結果は,総得点と補正科目で構成されており,総得点と8科目中の補正のあり方(難易度の考え方)が明確に示されてきた。総得点23点以下の年度は「平成18,23年度の2点適用5科目補正(基準点:5点下げ)・平成22,25年度の2点適用3科目補正と1点適用1科目補正(基準点:5点下げ)」である。総得点23点以下,基準点5点下げの事実は社労士試験に携わる関係者全員(資格取得を目指す国民,受験者,予備校講師,当該年度の過去の合格者,連合会職員,合否判定を行った過去の公務員等)の公知の事実である。選択式補正科目(あと1点)で不合格処分を受けた受験者の誰もが「平成27年度の総得点21点,2点適用4科目補正(基準点:4点下げ)」を過年度と比較して,外形上の明らかな差異(公知の事実との違い)に大きな疑義を持った。疑義は「総得点21点で,なぜ4点下げなのか」のみであり,ある特定科目を指示し補正を求めるものではない(裁判官の誤解が無いように:各人が思う難易度は審査の対象にならない)。なぜならば,どの科目の難易度が高く,低いかは総受験者の得点状況(平均点・得点分布等)で判断される(非公開)。また,受験申込時,受験者が確認できる合格基準は上記の公知の事実(総得点と5点下げ)のみであり,合格する為には,(この大きな)1点を越えなければならない。

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判決内容の趣旨
一言に要約すると「過年度との整合性をとる必要はない」その理由は「合格基準の考え方」を変更することも含めて「厚労大臣の専門的かつ技術的な裁量に委ねられている」との見解のようである。(明確には記載されていないが)
過年度との整合性をとる必要が無ければ,正直お手上げ状態であるが、なにか突破口を見つけたい。
また、敗訴した場合、原告の主張は歪曲される又は採用されることは、無いようで、被告の主張のみが記載されるようである。(正直:11月6日と同じぐらいの驚きである)

以上、一通り目をとうした感想を記載します。

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5,違憲の視点から
(1)「憲法第14条の法の下の平等」の視点
社労士法第3条第1号に規定される法的地位たる合格者の平等は,単に社労士法9条の要請に応えるにとどまらず,更に進んで,合格者の内容の平等,換言すれば,各年度間の合格基準の平等,すなわち各年度間の合格基準が社労士試験の結果に及ぼす影響力においても平等であることを要求せざるをえないものである。
社労士試験においては,①試験の方式がマークシート方式によるものであることから,受験者の回答の正誤・正答率・得点分布等が機械的に明らかとなるものであること,②合格基準に関する考え方に基づく合格基準の設定,これに従った合否判定等が複雑困難な作業であるとはいえないことなどからすれば,平成27年度の選択式科目の調整見送りの試験結果は,考慮不尽と評価されるべきである。「調整5ケ年」の追加補正科目適合合格者,とりわけ補正を行わなければ,合格率5%以下であることを容易に想像できる「平成22,23,25年度」との比較において,外形上・客観的に見て明らかに合理的理由のない差別(甲22,28号証)であり,全体として不平等な違憲の瑕疵を帯びる。
過去の事実から,選択式試験の科目基準3点(60%)以上を合格基準とした設定理由において,試験問題の難易度の差から生じる試験年度間の不公正性及び受験生間の不平等な取扱いにならないように,合格基準の調整を適正かつ合理的に行い,年度間の公正性及び平等な取扱いが担保されてきた。さらに,相対評価の国家資格試験において,各年度の受験者が受験申込の段階で,過去の事実「連合会発表の難易度により選択式科目が補正されること,そこから派生した合格率」を指標に受験に臨むのは至極当然のことである。条理上,社会通念から著しく妥当性を欠く平成27年度の選択式労働者災害補償保険法の調整見送りは,重要な事実の基礎を欠き,行政庁の著しく不公正な合否判定手続きに起因しており,信義則違反である。
各年度間の合格基準が及ぼす社労士試験の結果に著しい不平等が生じ,社労士試験においては,①試験の方式がマークシート方式によるものであることから,受験者の回答の正誤,正答率,得点分布等が機械的に明らかとなるものであること,②合格基準に関する考え方に基づく合格基準の設定,これに従った合否判定等が複雑困難な作業であるとはいえないことを斟酌してもなお,生じる合理的理由のない差別は,考慮不尽と評価されざるを得なく,委員会の裁量の範囲は相対的平等であるのか,平成27年度の選択式科目の調整見送りの試験結果を正当化すべき特別の合理的理由が示されない限り,憲法違反と判断されざるを得ないものというべきである。
(2)「憲法第22条第1項」の視点
「憲法第22条1項」の「公共の福祉」を明文で述べているのは,国に個人の職業選択の自由が十分に保障されるべき秩序構築義務があることを述べたものと解する。係る視点から,平成12年度に「国民に分かりやすい簡易なものとすることが望ましいこと」を趣旨に「合格基準の考え方」を策定し,相対評価の社労士試験は難易度の生じることを前提に実施している。各年度,審査基準の難易度に疑義がおこらないように明確な数値『平成12年度の選択式合格基準点(根幹)の設定理由「※各科目3点以上が5割以上いたため」(甲4,16,18号証)・平成19年度の「乖離累計による総得点の補正の考え方」(甲4,16,18,26号証)・平成23年度の「科目最低点の補正基準②」(甲4号証−2)』を用いて「合格基準の考え方」に審査基準を追記してきた歴史がある。このような歴史があるなかで,後続の委員会(平成24年度・平成26年度)が行政裁量にて削除する行為,ならびに,平成27年度の7人の合否判定委員が行使した行政裁量は適正かつ合理的であるかどうか,国は国民の職業選択の自由が十分の保障されるべき秩序構築義務を果たしているか否か問われるべきである。
条理上,社会常識的な観点から,組織機関において,「合格基準の考え方」は合否判定手続き上の「重要な引継書」の役目を果たす,詳細に記載された審査基準を削除するなら,その理由を記さなければ,後続の委員に正確な削除の意図が承継されず,新たに選任された7人の合否判定委員は過年度の審査基準である「難易度の考え方」を理解することなく,過年度との整合性のない合格基準を決定する可能性が高くなることを付け加えておく。
 
第7章 結論 (裁量権の逸脱・濫用及び手続き瑕疵)
平成27年度の労働者災害補償保険法(2点以下:62.9%・平均点:2.2点)の基準点3点は,合否判定委員会における本件準則(1と2)の考え方から大きく逸脱している。
前述したように,労災は本件準則2の要件である「合格率・得点分布・平均点・難化傾向・不合格者の割合・他年度との比較」のすべてにおいて該当するにもかかわらず,追加補正が行われておらず,その調整見送りを決定した適正かつ合理的な理由をみいだせないことから考慮不尽があったことは明らかである。
合否の決定に関しては,前述したように合否判定過程での第3者関与が決定的であり,何らかの他事考慮の存在が示唆される。また,被告自身が,訴訟に至る以前から被告第2準備書面まで「試験の水準を一定に保つため」を一貫して主張しているが,「試験の水準を一定に保つため」の合否判定手続きの措置が適切になされていないことは,公文書(開示資料),7人の合否判定委員による持ち回り決議(事前協議・起案用紙)の疑義から極めて明確である。
被告の準備書面,意見書,証拠方法から,事前告知なく,7人の合否判定委員が平成26年度までの合格基準の「難易度の考え方」を理由もなく変更した蓋然性が高く,合否判定手続き上の重大かつ明白な瑕疵である。
公権力をもつ行政庁(国)といえども,難易度の審査基準を変更したのであれば,事前に公表する,変更せざるを得ない行政上の合理的な理由があれば,事後の説明責任を果たすことは,必ず守らなければならない受験者(国民)との法律論を論じる前(条理上)の重要な約束事である。
信義則の視点から,例年と変わることの無い受験案内(乙第4号証)を行い,受験申込時,9,000円の受験費用を徴収し,受験させている以上,受験者は例年と変わることの無い「適法かつ適正な合否判定手続き」を受ける権利がある。 
行政庁(国)は,「委員会要領」に規定されているとおり「合否判定手続き」を実施したか,「適正な合格基準」であるか検証する責任があり,平成27年度の7人の合否判定委員は過年度との整合性のある「試験水準を一定に保つという観点から,当該年度の総得点,各科目の平均点及び得点分布等の結果を総合的に勘案して適正な合格基準」を決定する責任があった。
これらを総合的に鑑みれば,平成27年度の合格基準には,裁量権の逸脱・濫用及び手続き瑕疵が認められるのであるから,本件は,7人の合否判定委員による比例原則,及び平等原則に違反した合否判定手続きによって,原告の法的地位が侵害されたことを主張するものである。
原告は,社会保険労務士法第3条第1号(社会保険労務士試験に合格した者)に規定される法的地位を違法に侵害された。 
したがって,被告は,原告を不合格とする処分を取り消し,選択式科目の労働者災害補償保険法の合格基準点を3点から2点に適用すべきである。
 
               証拠方法
 
甲26号証 社会保険労務士試験の合格基準の考え方について   2部
(平成19年度)   
甲27号証 総得点乖離状況チエック表(H26(第46回))            1部
甲28号証 原案・修正案検証表                               1部
甲29号証 行政文書開示請求書の補正について(依頼)           2部
 
                               附属書類
 
1 第3準備書面副本       1通
2 証拠説明書            2通
3 甲証の写し             2通
                                 以上

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