複音ハーモニカの奏法92 分散和音-3 (音と身体8)
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分散和音奏法が複音ハーモニカの「最高難度」の技法であると言われる所以は、その身体性にあります。
ある曲にはそれぞれ多様なアレンジが可能です。
でも、ここはベース奏法で刻もうとか、ここは分散和音で演奏しようとかいう事柄には、ある必然性があります。
私は生徒さんの発表会の演奏譜は、ほとんど元の楽譜通りということはありません。
その人の進度によって、様々に変えていきます。時間がたっぷりある時には、練習の途中からある部分の奏法を変更したりします。前奏や間奏等も、必要とあればその人の進度に合わせて作ります。
最近とても面白いことがあったのは、「ここは単音でシンプルに演奏した方がいい」というアレンジをしたところ、別のプロのアレンジが、その部分については一致していたことがあるのです。
ですから、「ここは分散和音奏法でいこう」と言っても、上から下りてくるのがいいのか、それとも下から駆け上がった方がいいのか…、同じ下から順に上がっていくにしても、ソフトに進行するのか、はじけるように駆け上るのか…、それこそ千差万別の演奏が可能です。
ということは、分散和音奏法で演奏する時に、例えば低音の伴奏を「ド・ソ・ミ・ソ」と勘定していたのでは、どうにもならないのです。
ここは、是非ともメロディラインに集中して、低音の伴奏は身体感覚の中で行われる必要があるのです。
ほんのちょっとした指の寒感覚で、ことは決まります。あるいは、ほんのちょっとした唇の感覚で、ことは決するのです。更に言えば、ほんのちょっとした息遣いで、全く事態は変わると言っていいでしょう。 |
