不妊治療病院の院長 福田愛作のブログ

IVF大阪クリニックは不妊治療専門クリニックです。「心と身体を癒す医療」をテーマとしています。

家庭菜園

私の家の周辺の畑ではすでに田植えの準備が始まっています。広々とした畑に水が張られ水田ができ、水の匂いが何とも言えない良い気分にさせてくれます。私の楽しみの一つは庭いじりと畑仕事です。と言っても小さな畑が4区画だけですが。ゴールデンウィーク前にちょっとした時間をみつけては畑を少しずつ耕していきます。そうすると苗を植えるころには畑全体がチョコレート色のフワフワとした土になります。ゴールデンウィーク前半に例年通り夏野菜の苗を植えました。苗を植えた後の土の上には細かく切った藁を載せ、それぞれに添え木を立ててやりました。キュウリ、ゴーヤ、トマト、シシトウ、ナス、ピーマン、オクラを植えました。私は化学肥料は使わず、自分の家で使った野菜の切れ端などを生ゴミ処理機で肥料にしたものを使っています。ですから本当の無農薬有機野菜と言えます。こうすることで、できた野菜を食べるとすべて我が家でできているので、できの良し悪しにかかわらず、何とも美味しく感じるのです。今年は、例年に比べ前半はかなり気温が低くゴールデンウィーク後も朝夕は涼しいのですが、それでも昼間の天候が良いので野菜たちもすくすくと育ってくれています。ただ、オクラだけは枯れそうです。いつもオクラはうまく育ちません。私はオクラはあまり好きではないのでそのせいなのでしょうか?例年、野菜が実を着けて色付いてくるとすぐにカラスにつつかれるので、今年は、初めて畑にネットを掛けてカラス対策をしようと思っています。毎日仕事から帰り野菜の成長を見るのがこのごろの私の楽しみです。

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世界仰天ニュース:イントラリピッド

10月25日の世界仰天ニュースで“卵黄で妊娠成功”という題で、イントラリピッド(点滴用脂肪製剤)投与で妊娠しやすくなるとか不育症治療が可能となるとの報道がありました。テレビを見られた方には分かると思いますが、その原理としてNK細胞活性が抑えられるためとのことでした。この原理こそが我々が行っている着床障害治療法のひとつの根拠です。我々はNK活性測定後に、異常高値を示す方にはリンパ免疫療法によりNK活性の低下を目指し、着床障害や不育症の治療に用いています。もちろん成功例も続々と出ております。またNK活性以外にも自己抗体や血液凝固検査、さらに血小板凝集能などの特殊検査をおこない多方面から着床障害の検査・治療をおこなっています。いずれにしても、体外受精を何度もおこなって妊娠が成立していない方は精神的、肉体的のみならず経済的にも大変だと思いますので、なんとか妊娠していただきたいと努力をしております。少しでも効果のありそうなものは取り入れてゆきたいので、イントラリピッドについても投与方法などを現在検討しております。

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時間治療

数日前のNHKクローズアップ現代で“時間治療の最前線“と題した番組が放映されました。”時間治療”は初めて聞いた名前だったので一体何なのだろうと思って見ました。内容の概略を説明すると次のようになります。私たちの身体は体内時計にコントロールされて働いている。この体内時計は体に一つではなく各臓器によって違っている。この個々の臓器の体内時計を医療に生かす試みが進んでいるという。これを時間治療と呼ぶのです。疾患の治療に用いる薬は従来と同じであっても、投与する時間を変えるだけで癌患者の生存期間の延長や関節リウマチの痛みなどに劇的な効果を生じるという。それぞれの細胞内には時計遺伝子が存在していることも明らかとなっている。自分のなかの時間遺伝子はどう働いているのかとか興味は尽きないと思います。この番組を見ていて私が感じたことは、不妊治療はまさに時間治療の典型だと思いました。卵巣の時間遺伝子がコントロールする時間に逆らわないよう、できるだけ最適な時期に卵子を利用することが大切です。今回の時間治療は主に各臓器の働きの日内変動を利用したものですが、卵巣という臓器は出生からの時間にコントロールされています。即ち女性年齢が時間遺伝子と同義ではないかと感じ、大きな意味の時間治療の重要性を再認識しました。また年齢ばかりでなく、卵巣の日内変動に基づいた排卵誘発剤の投与時間の工夫なども、何らかの良い影響をもたらす可能性があるのではないかと思いました。今後不妊治療における時間治療の研究が始まればと期待しています。

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卵管鏡下卵管形成術(FT)

本年4月1日から卵管鏡下卵管形成術(FT)がぐっと受けやすくなりました。FTは卵管通過障害(卵管が詰まっていたり狭くなっている)の患者様に対して行っている手術です。当院ではFTを外来で局所麻酔下におこない日帰り手術として実施しています。両方の卵管が閉塞している場合など、他の医療機関であれば体外受精しか方法はないのですが、当院ではFTをすることにより1/4-1/3の方はタイミングや人工授精で妊娠が可能となります。FTはまた健康保険が適用されますので費用も体外受精ほどは高くありません。保険医療の特典として民間の保険(アリコ、アフラック、ソニー----などなど)も使えますのでそんなに高額にはなりません。とは言ってもこの4月からは両側の治療をすれば(ほとんどは両側の治療が必要となります)保険を使った後でも約30万円の支払いが窓口で必要となります。もちろん約8万円以上の分(約20万円)は3か月後には高額医療費の適用で返還されます。それでも一時的には立て替える形で支払わなければなりません。ところがです、この4月1日より市役所やお住まいの地域の取り扱いの役所で認定証というのを申請していただき持参していただければ(東大阪市役所では当日にもらえるようです、他はそれぞれの役所でお聞きください)、高額医療の限度額のみを当院で支払っていただくだけで良いこととなりました。たとえば高額所得者(800-1000万以上)でなければ両側のFTを受けても窓口で9万円弱の支払いで済みます。その上、高額医療費の返還手続きも必要ありません。低所得者であれば4万弱の支払いで済みます。高額所得の方は16万弱必要となります。今までから、特にこの4月からは、いくら保険とは言え一度に30万円のお支払とお話しするのを心苦しく感じていました。この制度の新設でFTを薦めやすくなりほっとしています。私が日本で初めてFTを外来で実施できるようにしたのですが、今回の制度ができたことにより、卵管因子のために体外受精以外には妊娠の方法がないという患者様に、自然妊娠の可能性を開く機会がより多くなることを期待しています。

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日本レーザーリプロダクション学会

3月11日福岡市でレーザーの学会が開かれました。この学会はレーザーの生殖医療、主に不妊治療に対する効果などを議論する学会です。今回はレーザーを用いた孵化補助術(アシストハッチング)や低レベルレーザーの重症不妊症(多数回体外受精をしても妊娠できない方)に対する効果について検討されました。アシストハッチングとは、受精卵や胚を取り巻く膜様構造物(透明帯と呼ばれる)の穴を開けて着床率を高めようとする技術で、現在はほとんどのクリニックで高レベルレーザーを用いて行われています。今回の発表ではアシストハッチングのすべての症例に対する明らかな効果は認められませんでしたが、反復不正高齢など効果のある群も示されました。低レベルレーザー(LLLTと呼ばれる、外来で行っているいわゆるレーザー治療)については着床率を向上するという効果が多くの施設から発表されました。それ以外にも卵巣機能の改善や卵子の質を高めるのという生殖機能に対する改善効果が発表されました。その他、冷え性の改善や皮膚表面温度の上昇、肩こりや疲れなど、いわゆる不定愁訴の改善も同時に起こると報告されました。いずれにしてもLLLTは副作用がなく生殖医療にはかなり効果のあることが徐々に明らかとなってきました。また学会の理事会では、私が理事長に再選されましたので、今後2年間日本レーザーリプロダクション学会の舵取りをさせていただくことになりました。レーザーが新しい治療として不妊治療の成績を向上させ、一人でも多くの患者様にお子様を抱いていただける一助となるよう努力したいと思います。そしてレーザーの不妊治療にたいする改善効果をここ数年のうちに本学会を通じて科学的に証明したいと考えています。追記:もちろん当院からも統合医療部門の井田部長が統合医療の中心としてのLLLT(レーザー治療)について、体外受精治療での難治不妊症に対するレーザーの効果を発表し注目を集めていました。

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東京マラソン

2月26日幸いにもまた東京マラソンを走ることができました。これが3回目のフルマラソンになります。当日は最低気温4℃とかなり寒い朝でした。7時に荷物を預け、8時30分にスタート地点に並ぶために列に加わりました。その時点の気温が6℃とほとんど上がっていませんでした。並びだしてしばらくは大丈夫でしたが、その内身体が震えるぐらいに寒くなってきました。9時10分に先頭のスタートの号砲は聞こえましたが実際に私がスタートラインを超えたのは20分以上後でした。それでも石原知事が手を振っているのが前回以上によく見えました。レースは最初の10キロは人が多くて思うように前に進めませんでした。15キロぐらいになるとスタート前の寒さのため尿意を催してきたのですが、トイレ表示の前はどこも長蛇の列ができておりそのまま行くことにしました。30キロぐらいまではかなり順調に来たのですが33キロぐらいからスピードが落ちてきました。40キロ前からいくつか橋がありその上りがこたえました。最後の橋の上りではかなりスピードが落ちてしまいました。それでも何とか最後はスパートして、ひとつも歩くことなくゴールできました。タイムは4時間2分43秒と自己最高でしたが目標とするサブフォーは達成できませんでした。今回は陽が照ることはほとんどなかったのですが、そんなに悪い天候でもなくランニングを楽しむこともできました。特に浅草を過ぎたところで見たスカイツリーは印象的でした。

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岡山大学公開シンポジウム

1月28日に岡山で、岡山大学農学部に生殖医療技術スペシャリスト養成のための講座が開設されるにあたっての公開シンポジウム「いのちを授かる-不妊治療の現状と課題」があり演者の一人としてお話をさせていただく機会がありました。私は不妊治療専門医の立場から不妊症の原因や治療の進め方など基礎的な部分から、いわゆる高度生殖医療すなわち体外受精や顕微授精などについての解説をおこないました。その他に大学教授や現場の胚培養士、生殖医療に携わるサイエンティストからの話がありました。その中で、私が感動したのが、日本の凍結技術(Vtrification:ガラス化法)を世界一に導いた桑山正成博士と、卵巣組織凍結の香川規子博士の講演でした。二人とも私の友人なので失礼ではありますが、桑山さん、香川さん、と“さん”付けで呼ばせていただきます。桑山さんは日本のみならず世界でガラス化法を胚凍結の第一選択にまで高めた、生殖医療における凍結技術の第一人者です。私がアメリカから日本に帰ってきたころに、ハワイのエンブリオロジスト学会でご一緒したのが初めて会った時だと思います。その情熱と精力的な研究に感心しました。その後学会などで顔を合わせると「日本の生殖医療も海外のようにエンブリオロジストが生殖医療基礎部門を牽引する時代にならないと発展しないね。そのときは桑山さんがそのリーダーですね」と言っていました。今では彼が世界で最も影響力のあるエンブリオロジスト、いやサイエンティストになったと思います。彼がどうして家畜の生殖の専門家から生殖医療に転向したのか、また究極の凍結技術に対する情熱についての講演に感動を覚えました。このシンポジウムは通常の学会と異なりエンブリオロジスト養成講座開設のキックオフ・シンポジウムであったため、技術的なことばかりでなく個人の生殖医療に対する思いなども語られていました。香川さんも彼女の研究史と卵巣組織凍結研究に対する思いを講演されました。今までは研究の話しか聞いたことはなかったのですが、今回は研究に対するぶれない心や終始一貫した人生哲学など全く新しい側面を見ることができ、研究者としてばかりではなく人間的な魅力を再発見しました。今回のシンポジウムに参加させていただき、今後の生殖医療の発展に希望が持てるとともに素晴らしい友人を持っていることを誇らしく感じました。またこのような講座を日本の大学で開こうとされた岡山大学の先生方と舟橋教授に敬意を表したいと思います。

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提供卵子による体外受精

先日の野田聖子議員の提供卵子による体外受精に関するテレビ番組を見られた患者様からよく受ける質問があるので、皆様の誤解を招かないためにもコメントしたいと思います。提供卵子による体外受精では、野田議員の子供さんのように先天異常を持った子供ができるのですか、との質問があります。また、あの番組を見て卵子提供による治療を受けるのが怖くなった、などと言う方もおられます。あのケースは偶発的に発生したもので、提供卵子による体外受精だからではありません。自然妊娠でも、ある一定の確率で先天異常は発生します。我々のクリニックの患者様で海外で提供卵子で治療された方で先天異常が多いと聞いたことはありません。また、現実的には若い提供者の卵子をもらうわけですから、年齢の高い方に比べ先天異常率は低くて当然です。私の言いたいのは、先天異常は自然妊娠でも起こります。野田議員の例は偶発的に発生したものが、たまたまテレビに出るような方に起こったということです。提供卵子による治療について、過剰な心配や、偏見を持たれないようお願いします。

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野田聖子 私は母になりたかった

1月20日午後9時から野田聖子議員の卵子提供による妊娠、出産、子育ての記録がドキュメンタリーとして2時間番組で放映されました。野田議員の妊娠に対するあきらめない心、逆境に対する強い心、子育てへのひたむきさ、それにもましてお子さんの真輝くんの生命力に感動しました。また日本の小児医療のレベルの高さにも感銘を受けました。卵子提供の問題、高齢妊娠の問題、生まれた子供の福祉に関する問題、等々さまざまな事象に対する問題提起になるのではないでしょうか。いずれにしても番組構成も良く、偏りのない素晴らしい番組だと私は感じました。皆様も、もし再放送など機会があれば見られてはいかがでしょうか。

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日本臨床エンブリオロジスト学会

この1月の7日と8日、京都で開かれた日本臨床エンブリオロジスト学会に参加してきました。これはエンブリオロジスト、即ち体外受精で患者様の卵子、精子や受精卵・胚を扱う人々の学会です。私が、アメリカの体外受精の培養室を運営する資格(HCLD)を持っている唯一の日本人であるということで顧問をさせていただいています。毎年認定試験の試験官の仕事と学会での座長や講演のため参加しています。皆さんエンブリオロジストってご存知ですか。別名、胚培養士、とも呼ばれます。日本は体外受精大国で、アメリカの半分の人口であるのに体外受精件数は既にアメリカの実施件数を超えています。また日本には約600施設の体外受精クリニックや病院がありますが、その数はアメリカの1.5倍以上です。そのほとんどに少なくとも1名のエンブリオロジスト/胚培養士が在籍していると思います。体外受精をするには不可欠の人材です。今、日本のエンブリオロジスト/胚培養士がいなくなれば体外受精は現在の十分の一もできないと思われます。ところがエンブリオロジスト/胚培養士には国家資格が与えられていません。ですから現在は日本臨床エンブリオロジスト学会(認定臨床エンブリオロジスト))と日本哺乳動物卵子学会(胚培養士)がそれぞれの基準を設け試験をおこない認定しています。ヒトの血液や尿の検査をおこなう臨床検査技師やX線撮影をおこなう放射線技師など医療の世界では様々な職種が国家資格となっているにも関わらず、ほとんどヒトの一部もしくはヒトそのものと言っていい精子、卵子や受精卵(胚)を扱う職業が国家資格でないというのはおかしいとは思われませんか?皆様も治療に際してエンブリオロジスト/胚培養士とお話をされる機会があればこのことを思い出していただきたいと思います。そしてエンブリオロジスト/胚培養士を国家資格にという流れが起こった時には是非ご協力ください。

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開設日: 2006/8/19(土)


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