不妊治療病院の院長 福田愛作のブログ

IVF大阪クリニックは不妊治療専門クリニックです。「心と身体を癒す医療」をテーマとしています。

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  昨日(3月22日)のテレビ報道で第三者の卵子の提供を受けた3人が妊娠し、一人が出産されたという報道がありました。これは神戸市のNPO法人「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」がおこなっているもので、第三者の女性がボランティアで提供した卵子を使い、病気で自分の卵子がないために妊娠できない女性に妊娠出産をしていただこうというものです。この方法、すでにお一人が出産されていると発表されていました。ほかにも別の女性から卵子の提供を受けた2人が妊娠中で、年内に出産予定ということです。
今までにも、国内では姉妹や友人が提供した卵子での出産例はありますが、見ず知らずの第三者が匿名で提供した卵子による出産が公表されたのは初めてのことです。

  ここで患者様に勘違いしていただきたくないことが、いくつかあります。
1.この方式で卵子提供を受ける資格のある方は、生まれつき染色体異常などがあり卵子を得ることが困難な方や早発閉経などで若くても卵子を得ることが困難な方が主な対象です。
2.プロセスに非常に長時間を要するため、希望した方の中でほんの数名しか受けることが出来ません。
3.この方法がマスコミに発表されて、かれこれ4-5年経過して今やっと出産までこぎつけたというのが現状だと思います。
4.この方法の対象には、高齢で卵子が得られない方や、不妊治療がうまく進まない方などは含まれていませんので、皆さんが受けられると勘違いしなようにしてください。
5.今回の方法の対象となるような患者様についても、私は10年以上前に、海外に紹介し卵子提供で妊娠出産していただいています。国内でできないよりは、まだいいとは言えますが、ボランティアが無償で卵子を提供してくれるのですから、登録した患者様でもどれほどの方が恩恵にあずかれるかは未知数だと思います。また、日本の常として、登録してから何年もしてから「残念ながら、あなたは受けられません」などと言われれば結局泣くのは患者様です。
6.この方法の実施に協力しているクリニックは、ほんの数か所しかなく、実施しているクリニックまで行かなければなりません。

  現在までに多数の方が既に海外で卵子提供を受けられています。卵子提供を必要とする方は国内に多数おられます。姉妹間の卵子提供が既に行われていると書かれていますが、年に10名にも満たない数だと思います。先天的に問題のある患者様についても、必要数に比べれば微々たるものです。しかし、姉妹間や友人からの提供が許されているほんの少しの症例は、すべて上記のような先天的に卵子の出ない方や早発閉経の方であり、高齢による妊娠困難な方は含まれていません。現在、卵子提供を必要としている方の多くは高齢の患者様です。このような方については依然として救いの手は全く示されていません。特に、高齢の患者様については、多くの患者様が高額の費用を出して海外に行かなくても、国内で通常の卵子提供を受けられることを望んでおられるのが実情だと思います。

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数日前の報道で特別養子縁組についての腹立たしい報道がありました。
報道によりますと、
営利目的で、特別養子縁組をあっせんした疑いで元業者の男らが逮捕された事件で、元理事の男は受け取った現金をパチンコ代などの遊興費に使っていたとみられることが分かりました。既に解散した四街道市の「赤ちゃんの未来を救う会」の容疑者2人は都内の夫婦に対し、神奈川県の女性が生んだ子を実費より多額の現金225万円を受け取ってあっせんした疑いで、9日送検されました。警察などによりますと、容疑者らは都内の夫婦に対して「優先的にあっせんする」説明し、現金を受け取っていたということです。その後の捜査関係者への取材で、容疑者らは受けとった現金をパチンコ代などの遊興費に使っていたと見られることが分かりました。
特別養子縁組は日本の誇る非常に優れた制度で、日本の社会的背景に適合した養子縁組制度です。我々不妊治療に携わる者にとっては、夢をかなえられなかった患者様に、次の夢をかなえて頂ける方法のひとつでもあります。ほとんどの特別養子縁組の団体は優良なものと信じています。このような悪徳業者がいることで、特別養子縁組の制度そのものがゆがんだ形で捉えられたり、この制度を利用することに足踏みする方が増えるのを憂慮します。卵子提供が国内で認められない中、唯一の実子を得られる制度なのですから。また、この事件を契機に特別養子縁組に対する規制が強くなり、優良業者の活動が制限されることが起こらないか心配しています。

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2月21日の新聞報道で、別居中の妻が凍結保存していた受精卵を、夫に無断で凍結融解移植を受け長女を出産したとして、夫が、長女が嫡出子でないことの確認を求め大阪家裁に提訴したというものです。凍結受精卵を巡っては、昨年10月にも奈良家裁で同種の裁判が起こされています。奈良の事件については、私のブログにも書いたように、クリニック側が同意書を取らなかったため、妻とともにクリニックも訴訟の対象となっています。今回の事案は、夫の署名を妻が代筆して同意書を提出したということで、妻のみが訴訟の対象となっているというところに違いはあります。
新聞記事によりますと、
男性側弁護士によると、男性と妻は2010年に結婚。13年から東京都内のクリニックで不妊治療を始め、受精卵を凍結保存していたが、14年4月頃から別居していた。妻は15年4月に受精卵の移植を受けた。その際、クリニックには、夫婦の署名がある同意書が提出されており、男性側は「偽造された」と主張している。妻は昨年1月に女児を出産。民法では「婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定される」と規定されており、女児は男性の長女として戸籍に記載されている。妻側は裁判で請求棄却を求め、同意書について「急きょ治療が決まったので代筆し、提出した。移植することは男性に手紙で伝えた」と反論している。男性側弁護士は20日に開いた記者会見で「子供を持つかどうかという自己決定権の侵害だ。クリニックも男性の意思をきちんと確認すべきだった」と話し、クリニックに対する訴訟も検討するとしている。
今回のケースから、我々は“医療者が同意書をどのようにとるべきか”を考えさせられました。体外受精の場合、治療開始前にご夫婦で説明を聞いていただき、ご夫婦で同意書に署名をしていただきます。ただし、それぞれの人物に運転免許証など個人を特定する書類の提示を求めるわけではありませんので、相手の男性が署名をされれば夫/パートナーということになります。今回のように胚移植ということになりますと、凍結胚移植として何度も実施するケースも多く、その都度夫/パートナーに来ていただくことは不可能に近いのが現実です。凍結胚移植の場合には女性に同意書をお渡しし、実施日までにカップルの署名と捺印を求めています。もし今回のケースで医療者側が訴えられることとなれば、入国管理のようにそれぞれに運転免許証やパスポートなどで本人確認をした上で、その都度、目の前で署名をしていただき、またその状況をビデオや監視カメラなどで記録する必要が生じてくると考えられます。こうしない限り、たとえ男性が来ていただいても、その方が本当の夫であったという証拠が残りません。警察のように、お二人の指紋を同意書に張り付けるなどということも、あながち無いとも言えなくなります。また現在のように同意書を奥様にお願いした場合に、女性が夫の字体を真似て署名をし持参されれば、これを筆跡鑑定してから受け付けるなどということはあり得ません。このような事態が頻発すると、生殖医療から手を引くクリニックも増えるのではないかと思われます。ここまでがんじがらめにしないといけないとなると、カップルというお二人を治療対象とする生殖医療の同意書や本人特定をいかにすべきか、いったいどうすればいいのでしょう、私も頭を抱えてしまいたくなります。

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日本産科婦人科学会は2月14日のバレンタインデーの夜にPGSに関する記者会見を開きました。着床前胚のスクリーニング検査(胚移植前の胚の染色体検査をおこない、着床しない胚や着床しても流産となる胚、また染色体数の異常な胚を事前にチェックする事)についての小規模臨床試験(パイロットスタディー)を開始すると発表しました。当クリニックも関西地区唯一の試験実施施設として参加します。この研究では不育と不妊の二つのグループについて臨床試験がおこなわれます。いずれのグループも年齢は 35歳から42歳までの方に限られます。不育については2回以上の流産歴があり、なおかつご夫婦の染色体が正常であるという条件があります。不妊については3回以上の胚移植を受けても妊娠されていない方が対象となります。ただし、子宮の形態異常など明らかな他の不妊、不育因子の認められる方は対象外となります。なおかつ、それぞれのグループで 35-36歳、37-38歳、39-40歳、41-42歳の各年齢群に10名ずつ(合計80名ですが10名の誤差を読んでいますので合計100名で設定)となっています。患者様に来ていただいて、実際に検査まで至るにはまだ少しの時間が必要だと思います。今月中には細部まで計画が決定されますので、実際に検査を開始できるのは3月中旬から4月ごろになるのではと考えています。どの程度の方がこの試験に入っていただけるかはわかりませんが、日本の生殖医療の新しい一歩が踏み出されたことは確かです。先ずは当施設からのお知らせまで。

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Happy First Contact

ハッピー ファースト コンタクト と題して当院で妊娠された患者様に対して、初めての出会いをテーマにお話をさせていただきました。もちろん患者様の”母と子の出会い”がメインテーマなのですが、私の勝手な思い込みで、私の生殖医療との出会いから不妊治療との出会いを含めてお話をいたしました。もちろん、偶然ではあるにしても、患者様と私たちの出会いがなければ、母と子のハッピーファーストコンタクトが当院で始まることはなかったはずなので、そのこともお話ししました。私の話の後には、当院の周産期医療にも経験の豊かな助産師が、妊娠中のケアについて話をいたしました。今回のセミナーで私の個人的な話は必要ないと思われた方にはお詫びしたいと思います。今後は患者様の母と子の出会いの話だけに集約すべきかと考えています。こんな話題を取り上げてほしいなどの要望がありましたら、このブログや、当院スタッフに直接、ご提案ください。いずれにしてもハッピーな状態の患者様にお話しできることは、私にとっては最高の喜びでした。参加していただいた皆様の今後の順調な経過を、心よりお祈りしております。

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