病床軟弱

いつの間にやら還暦プラス4。地方紙在籍34年。透析歴18年。無職浪人歴6年。世に無駄話のタネは尽きまじ?

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ヘリ遊覧はやりすぎとはいえ、「金賢姫元死刑囚に異例歓待」と言えるのかどうか。

 「仕分け」や「無駄遣い」などの文言がメディアを賑わわすようになってから、マスコミや市民が「税金の使い方」にひときわシビアな視線を向けているような気がしてなりません。公務員は昔から「月給泥棒」と揶揄されていましたが、今や冗談のレベルでなさそうです。公務員ならずとも、住みづらい世の中になってきました。念のため、申し添えておきますが、私に今、公務員の家族はいません。連れ合いは結婚前、市役所職員でしたが、退職後は公務員の高給批判の急先鋒になっています。自分がもらいそこねたからかもしれません。
 
 きのう23日付朝日新聞朝刊社会面に「金元死刑囚に異例歓待」とあって、いささか驚きました。記事によると、チャーター機の費用1千万円。警備費用数百万円。ヘリコプターによる遊覧費用80万円、その他、すしやバーベキュー、フランス料理の宅配など「巨額の費用と人員を投じた」とあります。文字面だけ読めば、確かに「異例歓待」かもしれません。少なくともヘリ遊覧はサービスのし過ぎでしょう。中井洽拉致問題担当相のスタンドプレーのように見えたところも感心しません。税金を使って招いたのに金賢姫元死刑囚の記者会見はなく、日本テレビなどが独占インタビューをしたのも、少々解せません。
 
 しかし、そうであっても、私は今回の出費を批判したり、揶揄したりする気にはなれません。拉致問題を忘れつつあったのは私たち国民です。私自身、地方紙に在籍していたころ、拉致が明らかになった際に拳を振り上げるような論調で北朝鮮を糾弾していたはずなのに、今はもう「人ごと」と感じていたのです。知らないのならまだしも、知っていて何をしない罪……。
 
今回は「拉致問題解決につながる新情報は出ていない」とはいえ、例えば横田めぐみさんの母、早紀江さんが「絶対に生きていますよと言われ、勇気をもらった」と話した、というニユースに触れれば「異例歓待」を批判する気は到底起きません。冷静に見れば、北朝鮮を離れて20年以上たつ金元死刑囚に、拉致被害者の最近の消息が分かるはずがない。分かっているとしても、北には自分の家族・親族が生きているのでしょうから、北の心証を悪くするようなことを簡単に言えるはずがない。単なる推測かもしれない、ささやかな情報にでも希望を抱かざるを得ない……そういう家族たちを前にして、どうしてマスコミが匂わすように「無駄遣い」云々を言えるでしょうか。少なくとも、私たちが忘れてはならないことを思い出させた、という意義はあったはずです。
 
そして、きょう24日付河北新報に載った「解説」(おそらく共同通信配信)にも驚かされました。「政府は(金元死刑囚の)来日が韓国と協調しての北朝鮮に対する圧力になったという。北朝鮮を交渉の席につかせる手段だった圧力が目的化して久しい。交渉の展望もないまま招致した金元工作員は、滞在中に『北朝鮮と話をすべきだ』と助言した。ブラックジョークというしかない」。この問題に関して「ブラックジョーク」と揶揄する解説者の神経が、私には理解できません。拉致問題を早急に解決できる妙案の持ち主は、おそらくどこにもいないでしょう。「北朝鮮と話をすべきだ」は言うまでもないことであって、金元死刑囚の発言のごく一部だけを取り上げて、揶揄するのはナンセンスです。
 
きょうの朝日新聞朝刊の28ページ、「文化」面の「深層新層」欄に、拉致被害者家族連絡会の元事務局長・蓮池透さんについての記事が載っていました。「圧力が一番の道」とする家族会との方針の違いから、2005年に退任し、今年春には家族会からも退会した立場です。その発言に考えさせられました。蓮池さんはこう言っています。
 
 「悪に対しては交渉するのも許さないとされ、北朝鮮とも柔軟に話し合おうという自分のような意見は非国民、売国奴と言われるようになった。家族会を聖域化し、とにかく強硬な姿勢をとれば解決を早められるとミスリードしてきたマスメディアは、家族会に見果てぬ夢を与えてしまったという意味でも罪深い」
 
 「自民党がとってきた対北政策の、どこが間違いで、なぜうまくいかなかったのかの検証が必要だ。しかし民主党政権もやっていないし、本来それをするべきマスメディアも役割を放棄している」
 
これだけを取り上げると、蓮池さんは、金元死刑囚の意見に近いのかもしれません。「北朝鮮と話をすべきだ」「北朝鮮とも柔軟に話し合う」という一点で。外交上最も基本中の基本である話し合いが、殊更に言われる不思議……。思えば、対北朝鮮政策は「圧力」と「話し合い」との間で行きつ戻りつしているのかもしれません。そして、「圧力」に限界の見えた今となっては、また基本に戻るしかなく……。であるならば、金元死刑囚の「巨額」を要した来日も無駄ではなく……。
 
対北政策や論考で誰が正鵠を付いたかは、もうしばらく歴史の推移に委ねるしかないのでしょう。結局きょうも結語めいたことを全く書けずに終わらざるを得ません。新聞の解説だろうが三文ブログだろうが同じでしょうけれど。

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今回の来日にどのような意味があったか、については多くの関係者によって見方は大きく別れるところでしょう。ただ、これまでの歴代政府の取ってきた北朝鮮に対する対応は結果として何の効果も表れていません。 私には彼女の来日に付いてはたぶんに政治的パフォーマンスの影がちらついてならないのです。
ただ今回、彼女に対して異例の歓待であったか、どうかは今後の日本政府の問題解決に向けての仕事振り如何にあると思います。
根本的な解決策はなかなか難しいところでしょう。
が思い切って鳩山前首相あたりが北朝鮮を訪問する、と云う離れ業を行なう等で問題解決の糸口になるのでは・・・などと考えて見たのですが。

2010/7/24(土) 午後 11:28 [ katsutanaka65 ]

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金元死刑囚の来日は、硬直した拉致問題に少しでも、風を入れるという意味では、よかったと思います。
面会した拉致被害者の家族の方々が、「何も新しい情報はなかった」と失望の色を浮かべていましたが、大韓航空の爆破テロで捕まって以来、民間の方と結婚したとはいえ、遮断された状況で暮らす彼女ですから、当たり前のことではないかと、逆に違和感を覚えました。
それだけ、家族の方の期待が大きかったのでしょうが、帰国を待ち望んだ長い日の重さを感じました。
「必ず生きていますよ」という彼女の言葉も、空しく響きました。

経済制裁などの、北風政策ではなく、変化球もときには必要。
結果、一人でも二人でも、情報をつかんで、連れ戻せれば成功です。
なんとかするぞ、という政府の強い意志と、国民の声が、いよいよ大事になってきましたね。

2010/7/25(日) 午前 9:50 imoko

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katsu…さんの言う離れ業など、ぜひ期待したいものです。
小泉訪朝の先例あり、国民が再び評価するかどうかは分かりませんが。
その一方で、小泉訪朝を水面下で演出した、田中均さんのような人物が今の外務省にいるのか、という疑問もあります。

2010/7/25(日) 午前 10:56 [ aka*9m*h* ]

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imokoさんの言う通り、政府の強い意志が期待されるところですが…。
残念ながら、今の菅さんには、本来民主シンパの私でさえ、少し失望を感じていますから、さてどうなるのでしょう。やはり、政治的パフォーマンスに終わるような気がしないでもなく…。

2010/7/25(日) 午前 11:03 [ aka*9m*h* ]

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