蒼月の騎士 第一話『落ちて来た筏?」
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暗闇の中でぽつんと座り、祈るようなしぐさで目を閉じている女の子。 |
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暗闇の中でぽつんと座り、祈るようなしぐさで目を閉じている女の子。 |
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鳴り響く警報に、騒がしく踏み鳴らされる足音。
それに追われるのは一人の男と一人の少女だ。 「もう見つかったか……存外、早かったな」 「エ=セルダさん! いったいどこに行くのですか!?」 エ=セルダと呼ばれた男は何も言わず、黒髪の少女について来るようにと、背中で答えた。 そこから数分も経たないうちに、男が目指した場所に辿り着いた。 「ここは?」 「ここは私のような騎士専用のハンガーだ」 エ=セルダが扉の認証を終え、二人で扉の中に入ると、そこには二機の蒼い騎士の鎧が鎮座していた。 片方は数多の戦いを潜り抜けてきた事が目に見えて分かり、もう一方は傷のない新品である。 違いは傷だけでなく、その装備にも違いはあった。 傷のある方には両肩にキャノン、左手にはシールドが、右手には剣が装備されているが、傷のない方には剣しか装備されていなかった。 少女を傷のない方のラフトクランズに乗せ、自身もコックピットに入り込んでラフトクランズの起動を手伝う。 「騎士機ラフトクランズ。私の剣と統夜にと用意していたものだ。君に乗ってもらう統夜機は基本的にオート操縦に設定してある」 ラフトクランズが起動し、唸りをあげだした。 「君にはこの剣を統夜に届けて欲しい。ラフトクランズのオートパイロットはあの子を目標にしている」 「統夜……さん?」 「私の息子だ。恐らく、これからの戦いに統夜とラフトクランズが必要になる。そして、君の力も。ラフトクランズはフューリーに決して渡してはならない、そして破壊されてはならない」 「エ=セルダさんは来てくれないのですか?」 当然の質問に、エ=セルダは首を横に振る。 「君を地球に送り届けなければならないのでね。すまないが、君一人で行ってもらう事になる」 「て、テニアとメルアは?!」 「信用のある男に保護を頼んである。君は統夜と合流したら、ネルガル重工に保護してもらえ」 「ネルガル重工に二人はいるんですね? また会えるんですよね?」 「そのような手筈になっている。では、私は行く」 エ=セルダがコックピットから出たのを確認して、カティアが中からコックピットを閉めた。 その後、慣れた手付きでエ=セルダは愛機に乗り込んで起動した。 『では、頼むぞカティア・グリニャール』 「は、はい!」 エ=セルダ機からの通信に、どもりながら答えるカティア。 『……すまんな、こんな事しか出来ないで』 「いいえ……いいえ! 裏切ってまで私達を助けてくれて……!」 『君達の時間を、君達の幸せを奪った代償にしては安いものさ。それに、私は君達にもっと過酷な戦いに巻き込まれろと言っているのだ』 「それは……」 カティアが言い淀んでいるうちに、ハンガーの入り口が壊され、数人の兵士が入ってきた。 「エ=セルダ様!」 緑色の髪の青年が叫び、その状況に驚きをあらわにする。 「まずい! ラフトクランズが起動している……しかも二体?!」 『ジュア=ムか……っ! ハッチを開ける!』 エ=セルダは部下の姿を確認すると急いでコックピットからハッチを操作する。 『出るぞ!』 二機のラフトクランズが一方はしっかりと、しかしもう一方は危なげに歩を進めてハッチに近づく。 「と、止めろ! エ=セルダ様を止めろ!」 「無理です、ジュア=ム様! もう隔壁が閉まり始めています!」 「くそ……くそぉぉぉぉ!」 ジュア=ムの叫びを他所に、宇宙とハンガーの間の隔壁は完全に閉まってしまった。 『恐らくすぐに追っ手が来るだろう。ここで別れよう』 「わかりました……」 『なぁに、心配するな。ここは必ず食い止める』 落ち着かせようと、優しくエ=セルダが語りかける。 『さあ、行くんだ!』 「…………はい!」 カティア機は青く輝く地球に向かって、ラフトクランズのバーニアを吹かし、離脱した。 「さて……、やっぱりお前が来たか」 エ=セルダ機の後方から、もう一機のラフトクランズが接近してきた。 『エ=セルダ・シェーン!』 「アル=ヴァン・ランクス……っ!」 漆黒のラフトクランズは全速力で接近し、互いの姿が目視出来る距離になると次第にスピードを落として行く。 『フューリーの騎士ともあろうお方が!』 「言うな、アル=ヴァン!」 『黒く、悪しき夢から我らフューリーを救った英雄の貴方がどうして……!』 「騎士であるのなら、男ならば立たねばならぬ時がある!」 『地球人の実験体を逃がすことがですか? フューリーの民を裏切ってまでやらねばならぬ事なのですか!』 「裏切るのではない、アル=ヴァン!」 宇宙が静寂に包まれる。 『……戻ることはないのですね、エ=セルダ様』 「もう戻れぬよ、アル=ヴァン。既に時計の針は動き出しているのだ」 それが、師弟が交わした最後の言葉だった。 |
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春を目前に、俺は体調を崩した。 |
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メルアの操るヴォルテールの背にメルアと風間と共にまたがりつつ、俺はShenの持つサンライト・ハートを握り締めさせた。 |
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外でナミア軍による大量殺戮が行われていた頃、カティアは久し振りに自分のキャラクターであるTiaにログインしていた。 |
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開設日: 2007/6/2(土)