身体・病気・医療の社会史の研究者による研究日誌

地震で被害を受けられたかたにお見舞い申し上げます。

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精神分裂病に対するカンフル痙攣療法

高瀬清・松下兼知・中江三郎「精神病、殊に精神分裂病の<カンフル>大量療法(第一報)」『日本医事新報』no.898(1939), 4195-4201.
高瀬清は長崎医専の精神科の教授である。この論文は、メドゥーナがカルジアゾル痙攣療法を開発する途上で試した「カンフル痙攣療法」を改良して試した実験を行ったものある。高瀬の業績について、もう一つの論文を知っているが、それは「硫黄療法」というもので、マラリア発熱療法を改良して硫黄を注射しても発熱する原理を精神病の治療に応用したものである。日本人の科学者や医者は、欧米人の発見の真似が得意だと言われて軽蔑されることが多い。私は、日本語でも英語でも凡庸な学術論文を仕事でたくさん読むから、どちらが特に真似が多いかということはあまり分からないけれども、長崎の高瀬先生については、工夫がない真似がお好きな先生だなという印象をもっている。

カンフルを大量に服用させて、分裂病や強迫神経症やモルヒネ中毒が治るかという実験。カンフルは経口で服用させていて、一回に最大で6グラム服用させている。このカンフル6グラムという数字は、たしかに「大量服用」と呼べる。昭和21年の薬剤一覧でしらべたところ、通常服用させるカンフルは、一回0.05-0.3グラムを一日三回というから、6グラムという数字は、20倍から400倍にあたる。これはたしかに多い。心配になるけれども、患者の多くはよくなっている。とくに強迫神経症とモルヒネ中毒には著効があるらしい。

・・・患者がよくなったのは喜ばしいけれども、どうも、高瀬の論文には、センスの良さを感じない。

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精神医療における「患者が改善している」という報告は、主観的な医師の感想によるものなので、まったくあてにならないと思います。

患者がよくなっているという根拠は何らかの数値で示されているのでしょうか?

2012/1/21(土) 午後 9:02 [ satoshi ]

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