SEASONS・ショート
「セレナーデ」 (2−2)
2011/11/26(土) 午後 10:54
夕日が美しいと感じたのは何年振りだろうか。娘が母親の話しを待っている。
ジェスはラストを脚色して娘に話した。
「・・・イタリア公演が幕を閉じて、それでおしまい。2人が愛し合っていても、まだベルリンの壁が国交を許さなかった時代だったから。夏から秋にかけて燃えるような恋をして、
涙で終わった初恋だった」
沈みゆく夕日に想い出を仕舞おうとした母親を、娘が遮った。
「でもママ、ベルリンの壁って、うんと前になくなったんでしょ?」
「20年以上前にね」
「それなのに、おしまいになってから1度も会わなかったの?
どうして初恋の彼は迎えに来なかったの?」
ジェスは両肩を上げて、さあ、と言うしぐさをして返事をはぐらかした。
これ以上、嘘に嘘を上書きしたくはない。しかしビビ
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