政府紙幣を考えるブログ

政府紙幣をメインにはじめたのですが、歴史を追ってマネーの迷宮に迷い込んでしまった。

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2010年3月15日

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ユーラシア大騎馬民族の時代 4 馬の家畜化

遊牧騎馬民族について考える上で、


そもそも


人間はいつから遊牧を始め、そして馬に乗り始めたのだろうか・・・?


という素朴な疑問が沸いてくる。


遊牧が先か 家畜が先か


人類が地球上に誕生して以来、生存し続けるための最大の関心事は食料獲得の問題であっただろう。農業によって食料を恒常的に生産し確保するというのは、人類のもっとも偉大な発明であったのかもしれない。

しかし、それ以前の世界を考えると、やはり最初は狩猟と採集という食料獲得の手段しか存在していなかっただろう。『興亡の世界史 第二巻 –スキタイと匈奴』によると、牧畜というのは狩猟生活の中から始まったと考えるべきだ。

この著書の中では、遊牧に発展していく過程として2つのアプローチを紹介している。


1つは、動物(ヤギ、羊、牛など)を捕獲して囲いの中に閉じ込めておき、一定の頭数を保つように管理しはじめたというものだ。つまり家畜が先にあって、そのうち集落の外で放牧するようになり、その延長上に遊牧が生まれたという考え方。


もう1つは、遊牧こそが牧畜のもっとも古い形態で、移動する動物たちの群れに人間がついてき、次第にその距離が狭くなり、お互いに親和性が生まれると、だんだん人間が管理するようになっていく過程で発生した考え方だ。


家畜の歴史を見てみると実は一番古いのはイヌらしく、紀元前1万2千年前だ。つまりオオカミ系の動物が残飯を貰いに人間社会に近づくことを繰り返しているうちに、飼いならされてしまったというわけで、ダンス・ウィズ・ウルブズならぬダンス・ウィズ・ドックというわけだ。

http://image.blog.livedoor.jp/stainbeck/imgs/c/b/cbdd70c3.jpg

ただ、なんせ文字が発生する前の出来事なので不明な点があまりにも多い。

代表的な家畜の発生起源と場所は以下のとおりだ。

家畜の種類家畜となった時期家畜となった最初の場所目的
ヒツジ紀元前11000年から9000年西南アジア毛、乳、皮、肉
ヤギ紀元前8000年ごろ西南アジア乳、肉、毛、皮
ロバ紀元前4000年ごろエジプト使役、肉、乳
紀元前6000年ごろ西南アジア、インド、北アフリカ肉、乳、皮、使役
紀元前7000年ごろ東アナトリア地方(トルコ)肉、皮
紀元前4000年ごろウクライナ地方肉、乳、使役、皮、毛、騎乗
(ウィキペディア参考:http://en.wikipedia.org/wiki/Livestock)


馬の家畜化にあたってはおおむね紀元前4000年ごろを起源とするらしい。


今回調べてみてわかったのだが、馬の家畜化に関してはおびただしいほどの研究がすでに行われている。馬の家畜としての最大の特徴は、騎乗できることにある。物資の輸送手段としの馬と、それへの騎乗を通じて人類の歴史は飛躍的に変わったと言っても良いかもしれない。

紀元前858年 - 紀元前824年 シャルマネセル3世 (新アッシリア王国時代のアッシリアの王)
イメージ 1


羅針盤や造船技術の発達が大航海時代を招いたように、この『騎乗』するという行為が一般化したのは、ユーラシア内陸の交通・交易、また陸上のシルクロードが発達する上で甚大の影響を及ぼしたに違いない。内燃機が普及し始めたのは19世紀になってからだが、それまでの間、6000年以上ものあいだ、馬は人類が利用できる最も早い交通手段であり続けた。


紀元前334年から紀元前331年 アレクサンダー大王の遠征は乗馬が伴ってはじめて可能なものだ
イメージ 2


紀元前3世紀 スキタイ人と言えばこの姿?パジリク(Pazyryk)遺跡
イメージ 3


しかし、中にはスキタイの仲間とみなされながらも変わったスキタイもいる。


とんがり帽子の騎馬民族 サカ



ヘロドトスは一風変わったスキタイで、紀元前6世紀頃に現れたイラン系の遊牧騎馬民族について言及している。
「サカイ、すなわちスキタイは、先が尖ってピンと立ったキュルバシアという帽子を頭にかぶり、ズボンをはき、自国産の弓、短剣、さらにサガリスと呼ばれる双頭の戦斧を携えていた。彼らは“アミュルギオンのスキタイ”なのであるが、ペルシア人がスキタイ人すべてをサカイと呼ぶため、彼らもサカイと呼ばれていた。」
(ウィキペディアより引用: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%AB)

サカは紀元前6世紀頃から中央アジアに現れるイラン系遊牧民族で、中国語ではと呼ばれているが、近年の研究成果ではどうも同一民族ではないらしいので、ここでは深入りしない。


イシク古墳から発見されたGolden Man(サカ人とみられている)
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/59/Issyk_golden_man.jpg


何だか・・・すごいっすね。。。


本当に騎馬民族ですか? 馬に乗る時邪魔にならない?


多分・・・邪魔になったんだろう。。。


このサカが(おそらく)建国したのがインド=スキタイ王国だ。

イメージ 4

さすが遊牧騎馬民族スキタイ人が建国した国と言うだけあって、王朝を築いたMauesがチャリオット(戦闘馬車)に乗っている以外は、ほぼすべての王は、硬貨に乗馬している姿で描かれている。硬貨の文字などは、まだアレクサンダー大王の遠征と、その後に建てられたギリシア人の中央アジア植民地であるグレコ・バクトリア王国(インド・ギリシア朝)の影響が出ている。


Maues王(紀元前90−60年ごろ)
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b1/Maues.jpg

Vonones王 (紀元前75–65年)
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/ba/690834-1-.jpg

Spalahores (紀元前75–65年)Vononesとはおそらく共同統治者
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Spalahores.jpg

Spalirises (紀元前60–57年)
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/85/Spalirises.jpg

Azes1世 (紀元前 57–35年) 乗っているのはラクダですね。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/ed/Azesi.jpg

Azilises (紀元前57–35 年) おそらくAzes 一世と共同統治者
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9d/Azilises.jpg

Azes2世(紀元前 35–12年)
イメージ 5

Zeionises.(紀元前10 - 紀元10年)
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c8/Zeionises.jpg

このインド=スキタイ王国は、その後プレスター・ジョンで有名なゴンドファルネス率いるパルティア人と匈奴の圧迫によって西方へ移動し、後にクシャーナ朝を築いた月氏によって衰退させられてしまう。




ところで、最近また『馬の家畜化』の起源をめぐって新たな動きがあった。ナショナルジオグラフィック ニュースでは昨年(2009年)3月に『馬の家畜化』について、次の記事があった。
乗馬とウマの搾乳の先駆者は、いまはカザフスタンの国土となっている広大な草原に暮らしていた人々だった。少なくとも5500年前、この地域の人々がウマを家畜として飼い慣らしていたという新しい証拠が見つかった。

「ウマを食用としただけでなく、その乳も利用していた。この地域では、非常に早い段階から乗馬と搾乳の両方が行われていた」と、今回の研究を指揮したイギリス、エクセター大学の考古学者アラン・ウートラム氏は話す。この発見により、ウマの家畜化の開始時期は1000年早まることになる。


歴史は新しい発見によって次々に書き換えられている。今日知っている歴史は、10年後にはまた違う歴史になっているかもしれない。時間が未来へ進むほど、過去に起こったことに対する理解が変わっていくなんて、何だか不思議な気分だ。

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