数学草

数学の醍醐味は人類の思考の根幹を刺激してくれることだ。さあ脳をももてあそぼう

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さて今回はオイラーの等式について語っていこうとおもうのですが、皆さんそもそもオイラーの等式というものをご存知でしょうか?
この式実は、数年前に映画化もされました「博士の愛した数式」という小説における、博士の愛した数式それその式なのであります。実際の式の形はといいますと
             
             e ^ (i×π)+ 1 = 0

となります。 ( a ^ b は a の b乗 とします 例えば 5 ^ 3 = 125 )
     日本語に翻訳すると e の iπ乗 足す 1 は 0 となります。

この式は人類が発見した最も美しい式の名に最もふさわしい式であり、そしてまたこれから発見されるかもしれない未だ見ぬ数式の存在を考えてすらおそらくこの式が群を抜いた美しさを持ち続けるに違いないと思います。しかしながらこの式を見て何も感じない人が世界に何人いるでしょうか?あるいはこの式の存在を知らぬままに人生を過ごし行く人が何人いるでしょうか?おそらくそれらの人々がこの世界の大半を担っているのが現実でしょう。そしてこのままゆけば、いつか時の流れとともにこの式が風化し人類がこの式を忘れ去ってしまう日がこないとも限りません。それは人類の喪失であり絶対にあってはならないものです・・・・

とまあ無知な自分を棚に上げて偉そうに大それた物言いで語ってきましたが、腹を割っていうと、ほんとにたくさんの人にこの式を知ってもらいたいという気持ちただそれだけです。すいません。
というわけで・・・・前置きが長くなりましたが早速この式についてその美しさを知っていってもらいたいと思います。

この式の美しさを知るためにはさまざまな側面についての知識が必要となります。逆に言うとこの単純な式はさまざまな側面の知識の集大成となっているわけです。
さて、それではオイラーの等式の中に現れる要素をわれわれ人類がそれらに会う順にしたがって書いてゆこうと思います。

まずこの式に現れる要素の中でもっとも単純なものとして 1と0が挙げられます。これらは早い人なら幼稚園で、おそくとも小学校1年生の終了までに必ず出会うでしょう。これは無数に存在する数字の中でも、他の数とをその存在を異にするものといえます。まず1は全ての整数の要素となりうるものであります。また0はインド数学最大の発見といわれているようにその発見は数学に新たな概念、すなわち無、あるいは何もないという概念をもたらしたという意味で特別なわけです。

ちなみに数学において未知の概念を構築することを発見するといいます。これは数学が人類が構築する以前にすでに存在しており、人類がその事実を発見したに過ぎないという意味があると思われます。

さて次に皆さんが出会うのは π です。1,0に出会ってからおよそ5年の歳月が流れた頃、πは小学校高学年の時、円周や円の面積を求めるときに出会うと思います。(記号としてのπは中学校かも知れません。)これは円周率という名前が付けられており非常に有名です。実際の値は 3.14159265・・・・・・、規則性のない無限小数となります。現在コンピューター技術を駆使して数百億桁以上解析がなされていますが、いまだに解析は続いています。円周率は円の円周や面積を求める際はもちろんのこと、その他さまざまな数学の局面にあらわれ、数学や物理の世界で最もよく知られた定数に位置付けられるでしょう。

さらに5年の月日を超え理系の道を歩んでゆくことを決めた皆さんが出会うのが i です。この数は今まで紹介してきた数とはその存在を異にしています。うまい言い回しが見つかりませんが i は観測ができない数とでもいいましょうか、数学の世界にのみ存在する概念的な存在であるといえます。(ちなみに理論物理学者のホーキング博士の理論の中には虚数が立ち現れるが、実際に観測が困難あるいは不可能!?といわれており、その現実的存在性は私には不可解)実際に観測が可能な数すなわち現実世界に存在する数は実数と名付けられています。全ての実数には次の性質があります。
                z^2 ≧ 0 
すなわち平方数は常に0以上であるという性質です。これは言い換えると根号の中の数は常に正であると言い換えることができます。しかし数学的な考察を推し進めていく上で、根号の中に負の数が立ち現れ場面が思いのほか多いことがわかってきました。 例えば 
        x^2 + x + 1 =0  左の方程式を解け。
という問題において実数の範囲で考えると、解は存在しません。しかし、
無理やり解の公式を使って解いてみると・・・・
     
           x = −1 ± √-3 /2・・・・*
となります。このように根号内に負の数が含まれる正関数方程式は無数に存在します。ここで根号内が負となる数を新たに虚数と名付け定義すれば。先ほどの方程式は *とおいた2解を持つといえるわけです。こうして虚数の存在を認めることによって人類はさまざまな場面ですばらしい発見をしてゆくのです。特に有名ななものとしてドイツの天才数学者カール・フリードリッヒ・ガウスによって発見された物があげられるでしょう。すなわち
  
   最高次の項の次数がnである方程式は複素数の範囲において常にn個の解を持つ。・・・@

というものです。ここで複素数について説明しておきます。複素数は、実数と虚数を合わせたものです。例えば@と置いた定理によれば、先ほどの二次方程式には複素数の範囲において二つの解が存在するはずで、実際に先ほど解の方程式を解いて二つの虚数解があることがわかったと思います。n次方程式には
必ずn個の解がある、これは方程式というものを非常に親切なものへと変えてくれますね。
さてここで i 本題の i  に立ち戻りましょう。ここまで虚数についてしつこく語った以上いわずもがな i は虚数なのですがその意味合いを説明しましょう。直感に訴えた言い方をするならば、 i は実数で言うところの1のような働きをします。いいかえると全ての虚数は i の実数倍となります 
 例えば 
          √-7 = 7i
となるわけです。定義上は二乗すると -1 になる数とされています。
 式で表すと    
          √-1 = i (i ^ 2 = −1)
とあらわされます。こうすることによって記述がすっきりとした形で行えるわけです。i についての締めくくりとして、複素数についての略図を置いておきます。
                  
                    整数(1、−3、2000、など) 
                  /
               有理数
              /   \ 
            実数      循環小数(1.2341234、10/3、など) 
          /   \                       
      複素数       無理数(π 、e、√2など)                 
          \                     
            虚数 ( 3i 、-i、など)

さて i という変わったやからに出会って一年が経とうとするころ、皆さんはまたひとつオイラーの等式に含まれる数と出会うことになります。それが残っている最後の要素 e なわけです。上の図に示されているように e は複素数の範囲において無理数という位置付けがなされています。その点では π の仲間といえます。しかし次のことに注意してください。
    「π と e はそのルーツという点において大きくかけ離れています」 
さて e とは実際にどんな数字かというと。
           
        (1 + 1/n )^ n ・・・・・α
 上でαと置かれた数において、nを無限大へと大きくしていった時に近付いてゆく数です。
         α → e ( n → ∞ )
と表されます。実際の値は e ≒ 2.78 です。
ところでなぜこのような非常に抽象的な数が定数とされ、重要視されているかというと。
   y = e ^ x や y = log e X (e は底) といった関数においてその導関数がその他の値に比べ非常に簡潔な形で表されることがその理由のひとつだと認識しています。これはあくまで高校数学という観点からの解釈です。また自然科学において多大な活躍をしているというのも理由のひとつでしょう
     以上至らぬところが多数あるかと思いますが、オイラーの等式に現れる全ての要素の簡潔な説明がなされたかと思います。さてこの説明をここまで読んだいただいた皆さんに、改めてオイラーの等式を眺めてみてもらいたいと思います。上の説明から感じていただきたいこといくつかあるのでそれを挙げたいと思います。一つは、この式の全ての要素が全て極めてかけ離れた起源から発生しているということです。そしてもう一つは、その各々が全て数学における重要な位置にあるということです。
0 無の世界を 1 は実数の世界を i は虚数の世界を の根底にありとし。π は広大な宇宙に無数に存在する惑星の運行の根底にある定数です。また e^X はこの世の自然現象と密接繋がる指数関数の親玉といっていいでしょう。これらの超越的な数が一つの数式の中に、しかも等号で結ばれて存在しているということは・・・まさにこの式の発見をもって奇跡のというに他ならないのではないでしょうか。これらの説明を見る以前と比べて皆さんはこの式に対して何らかの考えの変化を感じていただけましたならば光栄であります。以上でオイラーの等式についての説明を終わりたいと思います。及ばずながら最後までこの駄文を読んでいただいた方本当にありがとうございました。

      次回はオイラーの公式の導出について語りたいと思います。
 
  

   
               
                
                
    









         

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