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オペラ

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『ルチア』 藤原歌劇団公演

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 結果的に、とても満足しています。みんな最大の成果を上げているように思えます。主役3人とも、特にルチアが、この難しい役を、特に破綻もなく見事に歌いきりました。このオペラは、っていうかドニゼッティ自体が初めてなので、ベルカントの型がどうとか言えませんが、ほんとによかったです。

 今回、ついに『影のない女』『トゥーランドット』『サロメ』と、見事に増えてきていた、”空席”が目立ちませんでした。公演日が2日しかないせいでしょうか。しかも2日ともキャストが違います。それぞれ1回しか歌わないのです。

 そんなことよりも、実は、藤原歌劇団って、もしかして初めてかもしれません。覚えてないのです。二期会は二十数年前から、何度か覚えているのですが。ふだんと違って、ここのところの立て続けの、自転車操業みたいなチケット取得オペラ通いのついでに、なにも考えず買ってしまいました。(ウソです)

 当方、ドニゼッティやベッリーニはちょっと敬遠しておりました。今までだったら買わなかったのですが、先日の「サロメ」に味を占めて、うっかり買ってしまいました。作品としてはやはり、「サロメ」とかワーグナーとかヴェルディに比べると、比べてはいけないが、ノンアルコールビールのような、アルコール度数が少ないような気がします。

 「サロメ」に「ルチア」に似たようなタイトルの…、そうですベッリーニ「ノルマ」ですが、こっちは2回ほど実演で聴いたことがあります。その時の主役を歌ったのは、リッチャレッリとグルベローヴァでした。「ルチア」で、アルコール度数を上げるには、もしかして、このような特別の名歌手が必要なのではないでしょうか。

 この「ルチア」、全曲はよく知らなかったにしても、「狂乱の場」というのは、サザーランドやグルベローヴァのCDで馴染んでいる曲でした。若き日の?超絶グルベローヴァのリサイタルでも2回聴いたことがあります。(今はそんなにすごくないと思う)

 急遽買ったチケット。予習のため『ランメルモールのルチア』のビデオを探したところ、ダンボール箱の中から、1本出てきました。あと10日後ぐらいにやってくる、フィレンツェ歌劇場、正式にはたぶん、フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団と合唱団。ズビン・メータの指揮に(またっ)グルベローヴァでした。(他に歌手はおらんのか)たしか、今回は「運命の力」と「トスカ」をやるはずですね。

 「ルチア」のあらすじを見ると、この後の「運命の力」となんとなく似ています。恋人2人の家は、ロミオとジュリエットみたいに敵同士で、ヒロインの兄が命をかけて2人の仲を裂こうとします。恋人2人は、最後に自ら死ぬ。なんて救われないお話でしょう。

 「運命の力」に比べ、「ルチア」の方が、さらに恋人たちにやる気がありません。ルチアはとりあえず兄のいいなりです。恋人エドガルドと兄エンリーコは、互いの屋敷に現れても、口で言い合うだけで、殺そうとはしません。2回目にやっと決闘の約束をするだけです。何で今、その場で戦わないか。草食系かっ!。

 そのため、前回の、極端に動き回る「サロメ」の反対で、動きのない舞台です。舞台装置は、真ん中に道がある、というかスキー中級コースなみの斜面があるだけの舞台ながら、なかなかの雰囲気を出して好感を持てます。ただ、お話の流れからして、決定的場面というものがなく、出てきては言い争いをするだけで引っこむ、という、演奏会形式のような動きの少ない舞台でした。見た目が綺麗だったからいいけど。


2011年3月5日(土) 15:00開演 東京文化会館
指 揮:園田 隆一郎    演 出:岩田 達宗
合唱  藤原歌劇団合唱部
演奏  東京フィルハーモニー交響楽団                
ルチア      佐藤美枝子   
エドガルド    村上 敏明  
エンリーコ    谷   友博    
ライモンド     彭   康亮    
アルトゥーロ  川久保博史   
アリーサ     牧野真由美   
ノルマンノ   所谷 直生    

第1・2幕 15:00〜16:25 85分
休憩 25分
第3幕 16:50〜17:45 55分

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藤原歌劇団 『ランメルモールのルチア』

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 まあ、今回、ついに『影のない女』『トゥーランドット』『サロメ』と、見事に増えてきていた、”空席”が目立ちませんでした。公演日が2日しかないせいでしょうか。しかも2日ともキャストが違います。それぞれ1回しか歌わないのです。

 そんなことよりも、実は、藤原歌劇団って、もしかして初めてかもしれません。覚えてないのです。二期会は二十数年前から、何度か覚えているのですが。ふだんと違って、ここのところの立て続けの、自転車操業みたいなチケット取得オペラ通いのついでに、なにも考えず買ってしまいました。

…つづく。


2011年3月5日(土) 15:00開演 東京文化会館
指 揮:園田 隆一郎    演 出:岩田 達宗
合唱  藤原歌劇団合唱部
演奏  東京フィルハーモニー交響楽団                
ルチア      佐藤美枝子   
エドガルド    村上 敏明  
エンリーコ    谷   友博    
ライモンド     彭   康亮    
アルトゥーロ  川久保博史   
アリーサ     牧野真由美   
ノルマンノ   所谷 直生    

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後編−『トゥーランドット』マリインスキー歌劇場に行ってきた。

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☆第1・2幕 3階13列33番 センター一番後ろの席。皇帝の上半身は見えません。
トゥーランドットの後ろ姿はさざえさん頭。
☆第3幕 3階R3列13番 張り出し右側、前左よりの席。皇帝の顔がやっと見えます。
番号が見事に統一されているでしょう。ぐっ、偶然です。


 急遽、格安で買った席ですが、3階のいちばん後ろ。センターなので、そんなに遠くもなく、音もはっきり聴こえます。ここで、まったく不満はなかったのですが、なんと両翼がゴッソリ空いています。『影のない女』の時の、何十人分単位ではなく、ほとんど丸々、片側200人分くらい空いています。

 NHKホールでは、3階左右の前の方は、かなり好きな席です。そこにほとんど人が入っていないということは、元々、売らなかったのでしょうか。10人ぐらい座っている人はいますが、空いているから、他の席から移ってきた人のようです。わたしも休憩開けには移ってみました。


 今回の舞台装置は通して同じ、奥に皇帝の座る2階席通路があり、中央真ん中に、戦後のバイロイトではあるまいか、巨大な円盤がある。そもそもこのトゥーランドットは、歌手などの動きの少ない舞台になることが多い。一昨年見た、セミステージ形式で十分満足できた。

 舞台上には、プロンプターボックスの気配も感じられない。ふくらみや小物など、全くなんにもない。ところが、第1・2幕が終わって幕が下りると、絵にあるように、真ん中に箱があるかのように、幕が膨らんでいる。なぜだ!

 この中央円盤、パンフレットなどではやたら傾かせてある場面が載っているが、動かないままでもいいのではないかと思う。青銅製、巨大な三角縁神獣鏡があるようで、面白かった。舞台全体が青くなることが多く、オケピットのオレンジの光と呼応して、絶妙な美しさだ。これまた、『影のない女』のハデさと現代風が空回りしている舞台よりも好感が持てた。


『トゥーランドット』 NHKホール 2月18日(金)
マリインスキー歌劇場管弦楽団・合唱団
指揮:ワレリー・ゲルギエフ、演出:シャルル・ルボー 杉並児童合唱団

トゥーランドット イリーナ・ゴルディ
カラフ  ×××ウラディーミル・ガルージン
リュー  ★★ヒブラ・ゲルズマーワ
ティムール ユーリー・ヴォロビエフ
皇帝アルトゥム ヴィクトル・ヴィフロフ
ピン アンドレイ・スペホフ
パン アレクサンダー・ティムチェンコ
ポン オレグ・バラショフ

17:45 開場/18:30 開演
第1部(第1幕・第2幕) ≪80分≫
20:00 休憩 ≪30分≫
第2部(第3幕) ≪40分≫
21:10 終演(予定)


 トゥーランドットのイリーナ・ゴルディという歌手、初めて聴くが、あまり好きではない。最初は緊張しているのか、喉が温まっていないのか、力みすぎに感じたが、まあ、徐々に声は出るようになってきた。声が安定していなくて、安心して聴いていられない。

 カラフのウラディーミル・ガルージンって有名みたいだが、さっぱりだ。声がオーケストラを突き抜けてくるどころか、女声ふたりよりも声がとどかない。新国「ワルキューレ」でジークムントを歌った「エンドリック・ヴォトリッヒ」みたいだ。この2人は、絶対忘れないこととしよう。

 素晴らしいのは、リューの「ヒブラ・ゲルズマーワ」が、文句なし。安定し、声量にも余裕があり、弱音でも緊張感がある。ただ、感動までにはいたらなかった。

 通常、群衆場面では、日本人エキストラなどを使ったりするが、そんなことはなかった。ちゃんとロシア人みたいだ。ひとりだけ日本人みたいな顔の人がいたが?あれは? 杉並児童合唱団が、子供のオバケみたいな格好で出てくる。うまくはないが、一服の清涼剤にはなっていたと思う。

 やっぱり、マリインスキー歌劇場は『影のない女』よりも『トゥーランドット』の方に適性があるのだろうな。こんなことを言うのも失礼だが、ちゃんと音楽になっている気がした。ただし、ちまたで言われている、大音響とか熱演といったところは特に感じなかった。弱音の繊細な響きは悪くないので、なにか抑制された演奏を心がけたのでしょうか。まだ物足りない、「トロイアの人々」も聴くべきだった。

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『トゥーランドット』 マリインスキー歌劇場 に行ってきた。たぶん前編。

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 わたくし、みなさんと違って、時計も携帯も(妻も)持っていないし、土日は働いている。夜の睡眠も少ない。したがって今日も休みではない。
…というのが書くのが遅れた理由だ。
そうは言っても、忙しいわけではない。
平日休み、しっかり昼寝しているだけだ。

 来る途中では、地下鉄千代田線(明治神宮前で降りる予定)が全線不通になり、切符がムダになり、しかもJR回りで渋谷駅に着いたので、ホールまで行けるのか不安だった。いきなり渋谷駅は、田舎者はパニクる!
東京ウォーカーに載せたい!ぐらいの気分だ。

 今回の『影のない女』と『トゥーランドット』の収入格差はひどい。
『影のない女』の方が、「シカゴばい」も高価だったのだ。4か5倍も。
定価では5倍、購入価格では4倍なのである。
ああ、それなのに、最安価格の『トゥーランドット』の方がよかったなんて!!
冷やし中華を始めたい!ぐらいの気分だ。

 だいたい『トゥーランドット』の最安席というだけで、18日のF席とハッキリしている。NHKホールの3階最後尾13列か、3階左右の角に決まっている。しかも、なぜだか格安で買えた。(損をすることもあるので、特にうらやましがることはない)。半年以上前にセブンイレブンで発券された何だか古いチケットだ。それで、心配だった。

 しかし問題は、だから、そう言うことではなくて、東京文化会館の1階18列よりも、NHKの3F13列最後尾の方が音が良く聴こえたのだ。欠点は、舞台上の2階みたいなところに座っている、トゥーランドットの父皇帝の上半身が見えなかった。


 『影のない女』でとっちらかっていたオケとは思えない、様式感のある立派な演奏。これこそ新国なんぞでは味わえない、外来オペラ引っ越し公演の醍醐味であります。


「トゥーランドット」 NHKホール2/18(金)
マリインスキー歌劇場管弦楽団・合唱団
指揮:ワレリー・ゲルギエフ、演出:シャルル・ルボー 杉並児童合唱団

トゥーランドット  ★イリーナ・ゴルディ
カラフ  ウラディーミル・ガルージン
リュー  ★★ヒブラ・ゲルズマーワ
ティムール:ユーリー・ヴォロビエフ

17:45 開場/18:30 開演
第1部(第1幕・第2幕) ≪80分≫
20:00 休憩 ≪30分≫
第2部(第3幕) ≪40分≫
21:10 終演(予定)

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グレギーナのトゥーランドット

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京都旅行前の『初めての衛星放送でトゥーランドットを見る。』のつづき。

 来春二月のマリインスキー歌劇場来日公演、これは『影のない女』がメインだろうが(わたしにとって?)、トゥーランドットもやる。昨年の「レコードニケデミー賞」の1位が、ザルツブルグ音楽祭「トゥーランドット」DVDで、指揮者がゲルギエフだった。この公演で指揮者の占める要素は少なめだと思うが、マリインスキーを見に行く動機にはなる。しかし会場が、天敵とも言えるNHKホールだ。(恨みはないが遠いだけ。)

 そして、メトのビデオでも歌っているグレギーナのトゥーランドット。グレギーナは最近、「仮面舞踏会」のアメーリアと「アンドレア・シェニエ」のマッダレーナで見た。マッダレーナは良いと思ったが、まあ、ほかはそこそこだ。マリインスキー、見るかどうしようか微妙なところだ。

 グレギーナって、最近有名になった歌手だとばかり思って、生で聴いてみなくちゃいけない!と思いこんでいたら。なんと。4年ほど前、神奈川県民ホールで、プラハ国立歌劇場公園「アイーダ」で聴いていた。過去のパンフを整理してみたのだ。

 そして、なんと、もっと昔昔。1991年のサントリーホール・オペラコンサートシリーズでの「オテロ」と「トロヴァトーレ」で、レナート・ブルゾンと共に主役を歌っていたのだ。(過去形)

 20年も前なのに、「ミラノ・スカラ座で大活躍のマリア・グレギーナ」と書いてある。そんなに活躍していたとは知らなかった。(たいていのことは知らない私だが)

 でも、まあ、つまり、3回も聴いているのに、印象に残っていないってことか。
やめとこうかな。




 それでは、吉田秀和大先生の『トゥーランドット』についての文章から。

 ロイヤル・オペラ日本公演の第一曲『トゥーランドット』は、はるかに複雑な芸術である。私はプッチーニでは 『マノン・レスコー』とこの曲とがいちばん好きだが、好き方はまるでちがう。この曲は、きくたびに、大家の創造力の充溢にほとんど畏敬の念をおぼえると同時に、言いようのないいたましさを感じる。

 しかし実演で、その両方を満足さす舞台にぶつかったことは、まだ、ない。今度もそう。たしかにこの作品は第一幕からして、あまりに多彩なものがつぎつぎ導入されるのと、劇の性格上、とかく舞台を豪華に飾り立てる誘惑にかられるのは無理もない。が、そうなると第二幕も舞台の格に並外れた大きさが欠かせなくなるし、それだけ終幕のまとめがむずかしくなる。

 だが眼目はそこにあるのだ。氷より冷たく鋼鉄より硬い心をもったトゥーランドット姫を自分のものにしようと、危険な賭けに出て生命を失った若者たちは無数にいたのに、またしても彼女のかける謎解きに立ち向かったカラフは、三つの謎をみんな解決し、公約によって彼女と結婚する資格と権利を手に入れた。だが姫は必死になって、それを受け入れまいとする。

 それをみて彼は、自分の方から謎をかけ、明朝までに答えをみつけたら、私の命をやるという。自分の愛した女を力ずく契約ずくでものにするのでなく、女の方から自発的に、心から喜んで、彼のもとに来て結ばれるようになるのを、彼は望むのだ。私は、いつも、この点に感動する。人間の偉大はここにある。   

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