呪縛された宿命(骸+10CP)
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受け入れたくなかった。認めたくなかった。自分がいる事で争いが起き、大事なものが傷ついていく事実を。 そんな呪われた宿命を素直に受け入れられるほど、自分は大人ではないから。 『こら待て!!!…待てって、紫鶴!!!』 『……っ、……!!!』 ルーチェの話を聞いた後、部屋から飛び出した紫鶴は、ただ我武者羅に森の中を駆け抜けていた。 背後から追い縋るディーノの声も、聞こえているのかいないのか…足を止める事はない。 まるで何かを振り切ろうとするようなその姿に、ディーノは眉根を寄せながらもう一度叫ぶ。 『待て!!!止まれって紫鶴!!!』 何度目かになるその叫びを発した時、ようやく紫鶴の足が止まり、走るから歩くに変わる。 すぐにその足はとぼとぼと歩く程度になり、やがて完全に止まった後…紫鶴は荒い息で手近な木に凭れた。 『…はぁ、はぁ……』 『やっと止まった…ったく、見失うかと思ったぜ』 守護天使はそうしようと思えば、世界中何処に居ても守護すべき人間の位置を把握する事が出来る。 故にどんなに紫鶴がディーノから離れようと、彼女が世界に存在する限り、紫鶴を見失う事はない筈なのだが。 そんな事をコロッと忘れているディーノは、律儀に走り出した紫鶴を追いかけてきたという訳だ。 紫鶴は荒い息のまま、ずるずるとへたり込むようにして地面に座り込む。 『紫鶴、大丈夫か?』 『……平気』 心配そうなディーノの問いかけに、紫鶴は息を整えながら少し力のない声で答えた。 それから暫し、沈黙が広がって。ディーノがどう言葉を掛けようか迷っているような気配を感じる。 『…私の所為で、皆が傷つくかもしれないのよね…』 『紫鶴…』 ぽつり、と呟かれた紫鶴の言葉は悔しげでもあり、同時に酷く悲しげでもあった。 自分の手をじっと見つめて、紫鶴はふっと自嘲気味に笑うと、目を伏せる。 『必ずしもそう決まったって訳じゃないだろ?』 『…女神の血を持った者は、例外なく全員悲惨な末路を遂げてるのよ』 『だからって…』 『この血を巡って、血で血を洗うような大きな戦いがいくつも起きて来たのは本当だもの』 静かに紫鶴はディーノの言葉にそう返して、ぎゅっと硬く拳を握り締めた。 女神の血を持つ者は、血に秘められた強大な力を利用されたり、畏怖されて殺されたりする場合が多い。 魔物や魔族に襲われて食い殺されたと言う逸話もあり、例外なく殺される運命を辿っている。 この血の事が知れれば、自分の周囲にいる人々は全員巻き込まれる事だろう。 こんな呪われた血の所為で、自分の大切に思う人達が傷つけられ、苦しめられるだなんて。 考えただけでも、紫鶴にはそんな事耐えられない。耐えられる訳がない。 『…私の所為で皆が傷つくなんて…そんなの、絶対耐えられない…』 唇を噛んで、紫鶴は低く呟く。そんな宿命、受け入れられる訳がなかった。 自分の所為で大事な人達が苦しむ所なんて見たくない。膝を抱えるようにして、紫鶴は呟いた。 ディーノが掛ける言葉を探すように頭を掻いた時、紫鶴がぽつり、と小さく呟く。 『…私は……存在しない方がよかったのかもね…』 『紫鶴、何言って…』 茫漠とした呟きを零した紫鶴に、ディーノが声を上げようとした時だった。 『君らしくありませんね、そんな事を言うのは』 不意に何処からともなく静かな声が響き、ディーノがぴくり、と眉根を寄せる。 顔を上げれば霧がふわりと舞い散って、クロームと共に骸がいつの間にかそこに立っていた。 『…骸』 『何でここにいるって分かったんだ(汗)』 『僕は彼女と契約しているんですよ?居場所くらい分かります』 ディーノの呟きに冷静に返し、骸は蹲っている紫鶴に目を戻し、じっと見つめる。 紫鶴は少しだけ居心地悪そうな顔で膝に顔を埋める。骸はやれやれ、と言うように溜息を吐いて。 『自分が存在しない方がよかった、なんて…君らしからぬ台詞ですよ』 『……私の所為で皆に迷惑を掛けるのは嫌だもの』 『だから居ない方がいいと?…随分諦めがいいですね』 冷たいとも聞こえる骸の言葉に、紫鶴は少しむっとしたらしく、顔を上げて彼を睨む。 『どうしようもないのよ!!!この血を持ってる限り、私は争いを呼ぶんだから!!!』 『むやみに喧伝しなければ多少は変わるでしょう?』 『…人の口に戸は立てられない。秘密って言うのは得てしてすぐバレるものなんだから』 『……いつか、バレる時が来る…』 クロームの呟きに、紫鶴は忌々しげに頷く。人に知られれば、それだけ狙われる可能性が高まるのだ。 誰にも知られないまま、いつまでも隠し通せる訳がない。紫鶴はその事を良く知っている。 魔物達が紫鶴の血に惹かれて彼女を狙う以上、いつかはバレる事なのだから。 『女神の血を持つ私には…避けようのない宿命なのよ』 『なら、君が守ればいいだけでしょう?』 事もなげに言われた言葉に、紫鶴は何を言っているのかと骸を見上げた。 そう言った骸は全く普段と変わらない、食えない微笑みを浮かべて紫鶴を見下ろしていて。 『争いや戦いに巻き込む事を避けられないのなら、君が守ればいいでしょう?紫鶴』 『……何を』 『君の大切に思う全てを。君自身が』 彼女の持つ血が闇を招くと言うのなら、それを彼女自身が祓えばいい。 争いや戦いを引き起こすのなら止めればいい。大切なものを傷つけられると言うなら、守ればいいのだ。 紫鶴は虚を突かれたと言うような顔をして骸を見上げて、菫色の瞳をぱちぱちと瞬いた。 『…でも、私はそんなに強くは…』 『なら強くなればいいだけの話じゃないですか。違いますか?』 力が足りないなら強くなればいい。信頼できる相手の力を借りると言う事だってできる。 ゆらゆらと揺らいでいた菫色の瞳が、次第に治まって行く。少しずつ、少しずつだが揺らぎが消えていく。 『……私は』 『君は世界にたった一人で生きている訳ではないでしょう?』 『…骸』 『吸血鬼と同意見なんてものすげー不本意だけど…俺もそう思うぜ』 ディーノが酷く仕方なさそうにそう言って、にっこりと明るく笑って見せた。 『紫鶴の抱える重荷は俺の重荷だ。俺はお前の守護天使なんだからさvv』 『ドジでヘタレな役に立たないダメ天使ですけどね』 『煩ぇよ!!!混ぜっ返すな!!!』 嫌味混じりに骸にそう突っ込まれて、いつも通りのディーノと骸の険悪な口喧嘩が始まる。 紫鶴は目を瞬いた後、ふっと微笑んだ。何を迷う必要があったのだろう。考えてみれば簡単な事だったのだ。 自分の所為で争いに巻き込まれると言うのなら、自分がその火の粉から大事なものを守ればいい。 その為の力が足りないなら強くなればいい。迷う必要なんて、最初からなかったのだ。 『…私は私…何も変わらないんだよね』 『…うん』 クロームが頷いてくれて、紫鶴はようやく馬鹿な考えに浸っていたな、と苦笑いする。 何処までも真っ直ぐに紫鶴を見つめたクロームが、静かに言う。 『師匠は、師匠だよ。どんな血を持っていても、変わらない』 『……そうね、ありがと』 あれほどショックだった事が、彼らがここにいてくれる事で少しだけ楽になった気がした。 この血が自分の命運だとしても構わない。ギリギリまで足掻いて見せたって悪くない筈だから。 思い悩んで立ち止まるより、何とかする為に動いた方がずっといい。 『…私は祓魔師。襲い来る災厄を祓う者』 紫鶴の静かな呟きに、ディーノ達の言い争いの声がぴたりと止まる。 顔を上げた紫鶴は、軽く首を傾げてにっこりと笑う。その顔に、既に迷いも憂いも存在しなかった。 ディーノと骸、クロームの3人を見返して、紫鶴はいつもの凛とした口調で言う。 『血の呪縛に迎合するんじゃなくて…血の呪縛に立ち向かわないとね』 『…それでこそ貴方ですよ。…紫鶴』 骸の言葉に、紫鶴は憑き物が落ちたように明るく、気高い微笑みを見せた。 真っ直ぐなその瞳は、ほんの微かな悲哀を宿していたけれど…それすらもきっと、彼女の糧となるだろう。 己に課せられた運命を嘆き、悲嘆に暮れて己の不幸を哀れむなんて姿は、彼女には似合わない。 どんなに苦しく絶望しか存在しなかったとしても、針の先程の希望を信じて前に進む方が、彼女らしい。 ―――避けられぬ宿命は受け入れるのではなく、立ち向かうものなのだ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――END
後書き 凹んで色々自暴自棄になってたヒロインに、さり気ない骸様からの手助けのお話ですw(ェェェww 何気にディーノが活躍中(笑)まぁ守護天使ですからね。たまにはカッコよくいて貰わないとw(オイw 女神の血を持つ者は、得てして争いや災厄を招き、周囲の人間すら巻き込んでしまうものなのです。 そんな事になるくらいだったら、自分は居ない方がいいのかも…ネガティブ思考だなうちのヒロインはw あれこれくだらない事思い悩むくらいなら、まず立ち向かってから弱音吐けばいいんですよww つまりはそう言う事です。世界でたった一人で生きている訳じゃない。傍にいつも、誰かがいるから…とw 骸様達が傍にいるんですから、ヒロインがそうしたいと望めばきっと何とかなりますよw(ヴォイww 近いうちに悪役が登場するかも(Σ!? …ヒロインの血を狙う悪役その1でs(緊張感に欠けるww ヒロインは自分の血の呪縛にどう立ち向かっていくのか。骸様達はどうヒロインを守ってくれるのか。 とりあえず次回は孤児院に戻って、リボーンと新キャラに出会う事になります(誰www ルーチェさんの身体の調子を見に来てくれた、アルコバレーノのあの人ですよー(だから誰だww 誰が出て来るかはお楽しみにwwとりあえずアルコバレーノ関係を片付けてしまわねばww それではお目汚し失礼致しました…お粗末さまです(土下座 |
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骸様がカッコいいぃぃぃ////
そりゃぁ、自分のせいで誰かが傷つくなんていったらねぇ。
それでも、仲間がいるから大丈夫!!
紫鶴ちゃん!ファイトー!
おぉ!敵が!!だーれかな。オリキャラ?
2010/2/15(月) 午後 5:15 [ kon ]
そりゃーもう骸様ですからwwいつもカッコいいのy(((蹴w
自分の所為で人が傷つく事を極端に嫌うヒロインですから…嫌でしょうねw
でもそんな時の為に色々な仲間がいる訳なのですww
骸様しかり、ツナ達しかりw頼れる仲間がいる事に気付けw(←←
オリキャラもいればリボキャラもいますよwww
悪役その1はあいつに演じて頂きますw
2010/2/16(火) 午前 0:11