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さぁ、今日はシンデレラのお話をしましょう。
昔々ある所に、奥さんを亡くしたある貴族が居ました。その貴族には、心が綺麗なとても美しい娘が一人居ました。
やがて貴族は顔は綺麗ですが、とても心の醜い女と再婚しました。その女には、二人の連れ子が居ました。
継母と連れ子達は美しい娘にみすぼらしい服を着せ、家中の辛い仕事を何もかも娘に押し付けました。
意地悪な姉達は継母と毎日色々な事を考えては娘をいじめました。毎日毎日、灰だらけになって必死に働く娘。
やがて人々は、そんな娘を『灰かぶり(シンデレラ)』と呼ぶようになりました―――。
『う゛お゛ぉいシンデレラぁ!!!今日は城で舞踏会があるのは知ってるなぁ!!!』
『お前はオレ達が帰って来る前に、極限に部屋の掃除を済ませておいて欲しい!!』
『…まぁ掃除は好きですから構いませんよ』
『ちょっと待てえええええええ!!!!!!』
一番上の姉、スクアーロと二番目の姉、了平の言葉に素直に頷いたのは、黒髪のシンデレラ(紫鶴)。
頑張れよ、と言うように二番目の姉が『極限に助かるぞ』と爽やかに微笑んだ辺りで誰かが突っ込んだ。
ぜえぜえと息を切らせているのは綱吉で、メガホンを持っているリボーンに向かって叫ぶ。
『おかしいよね!?おかしいでしょ!?何でお姉さん役が男性なの!?』
『しょうがねーだろ、くじ引きの結果だ』
『引き直せよ!!!て言うか全然意地悪な姉じゃないよね!?』
何やらツッコミが大変そうですが、話が先に進まないのでとりあえず放っておきましょう。
場面が戻り、ひょいと肩を竦めたのは白い髪の継母…白蘭でした。
『まぁ細かい事気にしなくていいんじゃない?ほら、シンデレラは紫鶴ちゃんなんだし』
『継母まで男かよ!!!配役くじ引きにした奴誰!?』
配役に関しては女性の数より男性の数の方が多いのですから、ミスマッチは仕方がありません。
背後が煩いようですが、白蘭……継母は全くお構いなしに紫鶴を見て笑います。
『そんな恰好してても紫鶴ちゃんは美人さんだしね♪』
『…御世辞をどうも、お義母様』
『う゛お゛ぉい白蘭、もうちっと意地悪な継母らしくしたらどーなんだぁ?』
一番上のお姉さんが呆れたように突っ込むのに、継母はそれもそうかと言う顔になりました。
『じゃあシンデレラ、"私も舞踏会に連れてって下さい"って言ってくれる?』
『賑やかな場所には興味ないんでどうでもいいです』
騒がしい所も華やかな場所も好まないシンデレラは、継母の言葉にきっぱり答えます。
『むしろ家で掃除をしている方が落ち着くから、舞踏会には行きたくない』と。
シンデレラがそう言うならいいか、と納得したように頷いた姉2人と継母ですが、一応もう一度尋ねました。
『…ホントにいいの?王子様とのハッピーエンド(はぁと)を迎えられないかもよ?』
『心底どうでもいいなソレ。私に構わずお義母様達はどうぞ、舞踏会を楽しんで来て下さい』
『シンデレラの話にあるまじき発言だなぁお前ぇ』
スクアーロお姉様の素朴なツッコミにも動じる事なく、シンデレラはお姉様達のドレスの着付けを手伝って。
丁寧に3人が出掛けるのを見送り、何処かうきうきと家の中の掃除に取り掛かるのでした。
『…ちょっと。何してるの君』
『ん?』
てきぱきと1階の掃除を終え、続けて2階の掃除に取り掛かろうとした時でした。
不意に背後から声が掛かったので振り返れば、そこにはいつの間にか魔法使いが立っていました。
『何だ、雲雀が魔法使い役か?中々ミスマッチで面白いなその恰好』
『大きなお世話だよ。それ以前に何で君はイキイキと掃除に熱中してる訳?』
真面目なシンデレラは、何事も一度やり始めたら最後まできちんとやらないと気が済まない人。
なので今もその精神に則って、継母達に頼まれた通りに家の掃除をしているのです。
若干の呆れと不機嫌さを滲ませて、魔法使いはシンデレラに尋ねました。
『君はやる気ある訳?』
『いいや、これっぽっちもないな』
『………へぇ』
迷わず断言された一言に魔法使いの眉間に皺が寄り、微妙に青筋が立ちます。
それもその筈。魔法使いはシンデレラが家から出てくるまで、ずっと外で待っていたのですから。
煌びやかなドレスに魔法、舞踏会に王子様。どれも夢見がちな女性辺りなら目を輝かせそうなシチュエーション
なのですが、現実主義者なシンデレラは髪の毛一筋程の興味も持ち合わせていない様子。
青筋を立てたまま、魔法使いは不意に不吉な笑みを浮かべました。
それを見たシンデレラは不穏なものに気付いたのか、僅かに身構えます。
『…散々僕を待たせた代償は払って貰わないとね』
『わざわざ私なんか連れて行かなくても、そこいらで誰か見繕えばいいじゃないか』
<<それだと話が進まないんですけど…>>
おずおずと突っ込みを入れた魔法の杖(声役:草壁)の言葉にも、シンデレラは端的に答えました。
『舞踏会なんて面倒くさい…絶対行きたくないから断る』
『…シンデレラってどういう話か知ってる君…?』
溜息交じりに魔法の杖を取り出した魔法使いに、途端にシンデレラは武器のようにモップを構えます。
魔法使いの指に大きな雲の炎が灯り、いつの間にかその手には手錠が握られていました。
『確かシンデレラは魔法で綺麗に着飾って、カボチャの馬車で城に行くんだよね?』
『…期待に副えなくて悪いが、この家には馬になるネズミも馬車になるカボチャも無いぞ』
『そんなファンシーな術を僕が使うとでも思ってるの?』
どうやら魔法使いは、普通に馬車を調達してきた様子。何処から調達したかは永遠の謎です。
窓の外にご丁寧に鎮座している馬車を見て、シンデレラは更に面倒くさそうな顔をしました。
『…謹んで遠慮します』
『僕はいつまでもこんな茶番劇に付き合う気はないんだからね』
魔法使いが放った手錠をモップの柄で叩き落とし、シンデレラは身軽にその場から逃れました。
それを見て切れ長の目を眇めた魔法使いは、長いローブから長ラン姿へと変わります。
『しょうがないね。…実力行使だよシンデレラ』
『手錠投げて来た時点で完全に実力行使だよな?』
トンファーのチェーンの攻撃をかわし、モップでチェーンを絡め取って打ち落とすシンデレラ。
しかし魔法使いもそれを予想して、新しい手錠を放ちます。シンデレラは紙一重でそれをかわします。
ならばと言わんばかりに増殖して襲い掛かって来た手錠の雨は、モップを回転させる事で弾き返しました。
『大人しくドレスに着替えて馬車に乗りなよ』
『絶対に嫌だ』
『…強情だね。捻じ伏せてでも連れて行くよ、僕は』
魔法使いが取り出したトンファーによる鋭い連撃を、シンデレラはモップで受け止めます。
そのまま二人は睨み合い、激しい戦いの応酬が始まってしまいました。
『…どうするんだよリボーン、紫鶴さんとヒバリさん戦い始めちゃったぞ?』
『ま、待つしかねーだろ。シンデレラが着飾って城に行かないと話が進まねーんだから』
『ハル達は早く、紫鶴さんにキラキラのフリフリドレス着せたいです〜…』
残念そうな顔をしているのは、可愛らしいドレスを何着も持っている妖精姿のハルでした。
その隣には同じく妖精の姿の京子とクロームも居て、シンデレラと魔法使いの戦いを見守っています。
この3人は魔法使いが魔法を掛けた時、シンデレラにドレスを着せる妖精の役なのです。
『紫鶴さん、キレーだからきっと物凄くドレス似合いますよ〜!!』
『私もそう思う!!クラシックなドレスがいいよね!!』
どうやら妖精達は早くシンデレラにに可愛いドレスを着せたくて仕方ないようです。
そんな脇の様子にも構わず、魔法使いとシンデレラの戦いはますます激しさを増していました。
『とうっ』
襲い掛かったトンファーの一撃をモップで受け止めるシンデレラ。しかし魔法使いは不吉に笑います。
『…それくらいで僕の攻撃が防ぎきれるとでも?』
『何?…っ!?』
もう一撃打ち込まれた時、とうとうモップの柄がばきり、とへし折れてしまいました。
目を瞠ったシンデレラでしたが、寸前で一撃喰らう事だけはなんとか回避してモップの先を投げ捨てます。
攻撃が掠めた際に破れたのでしょう。シンデレラの着ていた衣装が少しだけ破けていました。
『これ以上は戦えないでしょ?諦めたら?』
『何を言う。忍に"戦えない状況"なんてないぞ』
『……どういう事?』
魔法使いが眉を寄せると、シンデレラはにっこり笑んで…モップの柄で殴り掛かってきました。
鋭い連撃を何とかかわした魔法使いは、油断なくトンファーを構えたままシンデレラを睨み据えます。
『…棒術も使えるんだね』
『勿論。あらゆる状況で戦えるように鍛えられてるからな』
くるくると棍棒を扱うようにただの棒切れとなったモップの柄を振り回し、魔法使いに挑み掛かるシンデレラ。
それをかわしながらシンデレラを見た魔法使いは、すっと瞳を眇めて言いました。
『だったら、それでも戦えないようにすればいい訳だ』
『簡単にはいかないぞ?』
『どうだろうね』
妙に自信満々な魔法使いを見て、シンデレラは少し不思議そうな顔をします。
そして次の瞬間、一気に間合いを詰めた魔法使いに反応して、後退しようとした時でした。
シンデレラの腕を捕まえた魔法使いが、そのままシンデレラを自分の方へと引き寄せて。
『む……っ!?//』
『『『(そこまでやるか!?)』』』
何処からともなくツッコミが聞こえた気がしたものの、魔法使いは一顧だにせずシンデレラを捕まえました。
ワンテンポ遅れて状況に気が付いたシンデレラは大慌てで暴れ始めますが、後の祭りでした。
『って、ちょ…やめ、嫌だって言ってるだろうが!!!』
『煩いから黙ってなよ君。さっさとドレスに着替えて城に行くからね』
『むーーーー!!!』
口を塞いで体よくシンデレラを黙らせた魔法使いは、面倒そうに妖精達を促します。
慌てて駆け寄ってきた妖精達に捕まり、シンデレラは強制的に着替えさせられる事になりました。
『さぁシンデレラ、大人しくしてて下さいねー?』
『…暴れちゃ、ダメ』
流石に妖精達の前で容赦なく暴れる訳にもいかず、シンデレラは渋々大人しくなって。
煌びやかなドレスに着替えさせられ、シンデレラだからとしっかり用意されたガラスの靴まで履かされました。
仏頂面のシンデレラが隙を見て逃げようとするも、魔法使いがそれを許してくれる訳もなく。
『ほら行くよ』
『……こんなのって理不尽だ』
『"シンデレラ"なんだから大人しく覚悟決めなよ』
―――そうしてシンデレラは魔法使いに拉致られる事になりました。
―――――――――――――――――――――――――――END
後書き
一度やってみたかった童話パロディネタ。と言う訳で大抵の人は知っているだろうシンデレラからです。
シンデレラは当然ヒロイン。継母は白蘭で二人の姉はスクアーロと了平にーさんにです(カオス過ぎるw
え?魔法使いが雲雀なら王子役は誰なのかって?それは勿論王子役に相応しいあの人ですとも!!!←←
最初は雲雀を王子にしようかとも思いましたが、あまりにも捻りがないので魔法使いにしましたw
言っておきますがあくまでもパロディなので、シンデレラのストーリー通りには絶対に進みません(言い切ったw
なので京子達三人娘が妖精役なんてやってる訳です(笑)カオスギャグがやりたかっただけです、うん。
リボーンは舞台監督で、10代目はツッコミがお仕事(ェェェ)他に突っ込みをする人がいないのでww
今回はスク鮫もボケに回したので、このカオスな内容を取り纏めるのはやはりツナにしか出来ないかなと(オイw
配役の流れがカオス?それは彼らのくじ運の問題ですから私は何も悪くありませんよ、ええ!!(キッパリ
とりあえず、シンデレラは舞踏会へ行く事になります。魔法使いが拉致っちゃったからしょうがないけどw
冒頭のクリック?クラック!は断章のグリムより抜粋。一度やってみたかったんです御免なさい←
まだ続くので、はつかねずみは次回までお預け。次回もカオス全開ですがよろしくお願いしますw
それではお目汚し失礼致しました…お粗末様です(土下座