ドクターの春夏秋冬

不妊治療の現役医師が多忙な毎日の中、幅広いジャンルからテーマを選び、語りかけていきます。

全体表示

[ リスト ]

入院(1)

入院をするといろいろな体験ができます。
今回の入院は私の日常が180度変わりました。
10年前の腎臓の手術と違い、今回はロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘術(ダヴィンチ)という腹腔鏡手術を行いました。しかし手術後の硬膜外麻酔がないため、非常に痛い経験をしました。術後、自分でボタンを押して痛み止めを注入する装置はありましたが、午前2時か3時頃には痛み止めはなくなってしまい、それからが本当に大変でした。術後は枕を使っていけないことになっていたので、そのためか首と肩が痛く十分な体位変換もできませんでした。痛み止めの注射を1回使いましたが、それでも体全体で、もがき苦しみました。家族はすでに帰っていたので、やはり家族に残ってもらったほうが良かったと後悔しました。夜勤のナースも忙しいらしく、なかなか見に来てはくれません。おまけに隣の個室の患者はモンスターペーシェントらしく、私の部屋に聞こえるぐらいの大声で何度も怒っていましたので、そういう患者の対応で大変だったと思います。次の日には多分、婦長さんやドクター等が隣の個室に来ていろいろ話している様子が伺えました。私のほうは、自分の体がどうにも苦しく、足を踏ん張り、体の位置を少しずつ変えて耐えていました。しかし、足の位置を変えると尿道カテーテルが突っ張り、それがまた痛い。遠慮しながらもナースコールを使い、止めているテープの位置を変えてほしいとお願いしましたが「OPE室からですので、テープの位置は変えられません」という返事でしたので、頼んでもしょうがないと観念し、手探りで大腿部のテープを少しずつはがし位置を自力で変えました。長時間の骨盤高位で肩に負担がかかっていたのかもしれませんが、右肩の痛みが非常に強く、その上、腹腔鏡といえども今回は6箇所も鉗子を立てており、おまけに骨盤底まで長いドレインが入っていたので、腹筋に力が入りません。力を入れれば激痛で、咳払いは必死の覚悟が必要でした。硬膜外麻酔が効いて意外にベッド上でハイだった十年前と比べ、今回は術後一日で憔悴しきりました。体力的というよりも“何もしたくない”“何もできない”という精神的な憔悴感が強く、人間はこんなにも早くすべてにやる気がなくなり、諦めることができるのか・・・と驚きました。傷ついた兵士が「俺はいいから逃げてくれ!」と言うように・・・

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(0)


.


みんなの更新記事