爽やかな読み心地の「小さな空」
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本名 小さな空
作者 風野潮 出販社 シャイブ 出版日 2008年8月 定価1600円+税 郡山図書館 F/カ
くるりと回転しながらランドセルを背からおろし、太一はキンキン響く声で言った。
「もおぉ、腹立つ、ムカつく、イラつくう!」 四階までの階段を上ってくる足音で、すでにカンシヤクを起こしていることは予想できたが、新学期早々激しく爆発している。 「ふう−、あち−い」 オッサン臭く畳にあぐらをかく小学四年生を見て、光江は言葉づかいの悪さを叱る前に、思わず徹笑んでしまった。 「お母さん、聞いてや。ほんま、今日はオイラめちゃムカついてんねん」 「はいはい、聞くけどね、『むかつく』はきれいとちゃう言葉やから使わんでね」 どムカつくねん、十和田フキコお」 「あら、お隣の十和田さんの妹さん? 名前、フキコちゃんっていうの?」 「うん、ホラ吹きのフキコや。あいつがオイラの人生計画めちゃめちゃにしよってん」
主役登場である
郊外の団地に住む小学四年の岩本太一と隣に住む十和田フキコが主人公である
太一は弟の慎二とまだ少女のころの漫画家志望の夢を忘れられないママの光江と、ヂャズバンドをやっていた頃が懐かしいパパさん潤三が家族
フキコはまーくんと呼ぶ兄のようなイケメンの十和田正見と暮らしている レツキした戸籍上のお父さんなんだから驚く マー君はドラマーのプロなんだが今はフリーターをしながら復活に向けて頑張っている バス衝突事故で亡くなったフリーカメラマンのフキコの一回り上のフキコのママと真希と結婚していたのである
このふた家族が団地で助け合って生きてゆく微笑ましい物語である。春・夏・秋・冬と別れているのも読みやすい 読んだあと人間ってこんなに優しいと爽やかな気持になれる小説である
風野潮 かぜのうしお
大阪府生まれ`98年、「ビート・キッズj(講談社)でデビュー.同作品で第38国講談社児童文学新人賞、第36野間児童文芸新人賞、第9回椋鳩十児童文学箕を受賞. 著作にrビート・キツズ2」 「満月を忘れるな!」(ともに講談社)、「ぽくはアイドル?」「テリアさんとぼく」(ともに岩崎書店)、「マジカル・ドロップス」(光文社)、「森へようこそ」 「モデラートで行こう♪j(ともに弊社刊)などがある. |