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2006年3月10日

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新書二冊

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新書は、鞄の中に入れておいて電車の中で読めるのがいい。

町田健「ソシュールと言語学-言葉はなぜ通じるのか」講談社現代新書(@Amazon)
 言語学にも興味があるので読んでみたが、面白いとは感じなかった。内容が通じて来ない。大筋として、ソシュールが提唱した言語学の理念、そして彼の後継者による具体化の過程が書かれている。そして理念の説明に集中した帰結として、本が尻すぼみになってしまっている印象を受ける。
 他の人の書評として、Passion For The Futureの橋本大也氏のものを参考にあげておく。こちらの方が私のより詳しく書いてある。ある程度の年月は言語学に親しんでいないと、この本の真価が分からないのだろう。
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002873.html

布施英利「マンガを解剖する」ちくま新書(@Amazon)
 著者は美術が専門、とあるが、養老孟司氏の弟子でもあるらしい。これには読み始めてから気づいた。内容は、コマ割りなどのマンガ表現についての考察が主。それでもやはり「解剖」とあるように、マンガの身体論も展開される。
 筆者とその師匠が得意とする身体論の視点は、いつも興味深い考察を提供してくれる。しかし派生する懐古主義というか自然物礼讃、は自分の主義と合わない。ま、本の著者について知らずにタイトルだけで選ぶ自分も悪いが。
 解剖学者は人体を仕事の対象とするから、その複雑さの中の美しさは肌身に感じているのだろう。そこまでは私も理解できる。私が作った粘度人形よりも、スーパーモデルの体型の方が美しいのは当然である。
 であるが、自然物は人工物よりも優れている、という主張を広く適用することには素直に頷けない。解剖学者と工学者は相容れないのだろうか。

しかし新書は薄い分、内容も薄いのはどうしようもない。誰かがハードカバーの本を持って私の後を着いて回り、私が読みたい時に出してくれると都合がいいのだが。私がドバイの誰かさんでないかぎり実現しないだろう。

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津海明日彦
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