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『国体の本義』とアソシエーション

 
我が国の和は、理性から出発し、互に独立した平等な個人の械械的な協調ではなく、全体の中に分を以て存在し、この分に応ずる行を通じてよく一体を保つところの大和である。従つてそこには相互のものの間に敬愛随順・愛撫掬育が行ぜられる。これは単なる機械的・同質的なものの妥協・調和ではなく、各々その特性をもち、互に相違しながら、而もその特性即ち分を通じてよく本質を現じ、以て一如の世界に和するのである。即ち我が国の和は、各自その特質を発揮し、葛藤と切磋琢磨とを通じてよく一に帰するところの大和である。特性あり、葛藤あるによつて、この和は益々偉大となり、その内容は豊富となる。又これによつて個性は弥々伸長せられ、特質は美しきを致し、而も同時に全体の発展隆昌を齎すのである。実に我が国の和は、無為姑息の和ではなく、溌剌としてものの発展に即して現れる具体的な大和である。(国体の本義)
 
 
 
なかなか良いことが書いてあります。
 
・「相互のものの間に敬愛随順・愛撫掬育が行ぜられる」…ちょっとはっきりしませんが,読みようによっては,交互的な関係,つまり一方的な関係ではなく,事柄によっては立場が入れ替わるというようにも読めます。トフラーのアドホクラシーのようなイメージを読み込むことも不可能ではない気がします。だとしたら素晴らしいことですね。
 
・「各々その特性をもち、互に相違しながら、而もその特性即ち分を通じてよく本質を現じ、以て一如の世界に和する」…均質的個人の間の画一的平等ではないということですね。結構なことです。
 
・「個性は弥々伸長せられ、特質は美しきを致し、而も同時に全体の発展隆昌を齎す」…「各人の自由な発展が、万人の自由な発展の条件となるアソシエーション」というマルクスのアソシエーション規定とほとんど同じです。
 
・「溌剌としてものの発展に即して現れる具体的な大和である」…これも内容的には,まったく申し分ないのですが,「具体的」とふんぞり返っている割には,そのような「大和」をどんな条件がどのように担保するのか,一向にかたられていないため,その意味で実際は極めて抽象的です。単なるお題目,絵に描いた餅に終わっています。
 
マルクスの場合は違います。労働という事実に基づいて,「大和」の必然性が示されています。労働においては,労働対象,労働用具,人間身体といった「ものの発展に即して」「その特性即ち分を通じてよく本質を現じ」せしめなくてはならないのです。
 
そして,労働は,全人類に共通のものですから,マルクスの「大和」もまた,特定の民族の占有物ではないのです。
 
 
 










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草莽崛起(The Rising Multitude)

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