知事に忠誠心なき者は職員に非ず? 大阪職員基本条例(案)批判=労働条件改悪が必至
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=大阪職員基本条例(案)批判= ◇ 労働条件改悪が必至 〜エセ民意が導く独裁 大阪・堺市議会議員 田中丈悦
大阪維新の会が現在、府議会に「大阪府教育基本条例案」とあわせて提案しているのが「大阪府職員基本条例案」です。「職員基本条例」について、橋下徹元知事と「維新の会」はどういった役所と職員をつくろうとしているのか、この条例が今の社会にどのような意味を持つのか明らかにします。 ■ 制定趣旨は「大阪都」 大阪府職員基本条例(以下、条例案)は現在、都市競争が行われており、それに勝つためには「新たな地域経営モデル」が必要であり、そのために公務員制度改革を行って、特権的な人事運用から決別した「民」のための行政機関をつくる、ことが条例制定の趣旨ということです。 ところが、この「新たな地域経営モデル」は「維新の会」の「大阪都構想」そのものであり、大阪市と堺市などを大阪府に吸収し「大阪都」をつくる、行政改革を行うことをさしているのです。 ■ 特別職を導入、知事に忠誠心なき者は職員に非ず ①人事の一般原則は、上級職員が定めた業務目標を効率的、効果的に達成すること(第3条)。 ②準特別職員(幹部職員)の新設と公募、知事指名の有識者による面接・採用(第2条〉。 ③人事評価の割り振りは「教育基本条例案」と同じくS〜Dの相対評価(第7〜12条)。 ④処分規定と業務命令違反について(第17〜22条・第24〜32条)。 以上から分かることは、「特別職」の選考者は知事指名であり、その任用基準は「組織を通じて運営方針を有効に実施させる能力の高さ」であるなど、その任期中にある知事の考え方への全面的賛同が「幹部職員」の前提となります。 また「運営方針」とは知事の政策と方針にほかなりませんが、A〜Dの人事評価などにより、解雇までの強制力を持って全職員を知事の方針に従わせることです。 ■ 判例違反の相対評価 そればかりか、たとえ上司が定めた「業務目標を効果的、効率的に達成する」努力をしていても必ず毎年Dの該当者が生まれることになります。 こうした「業務目標を効果的、効率的に達成する」の点で思い出すのは07年の北九州市の生活保護事件の水際作戦です。 「生活保護を受け付けない」ことがその職場目標であり、どれだけ申請させないかという業務が行われていたことは広くマスコミで報道されたとおりです。 官民を問わずこれほど厳しい懲戒処分に補完された目標と運営方針のもと、上司のやり方についてものを言え意見をたたかわせる職員が育つでしょうか。逆に上司の顔色をうかがって業務を進める役所人間、官僚主義が広がるのではないかとの懸念も生まれます。 民間ではこうした「相対評価による免職規定」を盛り込んだ「就業規則」を持っている企業は存在していません。 これらは、相対評価による下位10%未満であることを理由にした解雇が不当であるとした「ゼガ・エンタープライゼス事件」(1999年10月15日東京地裁判決)の判例を覆すものです。 仮に、公的機関である自治体がこうした規定を持った場合、民間への導入に道が開かれるなど、労働裁判で労働者側が勝てなくなるばかりか、民間の労使関係に与える社会的影響力は極めて大きいものがあります。 ■ 分限で首切り自由化 ①定員・人件費管理について(第16条)。 ②組織改変に伴う分限処分について(第33条) ③民営化による分限処分について(第34条)。 ④天下り禁止規定(41条) ⑤人事監査委員会の新設(第46〜52条) この新設される職員の処分を主に扱う専門組織としての「人事監査委員会」ですが、これは地方自治法第153条1に基づく知事の内部組織となっています。 また、*政治的中立性の立場から首長から独立している行政委員会組織である「人事委員会」があるにも関わらず、なぜこうした知事の内部組織である「人事監査委員会」が新たに必要なのかは不明です。 また、仮に分限免職が行われる場合には、次の就職先確保が大きな争点となってきます。この点では、組織の改変や予算縮小での免職(解雇)者については選考の上、人事監査委員会の審査に付し決定し、解雇者の再就職支援は、直接の就職斡旋機関とはなっていません。また「民間事業者」による就職斡旋支援とはどういったことかは不明です。 「民営化」による場合には、こうした人事監査委員会への審査付議も「人材バンク」登録や「民間事業による支援」も規定されておらず、「民営化企業に再就職がおこなわれる場合」ではなく、試験などの「再就職する機会」が与えられている場合としているなど不明確な点が指摘されています。 そして、地公法第18条4でも「職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」と規定されているにもかかわらず、さらに条例規定として確定させ、自治体の分限免職を合法化しようとしています。 ■ 無視する解雇4要件 これが条例化されれば、今までの民間の判例法上で確立されてきた*整理解雇4条件である「①どうしても整理解雇しなければならないなどの経営状態にあるか。②解雇を回避するために、あらゆる努力がつくされたか。③解雇の人選基準が合理的であり、その適用基準も合理的であるか。④労働者および労働組合と事前に協議を尽くすなど、解雇にいたる手続きに合理性・相当性があること」が破られるということになります。 これら4要件より緩い条例が行われた場合は、①の判断や②の解雇回避の努力などについて、さらに民間の解雇要件を緩和していく事態となることがほぼ間違いないということです。 最大の影響は、こうした人事・労務管理方式と解雇要件緩和が、今日までの民間の裁判や積み上げられた労働判例を覆し、さらに解雇・労働条件を緩めていくということが最大の府民と社会への影響といえます。 条例案の内容を一言でいえば、役所の幹部職員を全て知事の賛同者で固める。運営方針を民間にもない相対的人事評価制度や職務命令などを背景に遂行する。つまりへ首長の指示を信賞必罰による徹底的な役所内の統治機構づくりです。 いま自治体では一定の「身分保障」がされた正規職員とは別に、一方ではこれとはかけ離れた「官製ワーキングプア」「名ばかり公務員」といわれる非常勤、臨時の不安定雇用の職員がすでに4分の1を占めている現状があります。 こうした問題が存在していることも補足しておきます。 【参考】大阪府職員基本条例案 http://www.pref.osaka.jp/gikai_giji/2309gian/100502outlines.html 『週刊新社会』(2011/12/20) ≪パワー・トゥ・ザ・ピープル!!
今、教育が民主主義が危ない!! 東京都の「藤田先生を応援する会有志」による、民主主義を守るためのHP≫
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