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自虐史観の葬送のために!守るべきは社稷であって国家ではない!

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 政府は共謀罪の制定理由の一つとして、国際組織犯罪防止条約の批准のために必要と主張しています。しかし、条約が犯罪化を要求している内容と共謀罪とは似て非なるものです。
 まずそれぞれの条文について見ておきましょう。
 国際組織犯罪防止条約における組織犯罪集団と共謀の定義は次のようになっています。(日本外務省訳)

【組織的犯罪集団】
「組織的な犯罪集団」とは、三人以上の者から成る組織された集団であって、一定の期間存在し、かつ、金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため一又は二以上の重大な犯罪又はこの条約に従って定められる犯罪を行うことを目的として一体として行動するものをいう。
=第2条(a)

【共謀】
金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意することであって、国内法上求められるときは、その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為を伴い又は組織的な犯罪集団が関与するもの
=第5条 1 (a)(i)

 一方、組織犯罪処罰法と政府が出そうとしている共謀罪法案では、それぞれ次のように書かれています。

【組織的犯罪集団】
「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体をいう。以下同じ。)により反復して行われるものをいう。
=組織犯罪処罰法第2条
団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるもの
=共謀罪法案第六条の二カッコ書き

【計画】
次の各号に掲げる罪(別表第四)に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画
=共謀罪法案第六条の二

消えた目的規定

 人の行動には通常必ず目的があります。団体が目的とする行動や共謀の内容となる行動にも、当然その目的がなければなりません。そうした視点からそれぞれの条文の構造を図示すると次のようになります。

【条約】
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-e9-34/felis_silvestris_catus/folder/620532/98/65690998/img_0?20170320164223
【共謀罪法案】
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-e9-34/felis_silvestris_catus/folder/620532/98/65690998/img_1?20170320164223

 国際組織犯罪防止条約では、団体が目的とする行動が何のために行われるかについて、「金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得る」ことと規定しています(図の緑色下線部分)。麻薬組織が麻薬を製造・販売するのはそれ自体が最終目的ではありません。それによって金銭的利益を得ること、つまり金儲けが目的なのです。ヤクザや詐欺集団もその点では変わりありません。
 いわゆるテロ組織であれば、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える」ことと、日本政府は規定しています。(特定秘密保護法第12条)

 ところが、共謀罪法案ではこの目的の規定がすっぽり抜け落ちています。
 この結果、共謀罪が処罰対象とする団体あるいは共謀(計画)の範囲は、国際組織犯罪防止条約が求めるマフィアやヤクザなど犯罪組織だけでなく、テロ集団だけでもありません。共謀罪は無制限にあらゆる団体の共謀(計画)を対象とすることが可能な条文構造となっているのです。

市民運動も対象とする共謀罪

 軍事基地を作らせないという目的の市民運動を例に、共謀罪の条文構造に当てはめたのが次の図です。
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-e9-34/felis_silvestris_catus/folder/620532/98/65690998/img_2?20170320164223
 運動の目的である基地反対や、計画内容である座り込みなどの行動を、組織的な威力業務妨害と警察が判断すれば、目的が建設の実力阻止であろうと反対の意思表示であろうと関係なく共謀罪で処罰できることがここにしめされています。

 なお、私は政府が市民の生活と生命を踏みにじろうとする時に市民が実力でそれを止めるのは、たとえその行動が形式的に法に抵触するとしてもまったく正当な行為であり、それこそが民主主義を守る市民の義務ですらあると考えています。
 米国憲法修正第2条が保障する人民の武装は国を守るためだけではなく、そうした市民を踏みにじる政府にも向けられるのであり、修正第6条の陪審制は法律に制限されない市民である陪審員により、訴追された行動における目的の正当性が判断されることで、この民主主義を守る市民の行動を保障していると言えるでしょう。残念ながら、日本の戦後民主主義は、その基礎となる武装した市民の存在を欠いてきたばかりでなく、そうした民主主義を守る行為を政府の報復から守るための陪審制も停止されてきてしまいました。裁判員制度は刑事司法手続きに市民が踏み込んだという点では一歩前進ですが、職業裁判官の存在を排除できていないこと、裁判員が法律に縛られていることから、陪審制のかわりにはなりません。

あらゆる集団が「組織的犯罪集団」に

 もう一度条文や最初と2番目の図を見て下さい。国際組織犯罪防止条約では、組織的犯罪集団について物質的利益を目的とした集団と規定することで「テロ」組織とは明確に区別しています。これが日本においても通常「組織的犯罪集団」と考えられている存在でしょう。ヤクザや詐欺集団がこれです。
 ところが、共謀罪では、「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と規定することで組織的犯罪集団の中に「テロ」集団を含めただけでなく、目的規定を欠落させることでそれよりはるかに広い範囲を指す言葉にしてしまっています。
 政府が「一般の……」というのは、条約や常識における「組織的犯罪集団」の規定と共謀罪における規定の違いから生じる誤解を利用した詭弁でしかありません。「別表第三に掲げる罪を実行する」ことを目的とすると認定したすべての集団を「組織的犯罪集団」とするのが共謀罪です。市民運動だろうが職場の飲み会だろうが関係ありません。「別表第三に掲げる罪を実行する」ことを目的した一般市民の集団など共謀罪の条文上ではありえません。
つまり、共謀罪おいては、いかなる目的のためであろうと「別表第三に掲げる罪を実行する」ことを掲げる団体は「組織犯罪集団」なのです

恣意的な「組織的犯罪集団」認定

 ところで、条約においても共謀罪においても、実際に行われる行為は共謀あるいは計画だけです。そしてそれは、共謀罪法案ではとくにはっきりしていますが、ある団体を「組織的犯罪集団」と認定する根拠とはされていません。また、共謀罪では、団体の定義を「目的又は意思を実現する行為」が「反復して行われる」としていますから、目的を実現する(目的が何かが明らかになる)行為が何もなくても認定してかまわないということです。
 では何をもって「組織的犯罪集団」とするのでしょうか。言い換えれば、何をもって、ある集団の目的が「犯罪を行うこと」(条約)、「別表第三に掲げる罪を実行すること」(共謀罪)と認定するのでしょうか。何もありません。
共謀罪では、警察・検察が「組織的犯罪集団」と恣意的に決めれば、それが通用してしまうのです。捜査機関の追認を役目と考えている裁判所・職業裁判官が歯止めにならないことは、すでに多くの事例が証明しています。

共謀罪の主目的は政府批判の圧殺

 条約では一応、処罰対象をマフィアやヤクザなど金儲けのために違法行為を行う集団に限定していました。それ自体、マフィアなどだからという理由で市民の一部の人びとから人権を剥奪するもので許されないことだと私は考えます。
 しかし、共謀罪は、条約を口実にしていながらそうした限定を取り払い、政府が目障りだと考えるあらゆる市民とその集団を「組織的犯罪集団」に仕立てあげて、処罰・圧殺しようとするものです。
 共謀罪が「テロ」対策の役に立たないという声は政府幹部からも出ています。暴力団対策のためには様々な法律がすでに存在し、共謀罪がなかったので取り締まりが出来なかったなどという事例を、政府は一つもあげられていません。「テロ」対策だとか暴力団対策というのがウソであることは明らかです。

 安倍政権が軍拡と戦争に突き進む一方、アベノミクスという紙幣増刷と富の超富裕層への集中路線は破綻に瀕し、差別と抑圧、人権侵害が拡大しています。政府批判の運動が広がり、政府に対する怨嗟の声はますます高まるでしょう。生きるために、毎日の糧を得るために、戦場で殺されないために、市民が立ち上がらなければならない時代が始まろうとしています。そうした市民を、一歩踏み出す前に、どうしようかと相談し、話し合っている段階で取り締まり、抹殺するために作られようとしているのが共謀罪です。

 私たちは、自衛隊解体という憲法9条に基づく当然の要求をいつの間にか忘れてしまっています。それが戦争法強行の背景にありました。
 同じように、破防法や組織犯罪処罰法、団体規制法、暴対法など、様々な理由をつけて一部の市民の人権を剥奪する法律の存在を許していることが、一般破防法、一般団体規制法等である共謀罪が強行されようとしている背景にはあります。一人が殴られ、踏みにじられるのを傍観していれば、いつかは必ず自分が殴られ踏みにじられることになります。
 犯罪という行為の取り締まりの必要性は認めても、それを口実に市民の一部を特別視して人権保障から排除する、そうしたあらゆる抑圧法を解体していく第一歩として共謀罪の制定を阻止しましょう。

転載元転載元: 自由ネコ通信

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    戦争法案(安保法案)が通過して戦争が起きましたか?笑)うそつき。笑)

    共謀罪反対も安保法反対と
    同じでまた嘘で反対ですか。笑)

    嘘好きなのか、カルト宗教みたいな洗脳なのか、
    精神病じゃないならテロリストとは
    君らみたいな思考なんでしょうね。
    色即是空。笑)

    [ 脳天気 ]

    2017/3/22(水) 午前 7:34

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    コメントは事実を確認してから、行うようにしましょうwww

    国連の組織犯罪対策とテロ対策を結び付ける政府の説明こそ、事実に反するものなのです。

    そこを理解してから、コメントのやり直しをしてください。

    [ 阿蘇地☆曳人 ]

    2017/3/22(水) 午後 1:15

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    共謀罪を反対してテロを呼び込みやすい環境を手助けしてるのが君らだよ。
    よく読めって言うが結論は共謀罪反対なんでしょ。それでテロを呼び込みにくくくなるのか?
    また・・・うそつき。
    またと言うのは、
    戦争法案で戦争になりましたか?は無視かよ。
    君も反対してたよな。法案で戦争になるって。笑)

    [ 脳天気 ]

    2017/3/22(水) 午後 2:06

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    戦争になっていないと本気で思い込んでいる人に事実を認識して頂くには一体どうしたらよいのかと、途方に暮れています。

    人は自分の見たいものしか見ないというのは、このことなのでしょうね。

    [ 阿蘇地☆曳人 ]

    2017/3/22(水) 午後 7:49

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    戦争法で戦争になったの?
    君には事実の戦争が見える人なんでしょ。
    で、どこの国と日本が戦争してるの?

    安保法がなければ戦争以前に、
    一方的にやられますけど、君はそれでもいいん?

    >人は自分の見たいものしか見ないというのは、このことなのでしょうね。

    蓮舫同様の「おまいう」のブーメランですわ。笑)

    [ 脳天気 ]

    2017/3/22(水) 午後 8:31

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    日報を隠そうとしたり、現地からの報告に対して「戦闘」という言葉は使うなと言ったりしている連中を見ても、暢気にそんな質問をなさる方に分かるように説明する能力が今の僕にはありません。

    [ 阿蘇地☆曳人 ]

    2017/3/22(水) 午後 8:55

    返信する

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