ピーマン
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この夏の畑は、とにかくピーマンが豊作。
調子の悪い胡瓜、早くも枯れ始めたトマト、思うように大きくならないカボチャ、虫にやられたインゲン・・・
異常な暑さに作物たちも悲鳴を上げる中、ピーマンだけはどこ吹く風でつやつやと生っている。
収穫したてのピーマンは、肉厚でみずみずしくて、包丁を入れると弾けるように切れる。
細切りにして塩をふり、少ししんなりしたのにごま油をかけて山盛り食べるのもいいし、
二つに割って種をとり、グリルで焦げ目がつくまで焼いて、鰹節とお醤油で和える焼きピーマンもおすすめ。
(一人でピーマンまるごとふたつ分は軽々食べられるので、たくさん獲れたときはこれが一番)
チンしてしんなりさせたのを甘夏やグレープフルーツなどのほろ苦い柑橘と合わせるのも美味しい。
ピーマンには忘れられない、忘れちゃいけない思い出がある。
中学校の美術の時間に、野菜を色鉛筆でスケッチする課題があり、ピーマンを描いていたのだけれど、
美術のK先生が回ってきて私の絵を見るなり、
「なんだなんだ!こんな弱い絵を描いてちゃダメじゃないか!」
と突然怒りだしたのだ。
家で親には叱られ慣れていたけれど、
学校では手間のかからない地味で真面目な生徒をやっていた私は、先生に怒られることなんて滅多になかったから、びっくりした。
びっくりして、多少傷つきはしたけれど、K先生は決して自分の機嫌で生徒を叱るような人じゃない。
この人は他の先生とは違って、ちゃんと自分を見てくれてる、そんな気がしたのだ。
そのピーマンの絵を、どうしたら強い絵に仕上げられるのか、
そんなことが中学生の私にわかるわけもなく、結局弱い絵のまま提出した記憶があるけれど、
自分の内面がそのまま作品に映るということを、そのときK先生に教えてもらった。
あれから○○年。今の私がピーマンを描いたら、どんなだろう。
不義理にも、消息も知らないK先生がまだお元気でおられたら、見てもらいたい。
いや、やっぱりまた同じことを言われたら・・・そんな怖さもあるけれど。
今、ピーマンを見ていると、あのとき自分の弱さを言われたのはもちろん、
きっとこの生命力にあふれた独特の味の野菜の強さを、あの時の私は何も気付いてなかったんだな・・・
そんなこともわかる。
K先生、私少しは成長してるでしょうか?
その後K先生にはたくさん叱られたが、同じぐらい褒められもした。
今思えば、それがきっかけとなって、陶芸をしているのかもしれない。
ということは、きっかけはピーマン?!
話がピーマン(死語・・・)とか、子供のキライな野菜NO1とか、あまり巷の評判は良くないけれど、
ピーマンは、私にとって、大げさでなく、人生を決めた大切な野菜なのだ。
夏休みの宿題みたいな独りよがりの長い作文、最後まで読んでくださりありがとうございました。
猛暑は明日も緩まないとのこと。どうか皆様お体お気をつけてお過ごしくださいね。
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