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「社会保障・税の一体改革の法案審議が衆院の特別委員会を舞台に、やっと幕を開けた。消費税率を2年後に8%に、1年半後に10%に上げる増税法案のゆく末に耳目が集まる。
だがその陰にもう一つ『増税』が仕組まれていることは、多くの納税者が見すごしている。年金や健康保険、介護保険などの給付費の大半をまかなう社会保険料の引き上げだ。一体改革の法案そのものに、保険料を上げる規定はない。しかし会社員は毎月の給料などから天引きされる保険料がこの先さらに上がることが決まっている」(「日経」5月19日)。
「野田政権と国民を洗脳し、増税を企む財務官僚の恐ろしい手口。官僚の大嘘に騙されるな!」――。みんなの党幹事長・江田憲司の近著「財務省のマインドコントロール」(幻冬舎)の“帯”に躍る文字…。昨日、読み終って、改めて<自信>を深めた。火山は正しい。
「私も、『将来にわたって絶対に増税してはいけない』というつもりはありません。しかし、今、この大震災と原発事故を経たさなか、ましてやデフレで経済が疲弊し国民が苦しんでいる時に『増税』することは、『稀代の愚策』『世界の非常識』だと言っているのです。
また国民に負担を求める前に、まずは『隗より始めよ!』、国会議員や公務員が『我が身を切る改革』を断行すべきでしょう」(江田憲司「財務省のマインドコントロール」・3頁)。
この近著で江田は「財務省やメディアが当たり前のように唱えてきた『常識』『通説』が、実は日本だけで喧伝されている『非常識』『珍説・奇説のたぐい』であることを一つひとつ明らかに(する)」(4頁)と書く。これが「財務省によるマインドコントロール」なのだ。
「橋本龍太郎政権で『大蔵省改革』に取り組んだ当事者…、財務省と正面から闘ってきた政治家として、日本の政治構造の本当の姿を知って」(4頁)いただけると、江田は続ける。橋本政権で前回の「消費増税(3%→5%)の現場にも総理側近として立ち会った江田「今回の民主党政権と財務省による『増税プロセス』がいかに杜撰(ずさん)なものであるか」(4頁)。江田を精読した火山、自分の<仮説>がピッタリ<検証>された気持ち――。
「健保組合、5年連続大幅赤字に」(4月16日)――。「健康保険組合連合会(健保連)は16日、全国1435の健保組合の赤字額が2012年度、5782億円に上る見込みだと発表した。高齢者医療制度がスタートした08年度以来、5年連続の大幅な赤字。保険料率の引き上げで、保険料収入は増加するが、前期高齢者納付金などが財政を圧迫している。健保連は、『12年度からの3年間で、約700万人の団塊世代の前期高齢者入りに伴う納付金が増加し、大幅な赤字傾向はさらに続く』とみている」…ある<大新聞>。鵜呑み、垂れ流しの典型だ。
なぜ、赤字になるのか!「前期高齢者納付金」というが、こんなインチキ負担を「健保連」に押し付け、ノホホンを決め込んでいるのは誰か。<厚労>官僚!この<納付金>!「組合健保」組合員のための<負担>とは言えない。国民年金の<赤字>を厚生年金・共済年金が<負担・穴埋め>しているのと同じ。<発想・仕組み>が、実に<巧妙・悪辣>!
「国民年金納付率、最低に」「若者ら、制度に不信感」(「日経」・5月15日)――。「10年度の納付率は過去最低の59.8%。納付率は1996年度までは80%台。01年度までは70%台を維持していた。厚労省が7月頃発表する11年度納付率は10年度を割り込む公算が大きく、6年連続の低下となる。国民年金は公務員や会社員以外の人が加入。自営業者が中心だったが、最近は非正規労働者の比率が3割まで高まってきた。就職難で正社員になれない若者の間で『保険料を払っても年金は受け取れない』とする不信感が増えている。
この不信感は「クスリの利きすぎ」という説がある。「消費増税は財務省の悲願」。そのために「財政破綻」「年金破綻」を言い過ぎた。それが「税と社会保障の<一体>改革」というマインドコントロールなのだが、実は「百年安心という2004年の年金改革」も既に破綻。
厚労省への不信感、役人支配への不信感が募った。それが「大阪維新」現象でもある。
火山も強烈な不信感を持つ。それが1985年にコッソリ新設された「基礎年金」――。「社会保障制度審議会の委員で共済組合連盟会長だった今井一男は次のように述べている。『制度審の案は最後に大河内会長(一男。東大名誉教授)と私が大平総理と会い、もし社会保障にもノーベル賞があれば、それをもらえる案だと大平君に吹きまくった』(西沢和彦「年金制度は誰のものか」日本経済新聞出版社・10頁)と自慢した<極悪>制度――。
「年金給付に要する費用は14.2兆円(2000年度)。14.2兆円から特別国庫負担を除いた13.7兆円は、国民年金、厚生年金、共済年金の各制度からの拠出金で賄われる。基礎年金給付金への拠出金は基礎年金拠出金と呼ばれる」(56頁)――。ここに“悪辣”なカラクリがある。
各制度の基礎年金拠出金は「拠出金算定対象者」に「比例」して<案分>される。厚生年金制度は「20歳以上60歳未満の第二号被保険者(民間サラリーマン)3089万人に“第三号被保険者(専業主婦)986万人”を加えた4075万人が拠出金算定対象者である。公務員などが加入する共済年金制度も同様の方法で算定され、その数は684万人。一方、国民年金制度の拠出金算定対象者は、第一号被保険者から「保険料未納者および免除者」を除いた1216万人である」(56頁)――。物凄い“カラクリ”を、しっかり見抜いてほしい。
ハッキリ言おう。「国民年金の保険料<未納者><免除者>の激増」のツケは厚生・共済年金に<しわ寄せ>されている。だから「ノーベル賞」!未納激増=「社保庁」時代の<怠慢>(国家的犯罪)が今度は<焼け太り>で「健康保険」にまで及んできた。これが真相!
(平成24年5月23日)
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