断電池亭日乗〜よっちゃんの電池切れ日記

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若菜上その2 <源氏の告白>

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  土佐光起「源氏物語」から
    (これは朝顔の巻の絵ですが)

 

   いみじく忍び入り給へる、おほん寝くたれのさまを、待ち受けて、女君(紫)「さばかりならん」と、心得給へれど、おぼめかしくもてなしておはす。
 なかなか、うちふすべなどし給へらんよりも、心ぐるしく、「など、かくしも、み放と給へらん」と、おぼさるれば、ありしよりも、けに深き契りをのみ、長き世をかけて、きこえ給ふ。かむ(朧)の君の御事、又、もらすべきならねど、いにしへのことも知り給へれば、まほにはあらねど、
「物越しに、はつかなりつる対面など。残りある心地す。いかで、人目とがめあるまじくもて隠して、いま一度も」
とかたらひ聞え給ふ。(紫は)うち笑ひて、
「今めかしくもなりかへる御有様かな。(朧の)昔を(女三の)今に、御身があらため加へ給ふほど、中空なる身のため、くるしく」
とて、さすがに涙ぐみ給へるまみの、いと、らうたげに見ゆるに、
(源)「かう、心やすからぬ御気色こそ、くるしけれ。たゞ、おいらかに引きつみなどして、教へ給へ。隔てあるべくも、ならはし聞えぬを。思はずになりにける御心なれ」
とて、よろづに、御心とり給ふ程に、(朧の件は)なに事も、え残し給へずなりぬめり。(女三)宮の御方にも。(源は)とみにえ渡り給はず、(紫を)こしらへ聞えつゝおはします。
 ひめ君はなにとも思したらぬを、御後見どもぞ、安からずきこえける。煩はしうなど見え給ふ気色ならば、そなた(女三)にも、まして(紫に)、心苦しかるべきを、(女三を)おいらかに美しきもてあそびぐさに思ひ聞え給へり。 


 朧月夜と会って帰ってくる源氏を紫の上が待ち受けていて一切を告白させてしまう場面です。
 ひっそりと帰宅した源氏の憔悴した姿を待ち受けていて、紫の上はだいたいのところは察しがついているのですが気がつかないふり。
 源氏はその様子が嫉妬の言葉よりもっと辛い。
 「物越しにほんのわずかのご対面で、残り惜しい心地です、ぜひもう一度、人目にとがめられないよう、そっと」などと弁解し、これまでよりももっと次の世までかけて、君を愛するからと約束しています。
 「若々しくおなりになったこと、今の恋に昔の恋をさらにお加えになるとは、頼るべき人もないあたしには切なくて・・・」と、こらえてもやはり涙は止まりません。
 源氏はいろいろと機嫌をとるうち、しどろもどろになって一切を告白してしまった様子。
 どう見ても、紫の上のほうが何枚も役者が上のようです。
 女三宮のほうにもお越しにもならず、言いわけの使いを遣わされると、ご本人はなんともお思いでないが、おそばの女房たちが不満を申し上げるので、せめて姫君があっさりしていることに源氏はほっとするのです。

 このあと、紫の上は初めて女三宮と対面し、絵や人形の話などでよろこばせるので、女三宮はすっかり紫の上に打ち解けることとなっていきます。
 紫の上の賢さと人間関係を取り結ぶ人間力の大きさに感心させられる場面です。
 心の中の悩みの大きさに耐えながら前向きに生き、道を開いていく紫の上の姿に、読むものは強く胸うたれます。

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紫の上がいかに素晴らしい女性であるか、
この人をおいてほかにどのような人がいるのだろう!
源氏が彼女の素晴らしさを知っていく過程で、
はや、別れの時が迫ってきて。。
作者の心憎い心理描写ですねぇ〜〜

紫の上も自分の身の上(後ろだてがないこと)をよく知った上で
時分に素直であろうとしますが、やはり精神的に参ってくるのかな?

2009/2/22(日) 午後 3:48 花子

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↑最後の行「時分」は「自分」の誤りです!
ごめんなさい!

2009/2/22(日) 午後 3:50 花子

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花子さん、こんばんわ。今日は紫の上にゆかりの、北山のなにがしの院を探しに京都に行ってきました。素敵な旅になりました。♪京都〜岩倉大雲寺〜、恋に敗れたおじ〜さん、ひとり〜。なーんちゃって・・・。また近日中に記事にいたします、宜しくお願いします!

2009/2/22(日) 午後 10:09 azurite_2727

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北山に行かれたそうですね!
記事、楽しみにまっております〜〜

2009/2/23(月) 午後 4:29 花子

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この時点で、紫上は光源氏の事を夫として考える事をやめてしまったのではないかと、私にはそう思えます。
夫との心の絆はもう完全に切れてしまったと・・・
女三宮に対しても、もう嫉妬の気持ちも無くなってしまったと・・・
光源氏がようやく紫上の存在の大きさに気付いた時、彼女の心は閉ざされてしまったのではないでしょうか。愛し合い求め合いながらもすれ違ってしまった男女の悲劇を感じます。

2009/2/26(木) 午前 10:37 gen*imo*oga*ari*0*

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ううむ、深い読み方ですね。源氏物語の悲劇性が物語の最高潮のときに姿を現したのでしょうか、そして同様の悲劇が繰り返されてゆく、作家自身の心のありようが影を落としてゆくということなのでしょうか?
おおきなうねりを感じさせながら、これからどんな場所に向かうのでしょうか?

2009/2/26(木) 午後 11:52 azurite_2727

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