一枚の株券の向こうに

株式投資を通じて世の中や人生を見つめなおしていけたらなあ・・・と思います。

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インフレが株式投資に与える影響についてウォーレン・バフェット氏が1977年にフォーチュン誌に寄せた記事の続きです。

株式の性質を長期的にみると利率が固定された債券とみなすことが出来るという話の最中です。

(→前回の記事

株式は永久である

現実の世界では、投資家はたいてい、株式を簿価では買うことが出来ないというのもまた真実です。時には簿価よりも下の価格で購入することができることもあります。しかし、普通は簿価以上に支払わなければならず、その結果起きるのは12%という利回りには更に圧力がかかるということです。これらの関係については後でくわしく述べます。
差し当たっては、主要な点に焦点を合わせましょう。インフレが増加する時、株主資本利益率は増加しないという点です。本質的には、株式を購入する者は、まさに債券を買う者と同様に、潜在的にはリターンが固定された証券を受け取っているのです。
もちろん、債券と株式という形態の間には重要な違いがあります。発行された以上、債券はいつか償還を迎えるものです。それには長い時間待たされるかも知れませんが、債券投資家は契約の期間を再交渉することも出来ます。もし現在の、そして将来のインフレ率が古いクーポンを満足いかないものにしてしまうなら、現在提供されているクーポンが興味をそそらない限り、古いクーポンをさらに投資することを拒否することが出来ます。この種のことが近年起こっています。

その反対に、株式は永久です。株式は満期日が永遠に来ることはありません。株式への投資家は米国企業全体がどれほどの利益率を上げようとも資本は縛りつけられたままです。もし米国企業全体が12%の利益率を上げることを運命づけられているとすれば、それが投資家がずっと付き合っていくと知らなければならない水準なのです。
全体として、株式投資家は資金を引き上げることも契約を再交渉することも選択出来ません。全体として、その契約は増え続けています。個人の会社は売却または清算することが出来ますし、法人は自社株の買い戻しを行えます。しかし結局は、新たな株式の発行や留保利益が株式会社というシステム内に固定される株主資本は増加していくであろうことを保証しているのです。

そこで、債券の形態を見てみましょう。債券のクーポンは結局、再交渉されるでしょう。株式の「クーポン」はそうではありません。もちろん、長期的には、多くの補正に必要な12%のクーポンは現れなかったというのは真実です。

債券保有者は現金で受け取る

多種多様な債券の分野と私達の新たな概念である、株券の衣装をまとってウォール街の仮面舞踏会にやって来る、12%の「株式債券」との間には、もう一つ大きな違いがあります。

通常の場合、債券投資家は全てのクーポンを現金で受け取り、それを最大限に再投資することは本人に委ねられます。株式投資家の株式クーポンはそれとは対照的に、企業によって一部は留保され、結果としてどんな利回りが得られることになろうとも、再投資されます。
別の言い方をすれば、企業全体に立ち戻ってみると、年間に得られる12%の利益のうち、一部は配当金として払い出され、その残りは企業世界の中に戻されて、また12%の利回りを得ることになるのです。

古き良き時代

株式のこの特性‐クーポンの一部の再投資‐はその12%の利回りの相対的な魅力度に依って、良いニュースにも悪いニュースにもなり得ます。
1950年代と1960年代の初期には、それはとても良いニュースでした。債券の利回りはたった3〜4%であり、株式クーポンの一部を自動的に12%の利回りで再投資する権利は非常に価値あるものでした。
投資家が単に自分の金を投資すれば12%の利回りが得られた訳ではないことは注記しておきます。この時代の株価は簿価のはるか上を推移していました。そして投資家はプレミアムのついた価格を支払わなければならないことで、企業が総体として得ている本質的利回りを直接引き出すことが出来ませんでした。
額面に対して12%の利回りの債券に額面以上を支払えば、あなた自身が12%の利回りを得る事は出来ないのです。

しかし留保利益に対しては、投資家は12%を得ることが出来たのです。事実上、利益の内部留保は投資家が企業の一部を簿価で買うことを可能にし、そしてそれは(現在の経済環境においてよりも)、簿価以上に価値のある素晴らしい取引でした。

それは現金配当についてはほとんど言うべき所がなく、留保利益については大いに言うべき所がある状況でした。
実際、より多くのお金を12%の利回りで再投資すべきであると投資家が考えれば考えるほど、再投資の特典はより価値があると考えるようになり、そしてその特典に対してより多くを支払っても良いと考えるようになるのです。
1960年代の初め頃、投資家達はこぞって成長領域にあった公共電力事業会社に最大級の高値を支払いたがりました。これらの企業は利益の非常に大きな割合を再投資する能力があることを投資家たちは知った為です。事業環境の為に(訳注:留保利益を有効に再投資できないという意味だと思います)、より大きな現金配当を行なっていた公共事業はより低い株価がつけられていました。

もし、この期間中に、高格付けで、償還期限がなく、12%のクーポンが付いた長期債が存在していたとしたら、額面よりはるかに高い価格で売りに出されていたことでしょう。そしてそれがもし、普通でない特性‐ほとんどのクーポンの支払いが自動的に同様の債券に額面で再投資出来る‐を持っていたとしたら、その発行には更に大きなプレミアムがついて売られたことでしょう。本質的には、利益の大部分を留保する成長株とはまさにそんな証券と同じ働きをしていたのです。株主資本への追加分の再投資利回りが12%の一方で、金利が概ね4%付近の時は、投資家はとても幸せだったことでしょう―そしてもちろん、彼らは幸せな値段を支払っていたのです。

(続く)

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