おはなし工房ばぶの山小屋

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創作童話   猫のかいぎ (第4稿)

◆私の書いた猫のお話しです。
ちょっと怪談ぽくって最後はハッピーエンドの物語です。
お時間のある方はお読みください。

猫のかいぎ

      1.夜の広場
   
ある街の片隅に広場がありました。どこにでもあるような広場ですが、
あなたの暮している街の広場とは一つだけ違っていることがありました。
夜になると街のあちこちから十二匹の猫たちがやってきます。
この広場は『ねこたちのひろば』だったのです。
    2.猫たち
長老の猫が、いの一番にやって来ていつもの場所でくつろぎます。
次々やってくる猫たちにはそれぞれ好きな場所があり、誰がどの場所を
好きなのかお互いよく知っていますから場所争いなど起こりません。
猫たちは毎晩必ずこの場所に集まってはくるのですが
誰かが特別何かを話をするでもなく、話を聞くでもなく、
ほとんど黙ったまま好きな格好で座ったり寝転んだりしていました。
そして一番鶏のコケコッコーォの鳴き声が夜明け前の街に響くと、
それを合図にお家に帰って行きました。
     
      3.大きなお魚 
  
ある日のこと大変不思議な事が起こりました。
この広場の真ん中にとても大きなお皿が一枚でで〜んとありました。
「ああ、こんな大きなお皿いっぱいのごちそうがたべたいなぁ」
みんなそれぞれ自分の好きなご馳走を頭の中でてんこ盛りにして
からっぽのお皿をうっとりと眺めました。とても大きなお皿ですから、
夏ならプール遊びが、冬ならスケート遊びができそうなくらいです。
そしてその次の夜、もっと不思議な事が起こりました。
お皿の上に大きな赤いお魚が一匹
ぐわぁと大きく口を開けてどど〜んと乗っかっていたのです。
皆一斉にわっと飛びつき二十四本の前脚がごちゃごちゃに重なりました。
互いに眼と眼を見合わせると苦笑いしました。
「はなしあい、はなしあい…っと」
「そうだん、そうだん、そうだんしましよう」
「そうしよう」
一番腹ペコのふとっちょ猫が唾をごっくんと呑み込んでひとこと
「たべたい」とつぶやきました。
「ぼくもたべたい」眉間にしわの猫が言いました。
「おれもくいてぇ」とどら猫が言いました。
「わたしもたべたい。」・・・「わいわいわい」「がやがやがや」
猫たちは相手の話など聞こうともしません。
自分のしゃべりたいことだけを自分勝手にしゃべるだけ。
それもそのはずこれまで一度も
『話し合い』とか『相談』とかをしたことがなかったのです。
「しぃ〜い。しずかに。諸君、静かにしようではないか。」
演説好きの長老猫が言いました。
その声をきっかけにどの猫も口をつぐみ見事に黙ったのです。
隣どうし目と目を見つめあいました。
ふとっちょ猫がよだれたらたら
「たべた〜〜い」といいました。
「ぼくもたべたい」
「おれもくいてぇ」
「わたしもたべたい。」・・・「わいわいわい」「がやがやがや」
「しぃ〜い。静かに。諸君、我々は静かにしようではないか。」
みんな黙りました。実に見事に黙りましたが、
今度はどの猫も一匹残らずお皿の上のお魚から目を離しません。
眼力でお魚を自分の方に引き寄せようとにらんでいます。
ふとっちょ猫がぺろりと舌なめずりをしました。
ぺろり
ぺろり
どの猫も舌なめずりしました。
ふとっちょ猫が尻尾の先でお魚を撫でながら
「たべたいなぁ」とぼそっとつぶやきました。
眉間にしわ猫が「ぼくもたべたいなぁ」と
爪を立てずに肉球でさすりながらつぶやきました。
「おれもくいてぇなぁ」
「わたしもたべたいなぁ。」「ぼそぼそぼそ」「ごにょごにょごにょ」
やがてみんなのつぶやきは だだこね声となり
「たべたい、たべたい。がぶりとたべたい」
「ぼくもたべたい、たべたい。あたまからがぶりとたべたい」
「おれもくいてぇ、くいてぇ。しっぽはいやだ。ぜったいいやだ」
「わたしもたべたい。ほっぺをたべたい」
「わいわいわいわい。」
「がやがやがやがや。」
「しぃ〜い。静かに! し・ず・か・に。
諸君、我々は静かにしようではないか。」
「コケコッコォー」
「諸君 一番鶏だ、今夜もう一度集まって相談しよう。」
    
      4.へっていくとふえていく
 
次の夜、いつもの広場にいつもの猫たちが集まりました。
そして昨日と同じように広場の真ん中には大きなお皿が一枚。
そしてそのお皿の上にはぐわぁと大きく口を開けている赤いお魚が一匹。
けれども昨日の夜と違ったことが一つだけありました。
集まった猫は全部で十一匹。ふとっちょ猫の姿が見えません。
「おや、ふとっちょくんたら来ていないねぇ。」
「ほんとうだね」
「どうしたんだろう」
「かぜでもひいたんだろうか」
皆くちぐちに心配しているみたいなことを言いましたが、
本当のところ頭の中は今すぐにでもお魚をたべたい気持ちで一杯でした。
「あたまがたべたい」
「しっぽはいやだ」
「ほっぺ ほっぺ ほっぺがいい」
「わいわいわいわい」
「がやがやがやがや」
「コケコッコォー」
「諸君 一番鶏だ、今夜またもう一度相談しよう。」
次の晩も その次の晩も 猫たちは話をしましたが決まりません。
なぜって、いつまでたっても自分の気持ちだけを
それぞれ勝手に言い張っているだけなのです。
『相談』にも『話し合い』にもなっていません。
これでは何度集まってみたところで話がまとまるわけがありません。
ところが別の不思議なことがじわじわと起っていました。
広場に集まる猫の数が毎晩どんどん減っていきます。
夕べ集まったのは十一匹から二匹減って九匹、
今夜はさらに九匹から三匹減ってたったの六匹。
何度数え直してもやっぱり六匹だけです。
猫たちはみんなして心の中で喜びました。
「ということは…明日は六匹から四匹減って広場に集まるのは二匹だけ。
二匹だけで山分けだ。明日はこの中で誰が来なくなるのだろう。」
猫たちはにやにやするのを我慢しながらちらっとお魚を見ました。
     
      5.もしかして
 
「・・・」
「あれぇ?今夜のお魚」
「なんだか大きさが・・・」
「きのうよりもでっかくなっている!」
「うん、まちがいない」
六匹の猫は眼をシパシパさせたりパチクリしたりして何度もお魚を
見つめ直しました。
「もしかしたらこれは・・・」
「まいばんおれたちのことを・・・」
「おさかながおれたちのことをじゅんばんに・・・」
猫たちは寒気がしておもいっきり毛を逆立てました。
「ぞぉ〜〜」
「ぶるぶるぶる」
「がたがたがた」
「ふがふがふが」
「ぎゃぁ〜〜」
「きゃぁ〜〜」
「おたおたおた」
「おたすけ〜〜ぇえ」
  
    6 だいえんかい
 
まさにその時です。
お魚の口の中からエコーの懸かった大きな歌声が
夜中の広場に響き渡りました。(東京音頭のイントロ)
「♪さぁさ、こりゃこりゃ よいやさのさっさぁ
のめやうたえや おどれやれやまわれや
くったくったが、まだくえるぅ♪」
「♪はぁ、まだくえる。♪」
お皿の周りに恐る恐る近寄って、魚の口の中を覗き込んだ六匹の猫たち。
「あっ、あいつら お魚のお腹の中で」
「食べ放題の大宴会している」
「ちょっとまったぁ〜」
「ぜんぶくうなぁ」
「わたしにもたべさせてぇ」
   
    7.夜明けの広場で
 
「コケコッコォー」
一番鶏が鳴きました。
「コケコッコォー」
しばらくたって二番鶏も鳴きました。
朝日が街を色鮮やかに染め出した時、
「コッケコッコーォオ」三番鶏が鳴きました。
三番鶏の鳴き声が街中に響き渡ったとき、
ピカピカのお皿の上には骨だらけになったお魚と
風船のようにプックリ膨れたお腹の十二匹の猫たちの幸せそうな寝顔が並んでいました。

 

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大震災の記憶を風化させないために

2012/3/11東日本大震災から今日で14か月です。
何がどれだけ復興の歩みを進めているだろう?
世の中の動きを、人々の心のありようを、
そして何より自分自身の心のありかと行動をチェックし、
記憶を風化させないために、
多くの犠牲者の冥福と被災者の心の平安を祈りつつ、自分が今日できることを明らかにしたいと思います。
 
同じ歌でも時代や社会状況の変化の中で歌の意味や言葉の重さが変わるものです。

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がんばれナラの木

あきらめその後も断続的にYou Tubeをチェックしていましたら今日見つけることができました。
音質は今一…今三くらいですがだいたいの雰囲気は伝わります。
この放送が流れてどれほど被災地の人たちや仮設住宅に暮らしている方々が励まされ心丈夫になったことでしょう。

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宮澤賢治・作 「雁の童子」 の朗読をYou Tubeにアップしました。 

この『雁の童子』は静かなお話です。
宮沢賢治が主人公、須利耶圭(すりやけい)の言葉を借りて「命は悲しいものなんだぞ」と悲しく美しい話で語りかけています。
「命に終りのあるものは、そこに美しさがあるだろうな」そんなことを思いながら読んでみました。

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お勧めの朗読作品、伊藤左千夫・作『野菊の墓』をご存知ですか

坪井祐実さんの朗読による『野菊の墓』①〜⑨をお勧めします。
◆今日改めて全編を一気に聴き直しました。
本当にこの作品はいいお話しです。そしてとてもいい朗読です。
何度でも聞きなおしてみたい稀有な作品であり稀有な朗読です。私もこんな朗読ができるようになりたいものです。
私は昭和28年生まれで私の母は昭和2年生まれです。私は小さい時から親や祖父母の時代の苦労話を聞くのが大好きな一風変わった変な少年で、この作品世界の時代背景や社会情勢などがストレートに感じとれる世代の末裔と感じました。
日本人に生まれてよかった。日本語って美しい。作者が書き表した作品世界が美しい。人の心が美しい。
それをそのまんま等身大のままに朗読してくれた坪井祐実さんにこの場をお借りして心から感謝を改めて申し上げます。

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