☆2011.09.13 新幹線と観光 まず日本一を目指そうか
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全線開通して半年たった九州新幹線の恩恵が最も大きいのは鹿児島県だろう。 同県が集計した県内のホテル・旅館66施設の宿泊客総数は、5月に15カ月ぶりに前年同月を上回った後、6、7月は前年同月比20%を超す伸びを記録した。その勢いは8月以降も続いているようだ。 関西や中国地方からの増加が目立ち、山陽・九州新幹線の直通効果が鮮明だ。 鹿児島県は2008年3月に「新幹線効果活用プラン」を作り、県内全域の活性化につなげようと準備を進めてきた。 簡単に言えば「来て、見て、良かった」と思ってもらうための仕掛け、演出を充実していこうというものだ。 そうした下準備も生きたといえる。 好調な鹿児島に他の地域も刺激されている。長崎市と大分市が、坂本竜馬をテーマにして観光の共同PRに取り組む。 1864年、神戸から長崎に向かった竜馬と勝海舟の一行は大分市の佐賀関に上陸、肥後街道を通り、熊本から長崎入りしたという。竜馬にあやかって「観光同盟」を結ぶのだそうだ。 さまざまなアイデアを練り、試みることはいい。大切なのは、その事後評価である。効果があったか、なかったか。何が良くて、何が悪かったか。課題を洗い出して、次につなげることである。 政府は観光を新たな経済成長の柱の一つに掲げる。そして「観光立国」推進のために2008年に観光庁を設置した。 九州では一足早く05年4月、官民一体の組織として「九州観光推進機構」が設立された。九州が一つになって知名度向上や観光客誘致を進めるためだった。 さらに、さかのぼった04年10月、当時の九州・山口経済連合会(現九州経済連合会)が「九州観光戦略」をまとめた。そこには、九州が一体となって取り組むべき49の施策が盛り込まれていた。 戦略は、旅行先として九州の魅力を高め、国内外から人をもっと呼び込むことを目標に掲げた。具体的には、自然、景観を重視した観光地づくり、観光客の満足度向上のために調査と評価を行う「九州版ミシュラン(仮称)」の策定、観光ボランティアの充実などが示された。 そして、観光振興に不可欠な、もう一つの柱として重視されたのが、高速道路や新幹線などの交通基盤整備だった。 さて、待望の九州新幹線が今年3月に全線開通した。この間に九州観光戦略はどこまで実行、実現されたのか。中間評価をするタイミングだろう。実際、九経連でも、その作業が進行中だという。 観光庁ができて、まず手掛けたのが観光統計の整備である。都道府県によって違う基準を統一する必要があったのだ。 観光産業を担う人材育成などにも本腰を入れ始めたところだ。国も手探りのところがある。ならば、見直される九州の戦略では「日本一」を掲げて、その達成のための具体的目標、数字を示してはどうか。九州全県が同じ目標に向けて動きだせば、他に先んじることもできる。
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