初野晴/「千年ジュリエット」/角川書店刊
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初野晴さんの「千年ジュリエット」。 惜しくも普門館出場を逃したハルタとチカは、息つく暇もなく文化祭に突入した。だが、吹奏楽部、 アメリカ民謡部、演劇部と次々に問題が持ち上がり……。大好評青春ミステリ“ハルチカ” シリーズ最新作!(紹介文抜粋) 『退出ゲーム』のハルチカコンビが活躍するシリーズ第四作。今回は青春ものの定番中の定番、 文化祭編です。今回は、なんといっても一作目の『エデンの谷』で新たに登場した女スナフキン こと、山辺真琴のキャラが強烈でした。あの草壁先生でさえ手を焼く程の逸材(?笑)。 草壁先生の曰くありげな過去も知っているようだし、今後もいろいろとかき回してくれそう ですねぇ。音楽の才能は確かみたいですけどね。性格もさることながら、その風貌も個性的。 女性なのに、誰から見てもスナフキンって^^;個人的理由で、いろいろ悟っちゃったのも わかるんですけど、いくらなんでも、風貌まで世捨て人みたいにならなくても^^; でも、彼女のおじいさんからの彼女へのメッセージには脱力しつつウケました(笑)。茶目っ気の あるおじいちゃんだったんですねぇ。でも、もうひとつ、おじいちゃんが彼女の為にしてあげた 粋な計らいには胸がじーんとしました。何より孫娘のことを気にかけていたのでしょうね。 二作目の『失踪ヘビーロッカー』の結末には唖然。タクシーの中でいきなり態度を豹変させた ライオン少年の事情がまさかそんなものだとは・・・^^;;最初は不穏な方向に行くのかと 思ったのですが、ライオン少年が最初の印象通りの子でほっとしました。真相がわかった後の タクシー運ちゃんの反応にあったかい気持ちになりましたね。それだけに、彼の引きこもりの 子供はこのあとどうなるのかなーと、気にかかりました。 三作目の『決闘戯曲』、作中作の真相にも目が点。三世代に亘って決闘に打ち勝って来た真相 がそんなものだとは・・・。っていうか、相手がそれじゃ、決闘する前に文句言って来そう ですけど。完全に反則技なのでは・・・。まぁ、真相は意外性があるし、決闘の条件からも 外れてはいないのだろうとは思うけれども。でも、何か腑に落ちないものも感じました^^;; 最後の表題作『千年ジュリエット』は、一番トリッキー。まんまとしてやられてしまいました。 髪の毛の辺りで、完全に違った方向にミスリードされてしまった^^;三作目の気がかりが、 ここで出てくるとは思わず、驚かされました。さすが、こういう仕掛けは巧いですねぇ。 ジュリエットの秘書たちの結末には胸が塞がる思いがしました。初野さんは、こういう設定 を考えるのがお上手ですね。とても残酷で読むのが辛いところもあるけれど。でも、どうしようも ない現実を描きながらも、必ず最後は絶望ではなく希望を感じさせるラストに繋げるところが 好きです。トモちゃんは、きっとこれからジュリエットの秘書たちの想いを胸に、少しだけ前を 向いて生きて行けるのでしょう。トモちゃんのお父さんが誰かわかった時は、『こう繋がるのか!』 と嬉しくなりました。ちょっと偶然が過ぎる気がしなくもないけど、気になっていた部分だった ので、少しすっきりしました。まだまだお父さんの心配は晴れないだろうけど、今回のことで 一歩前進したのは間違いないでしょうね。 もちろん、今回もハルチカコンビの絶妙なやり取りも楽しめました。チカちゃんはほんとに
面白いキャラだなぁ。可愛い。草壁先生の存在が相変わらずいまいち掴めないままだったのは 残念ですが。先生の過去って何なのかなぁ。気になる。もちろん、三角関係の行方もね。 あまり間を空けずに続きを書いて頂きたいものです。 |



