ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

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雪上着陸、、、

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 民間のヘリコプターの運送事業機が雪の上に着陸するというようなことがそもそも日本の航空法上許されるかどうかと言う根本的な問題があります。

 ドクターヘリは運送事業として飛ぶ航空機なので、相当な安全性が求められるので、果たして雪上に着陸する時、一定の安全性が確保できるかどうかは大変上重要な問題で、ある程度は基準があってしかるべきでしょう。

 これが電力会社の社員が雪深いダムへヘリコプターで点検に行くということなら、社員は関係者であり、しかも飛んでいく先は必ず決まっていて、それなりに着陸場所の整備も出来るのである程度の安全性は確保できるでしょう。

 ドクターヘリはどこへ飛んでいくかわかりませんし、出動が決まってから離陸するまでに5分以内でしかも、どんなに遠くへ飛んでも30分ですから、着陸場所の雪の状態の点検やマーキングの必要性、そして一定以上の深い積雪なら踏み固めないとヘリはひっくり返る恐れがあります。

 私の経験では総重量3トン以上のヘリが、50センチ以上の積雪であらかじめ踏み固めてないところでは着陸は出来てもエンジンを止めることは出来ないと思います。

 ということで冬の間、北海道はじめ、東北地方、中国地方以北の日本海側ではドクターヘリの着陸する場所が大幅に制限され、雪のない季節とは大きく違った運用を考える必要があります。

 特にドクターヘリを受け入れる各市町村では、早朝からなされる主要道路の除雪作業にあわせてドクターヘリが着陸するヘリポートを定期的に毎日除雪する必要があります。

 出動要請がかかってからでは除雪作業が間に合わないことが普通ですから、これは当然ですが取り決めとして毎日なされる必要があります。

 除雪作業が定期的になされていていて、ヘリコプターが着陸することが出来ても、救急車が進入でき、さらにストレッチャーが転がるようにしておく必要もありますから相当大変な作業となるでしょう。

 ということで冬季間は雪のない時期と違って、心肺停止の患者さんがいても、その直近に着陸することは大変困難となります。

 また凍結の恐れがある場合には少しの傾斜でもヘリが滑り出すと大変危険な状態となり、雪も硬すぎては危険と言う事態も起こりうることとなります。

 このような状況と対応の仕方は相当な経験がないとあらかじめ決めたり、地元消防の協力を得たりするのはなかなか意思疎通がうまく行かず、それが直ちに大きな危険に結びつく恐れがあります。

 今年は日本国中、大変な暖冬で春のような陽気ですから今のところあまり雪の心配はないようですが、いきなり1級の寒気団が来る可能性もあり、雪の中の運用には細心の注意が必要となります。

 過去には雪に絡んだヘリコプターの事故は大変多く発生していて、そのひとつひとつが大変良い教訓を含んでいますので、同じような間違いは繰り返さないように良く研究するべきでしょう。

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