「総裁就任時になぜ解約せず、批判は謙虚に受け止め、地位に固執しないが職責は全う」――――福井日銀総裁が日本記者クラブで村上ファンド資金拠出問題釈明
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福井俊彦日銀総裁は6月20日、日本記者クラブでの昼食講演会で、「最近の金融経済情勢と金融政策運営」というテーマで、内外のマーケットや金融関係者が強い関心を持つゼロ金利政策解除に絡む問題に関して、講演するはずだった。ところが、福井総裁の「村上ファンド」への資金拠出問題を巡っての日銀総裁としての規律、さらには今後の政策運営への影響などに100人を超すメディアの関心が集まり、日頃は毅然とした態度で金融政策を語る福井総裁もひたすら釈明に追われた。 この昼食講演会は、日本記者クラブが、その時々のニュースバリューのある著名なゲストスピーカーを招き、昼食を交えて講演を聞いたあと、質疑応答をするもの。 「総裁就任時にもっと慎重に対応していれば、違った結論になっていた」福井総裁は、最近の金融政策運営に関するスピーチに入る前に、会場の雰囲気を察知したこともあろうが、あらかじめ心に決めていたようで、冒頭、「お許しをいただけるならば、最初に、今回の村上ファンドへの資金拠出問題について、少しお話ししたい」とし、次のように述べた。「村上ファンドへの資金拠出に関して、大変、世の中をお騒がせして申し訳ない。私が2003年に日銀総裁に就任時に、なぜ、取り止めなかったのか、というご批判については、振り返ってみれば、ご批判はごもっともなことだ。当時、拠出を続けたことは日銀のコンプライアンス上、問題なかったが、世の中をお騒がせしていることは本意でない。就任時に、もっと慎重に対応していれば、違った結論になっていた。真摯に深く反省している」 「ただ、資金拠出自体は、利益獲得のためではない。それは本心だ。利益が出る場合、皆さまに納得してもらえる利益処分を検討する」 「保有株については、売買しておらず、また日銀のコンプライアンス・ルールにも反していないが、私自身、今、重く受け止めている」 「今回は、職務の公正さが問われている。日銀幹部が金融資産をどういう形で保有しているか、それを開示する場合、どういうふうにやればいいか、また個人の財産権とプライバシーをどう解決すればいいか、日銀内部に特別検討会議を組織した。本日以降、精力的に取り組みたい」 「私としては、さまざまなご批判をしっかり受け止め、そのうえで職責を全うしたい」 福井総裁はこう述べたあと、本来の講演テーマである金融政策運営について、約30分ほど話した。この段階になると、本来の福井総裁に戻って、メリハリをつけた話ぶりとなった。 しかし、終わったあとの質疑で、日本記者クラブの幹事の1人が代表質問という形で、再び福井総裁の「村上ファンド」への資金拠出に関連して、「なぜ、総裁就任時に適切に処分しなかったのか、疑問が残るので、再度、お答え願いたい」と質問した。 福井総裁はその点に関して、以下のように釈明した。 「90年代の最後の頃、日本社会全体が閉塞状況に陥り、若い世代が尻ごみするところがあった。私としては、村上氏のみならず若い人たちが閉塞状況を打破するため、勇気をもって突破口を開く役割を果たしてほしかった。その頃、村上氏が旧通産省を飛び出し独立する動きがあったので、当時、私がいた研究所(富士通総研)としても、支援してあげようということにした」 「私の総裁就任時は、デフレスパイラルに陥らないようにしようにも、前向きに出てくる状況になかった。企業も債務や設備など3つの過剰を抱えていた。そこへイラク戦争が起こり、一方で、金融不安も続いていた。その時に、若い人への支援の心を断つことは出来なかった」 「村上氏の投資行動が当初の志から外れていたこと、予見できる状況になかった」「総裁に就任してからは(会うことも少なく)村上氏の志と行動を確かめたりチェックすることは出来なかった。ただ、村上氏(の投資行動など)が市場からチェックを受け、評価を下されるだろうと考えた」「投資ファンドについては一任勘定であり、日銀のルールに沿って、許されることだと思っていた」 「村上氏の投資行動が、当初の志から外れ、しかもルール違反していることについては、予見できる状況でなかった。ただ、その点は、私の不明を恥じる」 また、代表質問者は、「会場から厳しい質問が来ているので、紹介する。日銀総裁を辞任すべきだ、という声があるがどう思うかと」 これに対して、福井総裁は「厳しいご批判は謙虚に、そして率直に受け止める。その上で、私としては職責を全うしたい。いまの立場に固執しているわけではない。しかし、私自身の(金融政策に取り組む)努力を買っていただきたい」 このあと、金融政策運営に関する質問がいくつか続いたが、会場のメディアから、再び、「村上ファンド」への日銀総裁という立場での資金拠出問題の是非について、質問が出た。 まず、「日銀総裁には最高の潔癖性が求められる。重ねて、なぜ、総裁就任時にフリーズしなかったのか」という質問が出た。 これについて、福井総裁は「振り返ってみれば、大きな反省事項であり、自らの不明を恥じる。若い者を支援するということを断ち切れなかったところに反省がある。ただ、私自身、ファンドの一任勘定には自分の裁量が及ばないので、とくに問題ないかと思った」と述べた。 「日銀の政策決定が政治に影響されたり左右されることはない」また、別のメディアから「野党の日銀総裁辞任要求に対して、与党側は、その必要がないとしているが、日銀総裁は、与党に借りをつくった、との声もある。総裁に対する信任が薄れれば、マーケットに金融政策メッセージがうまく伝わらなくなる心配が出てくるのでないか」という質問が出た。これに対して、福井総裁は、「日銀の政策決定や政策決定プロセスで政治に影響を受けるということはないし、左右されることはない。今年3月の量的緩和政策解除の時も同じだった」 また、外国メディアから「グローバルスタンダードでも中央銀行総裁が規律を重んじられているが、どう受け止めるか。またファンドで利益が出た場合、チャリティーに寄付するということも考えられるか」という質問に対して、福井総裁は「私としては、規律を重んじながら行動する。ぜひ、みなさんが厳しくウォッチしていただきたい。利益が出た場合については、自分の利益のために使うことはない。チャリティーに寄付することも1つの方法だ、と思っている」 福井総裁のファンド資金保有残高は05年末で2231万円――日銀が公表質疑の中で、福井総裁は、ファンドの利益がどれぐらい出たのかという質問に対して「このあと国会で資料提出し、夕方(20日夕方)には別途、記者会見するつもりだ」と述べたが、この日本記者クラブでの昼食講演会後に国会に報告し、同時に日銀が公表した2005年末時点でのファンド資金の保有残高は2231万円だった。日銀の公表数字によると、元本が1000万円、純利益が562万円、評価益が669万円、という。 福井総裁は公表後の20日夕方の記者会見で、責任をとり総裁の報酬について、今後6ヶ月間、30%カットを行なう、と述べると同時に「村上氏の志が結果として、当初のものからずれていたという実感が、この利益数字で裏付けられるかもしれない」と述べた。 また、福井総裁が総裁就任前の富士通総研理事長時代に、民間企業の社外取締役に就任した際、株式を保有していたことを国会答弁などで答えているが、20日夕方の記者会見で、商船三井、キッコーマン、富士通、三井不動産、新日本製鉄の株式を保有していたことを明らかにした。ただ、福井総裁は、総裁就任後も一切売買せず事実上の凍結状態にしていたことを明らかにした。 これが、6月20日の福井日銀総裁の「村上ファンド」への資金拠出問題を巡るメディアとのやりとりの全てだ。 福井総裁の日頃の人柄や見識を知る多くの人たちは、当初の資金拠出動機が志への支援と理解しても、この20日の日本記者クラブでのメディアとのやりとりに見られるように、日銀総裁就任時にファンドを解約しなかった脇の甘さ、今後の金融政策正常化への大詰めの局面での問題表面化に「まずい」と思ったのは間違いない。 福井総裁が引責辞任する必要はないが、市場の「信任」回復がカギ私は、福井総裁自身に今回の問題で問われるところが多いものの、福井総裁がこれまで金融政策運営で果たした役割、今後、ゼロ金利解除を含め金融政策の正常化という日銀にとってのみならず、日本にとっても「失われた10年」に区切りをつける重要局面で福井総裁が担うべき役割の大きさを考えると、引き続き日銀総裁の職にとどまって責任を全うすることが必要だ、と考える。そればかりでない。ここで、仮にも日銀総裁が身を律して引責辞任という決断を下した場合の市場リスクは計り知れない大きさがある。今は、そのリスクを冒すべきでない。 しかし、今回の問題で、内外の金融市場で生じた福井総裁に対する「信任」の欠如のようなものがどこまで広がりのあるものなのか、その見極めは極めて重要だ。 それに、庶民論議も無視できない問題だ。今回の場合、日銀がデフレ脱却のために量的緩和策を実施して金利生活者の高齢者らに不自由を強いていたにもかかわらず、日銀の最高責任者が1000万円の投資行為で結果的に2231万円の資金残高になったこと、しかも志の問題は十分に理解ができるにしても、結果として、ヘッジファンド的な村上ファンドをサポートしたのでないかという批判に対して、何とも答えにくい点が、市場の「信任」を微妙に揺るがす結果ともなっている。 金融市場は、日銀の金融政策運営に関して、日銀に「信任」を与え、あとは日銀との「市場対話」を通じて行動している。しかし、ひとたびその「信任」の基盤が揺らいでくると、金融政策の意図が市場に伝わらないリスクも出てくる。 その意味で、福井総裁が金融政策決定会合の議長役の立場でもあり、今後の金融政策運営面で、審議委員らの合議制で決めた金融政策判断を市場に対して、どのように適切に伝えていくか、それが「市場との対話」にうまく結びついていくか、まさに今後の福井総裁の言動にかかっている。(牧野 義司) |






さすが、牧野さん。あの注目の会見に出ておられたのですね。私は傍聴できなかったので、大変興味深く拝読しました。すごくタイムリーなだけでなく、「福井バッシング」に流されず、冷静に雰囲気をお伝えです。 ただ、福井総裁には、「なぜ、今年2月になって解約を申し入れたのか」という疑問にも答えてほしかった。これまで説明している「阪神問題」は昨年秋のこと。むしろ、量的緩和の決定が秒読み段階、つまり、株式相場の下落が予想される時期の解約というのが、自己の利益の保全を狙ったと受け止られているのだから。(町田徹)
2006/6/21(水) 午前 7:55 [ te2*ach*da ]
立場上疑われる行動を控えて蓄財していたらいいのではないでしょうか?庶民の金銭感覚より所得があっても蓄財に奔走するのでしょうかね?法律的には正当でも、やはり私たちが誇れる人材であって欲しいです。
2008/7/1(火) 午後 9:14
ありがとう富士通、1億円の義援金〔大地震〕
富士通は13日、東日本大震災の被災者に1億円の義援金を寄付することを決めた。
ありがとう商船三井 自衛隊員輸送に民間フェリー4隻提供2011年3月13日
商船三井は13日、グループ会社の商船三井フェリーが保有する「さんふらわあ さっぽろ」などフェリー計4隻を、自衛隊の輸送活動に提供すると発表した。当面は、北海道苫小牧港から青森港に緊急車両と隊員を運ぶ。
被災者救援資金として義援金計5千万円の拠出も決めた。
2011/3/13(日) 午後 9:29 [ パチンコ全廃すべき ]