イラン問題解決に向けた新構想
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外交、安全保障の分析は、現状分析に終始したものがほとんどである。しかし、国際社会が期待しているのは、現状分析のみならず、歴史の潮流を掴み現状を分析し、未来に向けた明確な平和のためのビジョンである。膠着した現状を打開し、当事国、地域のみならず、外交交渉に関わるすべての国が恩恵を享受できる新構想でなければ、国際社会のコンセンサスは得られないと考察される。 ブッシュ政権は過去6年間、一貫してイランの核開発に立ち向かってきた。しかし、ブッシュ政権のイランとの直接交渉を回避してきた戦略が、結果的には、イランの核保有への野心を高揚させているのみならず、イランの核開発を推進させる構図になっている。イランの核疑惑施設への軍事攻撃も現実味を帯びている状況の中、バグダッドで米国がイラン、シリアと同席し、国連常任理事国、EUの参加のもとでイラク国際会議が開催された。作業部会も行なわれることになり建設的な会議だったとの報道がなされている。 ベトナム戦争や現在のイラク戦争の教訓から、米国が分断された状況の中での現状維持政策は、不安定要因を増し、好まざる結果を招くと考えられる。ブッシュ政権は、イランへの直接交渉を回避し、国連安保理を通じた交渉に委ねてきた。この政策では、イランの核開発と核開発の断念との費用対効果を転換させることは期待できない。 イランの反体制派や改革主義者に協力し、イラン内部への干渉を強化することで保守強硬派の勢力を緩和させる。イランは急激な人口増加により、若年層の割合が高く、民主主義や実利主義への潜在性は高い。しかし、仮に強硬派、実利主義派、改革派の対立の中、現体制の変換が達成されても、イランが核兵器の野心を放棄する保証はない。加えて、米国の干渉は、裏目に出て反米勢力が増す可能性もある。 ペルシャ湾に配置された空母からの軍事攻撃が仮に成功しても、その影響並びにその後の対策は未知数である。イラン空軍の攻撃を受けることはないが、イラクにおいてイランが支援するシーア派の地上軍による米軍への攻撃、イランの国際テロ組織を通じた報復が予測される。イランの核施設が破壊されても、イランのエンジニアが持つ専門技術は継承される。軍事的攻撃が逆効果となり、イランの核開発を加速される可能性もある。ホルムズ海峡の封鎖などで、石油価格が一時的に100ドルを越えることも考えられ世界経済に与える影響は深刻である。 大局的交渉は、New American Foundation(ワシントンのリベラルなシンクタンク)のフュリン・レベット氏により提唱されている。核問題に関する外交的解決のためには、ワシントンとテヘランの効果的な和解を前提とする米国・イラン関係の再構築が重要である。具体的には、米国によるイランへの安全保障の保証を前提にイランが核開発を放棄するとの交渉である。 米国のイランへの経済制裁の解除、イランとの外交樹立、イランの世界貿易機構への加盟、海外投資の振興などが必要となる。イランは、核開発の放棄のみならずテロ組織への支援を辞め、人権問題などを解決する必要がある。現在、ブッシュ大統領とアフマディネジャド大統領が、このような極端なイメージチェンジを行なうとは考えられない。 膠着状態を打開するためには、強制だけではだめで、また刺激策だけではイランの行動に決定的な影響を及ぼすことはできない。大局的交渉と比較し、封じ込め建設的関与政策は、国際社会との協調による効果的な封じ込め政策と、経済、政治、安全保障の刺激策としての建設的関与を交錯させた交渉を進めることにある。 1.イランの核開発を永久に中止させる。 2.厳密な監視の下で、イラン国内の一部の核濃縮を認める。 3.イランが参加する多国間の核濃縮施設を作る。 4.国際的監視の下でイランへ核燃料を供給する。 中野 有(なかの・たもつ) Nakano Associates シンクタンカー、非政府個人(NGI)。国連機関(国連工業開発機構)、シンクタンク (ブルッキングス研究所、東西センター)、大学(ジョージワシントン大学、アメリカン大学)、日本企業の勤務経験を経て、現在、ワシントンと京都を拠点とするシンクタンカー。中東・アフリカ5年、ヨーロッパ5年、アメリカ6年生活。 |

ロシアでさえ民生用原発への燃料供給を渋るような状況において、「封じ込め建設的関与政策」などが機能するとは思えません。現在の欧米(日本も)の対応はイランに言い訳の余地を与えるだけです。そもそもアメリカはイランが敵だから核問題でも強硬なだけで、万が一仮にイランがアメリカと普通に話す国になることがあれば、そのようなことは言わなくなるでしょう。イランとアメリカの間の直接かつ継続的な対話が必要です。
2007/3/14(水) 午後 5:51
テロが、テロが、と騒がれますが、問題なのはエネルギー権益を貪りたいアメリカが中東に居座っているのが原因だと思いますね。 核兵器の問題は世界の問題ですが、まず核保有国が核兵器を捨てなければ、解決しないでしょう。現在の核保有国もいざとなったら使用する目的で保有しているんでしょうから。そして核兵器を使用した唯一の国は、今日本が一番信用しているアメリカですから。
2007/3/15(木) 午後 6:32