今月のご挨拶

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12月・1月の挨拶:わかっている、それでも生きて行く

12月は急激に体調が悪化したものの、年末年始は病院も閉まっていたので考えられる原因をネットで調べつつ何度か研究室に行き片付けをしました。
体調不良の原因は別記事に書いたように子宮筋腫が主要因と考えられますが、医師から示唆された悪性化の可能性は年明けの受診前から予想していました。
その場合は最短2年くらいで死ぬし、良性の場合でも手術にはなる可能性は考えていたので、研究室を整理するために無理を承知で出掛けました。

鬱の原因

私が特に片付けたかったのはアカハラ教授が退官時に残したガラクタです。
私の研究室には1)劣化した器具、2)部品の揃っていない機器、3)由来の分からない試薬、4)実験プロトコールのファイル、5)存在が確認出来ていないサンプル一覧のファイルなどが大量に残っています。
私は現職場に来てから何年も教授の罵倒に耐え、教授の学生に対する迷惑行為と戦ってきました。
夜逃げ同然で研究室を分けてからは他の教授達の退職勧告に耐え、6年前に講師になった翌年から院生指導が出来るようになったので、やっと研究室が軌道に乗ってきたところでした。

しかしアカハラ教授が退官した2015年から研究室の撤収が終わった2016年まで、私が片付けを担当する事になり、教授から再び激しい嫌がらせを受けて鬱病に追い込まれました(今まで鬱病の原因について書く気にならなかったのですが、黙ったまま死ぬのも無念なので今回の記事で少し触れます)。
一番の嫌がらせはガラクタではないのですが、ガラクタを見る度にトラウマが蘇って精神的にやられています。
ここ2年、少しでも精神が耐えられる限りは片付けを続けていて、年末年始は4)5)を整理しました。これらのファイルは夜逃げをした時に教授から「オマエのせいで何がどこにあるか分からなくなった」と責められて、昼は研究室の立ち上げをして夜は教授の研究室で資料とサンプルの整理をして作成したものです。
当時は過労が祟って高熱と肺炎で2度倒れ、その間も教授の罵倒は続いたので、2度目は呼吸器科の医師が「これ以上働いたら命に関わります」と診断書を書いて、「これを教授にFAXしなさい」と指示されたほどです。
http://blogs.yahoo.co.jp/bloom_komichi/10202061.html

今でも私の肺にはひきつれが残っていて人間ドッグの度に注意されますが、命を削って作成した資料はホコリを被って紫外線で焼けたファイルになって戻って来ました。
資料が利用されていたとは思えず、実際、教授はその後も1本も論文を書かずに退官したので、ただの嫌がらせだったと思います。
本棚2段分くらいのファイルを仕分けながら「自分は社会に出てからずっと”今年が勝負だ”と思いながら何十年も頑張って来て、やっと自分の研究室も持てるようになったのに、最後は教授のゴミの整理をしながら病気で死ぬのかも知れない」と思ったら、涙が止まりませんでした。
でも手を止めると研究が遅れるので、膨れたお腹に喘ぎながら泣きながら片付けを続けました。

研究への執着

泣きながらも2年で論文が何本書けるのか、リバイスがかかった時に誰を頼るのか、死んだ後のサンプルの譲渡先なども考えました。
私は家族関係で思い残す事はありません。
3人娘のこれからの成長を見られなくなるのも無念ですが、3人が生きていくのに必要な事はほとんど教えたし、愛らしく育っていると思うし、お互いを支え合って活躍する事は確信しています。
相棒とも十分に愛し合ったとは思います。

でも研究に関しては全くやりきった感じがしません。
今のテーマはこの先もっと面白くなって、多くの研究者の概念を変えるところまで出来るのではないかと思っているので、ここで論文を出さずに死ぬのは無念です。
ドラマの余命宣告のシーンでは「残された時間を家族と」と勧められますが、私は万一の場合は家族との時間が減っても(怒られそうですが)研究を続けて死にたいです。

研究は裏切らない

一気に動く気力が落ちたため年末年始は大したイベントも無く、父親に近況報告をしたくらいです。
私は両親とは精神的に縁を切っているのですが、両親は親ヅラをして「最近の仕事はどうだ?」などと聞いてきます。

今回は教授の嫌がらせで研究が滞っていた話などしましたが、父(物理系の研究者)は今回も「被害妄想じゃないのか?」みたいな役に立たないコメントでした。
「そこについて議論する気は無いし、辛くても研究は続けるしかないので、これ以上話す事は無い」と切り上げようとしたら「なぜそこまで研究にこだわるのか?」と言われました。
私「人間は成果を横取りしたり責任を押しつけたりするけれど、研究は裏切らないから」
父「研究は報われない事も多いぞ」「人は助けてくれるぞ」
私「人の心は家族でさえ移ろうものだけど、科学的な客観性は移ろわないから信じられる」「お父さんは私がポジション探しで苦労しながら離婚問題に直面している時に”男と女は違うのだからお前が諦めれば丸くおさまる”と言ったけど、私は研究を取り上げられたら死ぬ覚悟で続けている」

そうやり取りをして、そうか・・だから自分は研究に人生を捧げても良いと思っているのだと再確認しました。
子供時代から孤独感や劣等感に苦しんできた自分は、私生活でも紆余曲折があり、社会に出てからもでも辛い事が多いです。
それでも研究だけは裏切らないと信じて泥をすすってここまで来たので、研究を失ったら狂ってしまうかも知れません。
また、他人とつながりを持ちたいという願いも捨てる事が出来ないので、研究は信頼出来る人を選別し、真理探究への情熱で他人とつながる手段なのだと思います。

泣いても笑っても生きる限りは研究を続ける

その後手術が決まり、周囲に結構心配されるのですが、微笑み鬱の自分はいつも通り「中年太りだと思っていたらマジヤバいのよ」などと笑い話にしています。
そうしないと家族も学生も心配するだろうし、笑っているうちに自分でもどれくらい苦しいのか分からなくなっています。
私は企業では「機会均等法だから渋々採用した」と恩を売られ、修士の面接では「女の子が今さら何しに来たの?」と教授達に呆れられ、博士では「子持ちの院生など指導したくない」と言われ、最初のポスドクでは「女のくせに生意気」と解雇されかかり、2回目のポスドクでは受け入れ先から誘われた訳ではなく一般選考で潜り込み、今の職場では「公募が流れるとまずいから採用しただけ」と歓迎会も開かれなかったので、死ぬまでに一度くらい「アナタに来て欲しかった」と言われたいと願っていました。

でも、今の職場に残る限りはそれは期待出来ないし、そんな気持ちに悶々とするうちに病魔に倒れるかも知れません。
周囲から疎まれても生きていかなくてはならない事は分かっているし、生き延びて研究を続ける事を願っている事も十分自覚しました。
手術が無事に終わっても、そうでなくても、なるべく早く仕事に復帰したいです。
http://x8.tsunokakushi.com/bin/ll?116390700

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