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1990年代以降・欧米の雇用増加と経済発展の主動力は知識経済

 我国では、1990年代以降の世界経済発展は、情報通信技術発展と金融イノベーションが推進してきたと論じられてきたし、今でもその主張がマスコミ報道の主流となっているかの感がある。
 
確かにパソコンや携帯電話・情報家電等の発展は目覚しいが、これ等の製品は従来の重化学工業製品の延長であり情報経済の製品なので、知識経済との区別を明確にすべきである。
 
『ニュー・エコノミーの研究―21世紀型経済成長とは何か』は、知識経済と情報経済の区別を明確に行い、2000年に起きたITバブル破裂を検証し、 
 
破裂の原因は金融イノベーションの暴走がもたらしたものであると断じ、2008年のリーマン・ブラザースの破綻に端を発する現在の経済不振も予想している。
 
一方金融のグローバル化の現実に対応しながら、情報通信技術発展に参加しながら・金融イノベーションと称する経済活動とは一線を画し、
 
堅実な経済の発展・完全雇用をほぼ達成をさせている国々がある。 
 
その国々は、北欧のフィンランド、スウェーデン、デンマークであり、知識経済が経済発展の主役になっている。
 
世界のグローバル企業や経済研究機関は全て、毎年発行される世界各国の経済パフォーマンスの分析数値・『IMD WORLD COMPETITIVENESS YEARBOOK』に注目している。
 
この YEARBOOK』の2003年版が、「国の経済競争力の基本項目とは何か」について解説している。
 
その解説によると、1990年代以降にブレイン(頭脳)集団の役割が極めて増大し、世界はブレイン競争の時代に突入している、
 
即ちブレイン(頭脳)集団の質と量が一国の経済成長・雇用を左右し始めていると分析している。
 
IMD YEARBOOK』が採用している用語のブレイン(養成)競争(brain competition)とは知識経済のことである。
 
 知識経済は北欧諸国だけでなく、ニュー・エコノミーの用語を世界に広めたアメリカやアングロサクソン諸国でも育っている。
 
ただ金融イノベーションの影響が大きかったアングロサクソン諸国では、ITバブル破裂やリーマン・ブラザースの破綻後の経済不振の影響が大きいだけである。
 
 ところが情報経済と知識経済の区別が出来ていない・したくない我国には、知識経済が育っていない。
 
その原因と今後の展望・解決策を、『ニュー・エコノミーの研究―21世紀型経済成長とは何か』を読みながら探っていきたい。

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