読書ノート
不気味で曖昧な微かな記憶
高橋克彦『緋い記憶』
文春文庫 1994年10月刊 (単行本1991年10月刊)
「記憶」は不思議で、時に不気味ですらある。
そんな記憶の不思議さをテーマにした7編からなるホラー小説集である。
著者はこの作品で直木賞を受賞している。
「緋い記憶」 盛岡市の古い住宅地図を見ていて「あの家」がないことに気づく。
「あの家」を探し求めて旧友に会い、ある広場へとたどり着く。心の奥深くに潜ん
でいた記憶が薄皮を剥ぐように思い出されていく。
「あの家」で出会った「あの娘」はどこにいった。
「あの家」で最後に見た光景を思い出した。惨殺された祖父と少女、しかし
殺人事件として取り上げられることは無かった。
事件は実在していた。それは自分が生まれ
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