ヨーロッパご飯作り日記 in ベルギー

エリザベスコン。成田さん、すごーーい!ぱがにぃにぃぃぃ。

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2011年1月18日

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孤独の城のお姫様

寒くなっている日本と比べて、なんだか気温のあがっているヨーロッパ。
ダウンじゃなくて普通のコートでいいので、歩くのもラクちんです。
気温って生活に影響大ですねぇ。

さて。今日のお話は、ベルギー娘Aちゃんとその母のお話。
なんだか、考えさせられちゃったので、書いておくことにする・・・。

Aちゃんはブリュッセルに暮らすアラサー勤労女子。
実家はベルギーの地方都市で、ブリュッセルからだと小2時間かかるので、1人暮らしをしている。
そのAちゃん、

「実家のお母さんとうまくいっていない」

という。

「どうして毎週、帰ってこないの? ずっと実家にいればいいじゃないの!
お友達の○○ちゃんなんて、しょっちゅう実家に帰ってきていて・・・うんぬんかんぬん」

と責められるのだそうだ。
Aちゃんも仕事があるし、友達もいる。毎週末、家に帰るのは疲れる・・・というとお母さんはブチ切れちゃうらしい。
母娘はますます険悪になる。

・・・要するに子離れできてないんだな、とワタクシは思いました。あるわよね。日本でも。

で、お母さん、最近は心理カウンセラーにかかっている。そのカウンセラーは仰った。

全ての子供が親を愛するわけではない。それは義務ではないんですよ

ふひゃー。ずばっと言うねぇ。
まぁ要するに、子供も1つの人格であると認めろってことでしょうな。

友人「田舎の3ベッドルームもある大きな家に1人きりなのよ。そりゃ寂しいとは思う」

お母さんはまだ60歳で若い。
でも、お仕事もやめていて、何をするでもなく家に1人でいるそうな。
(Aちゃんにお父さんはいない。離婚は死別かは知らない)。
そりゃもてあますだろうね。

わたし「たとえば、お母さんが実家を売って、ブリュッセルかその近くに住めば、しょっちゅう行き来できないかな? 
都会のほうが、お母さんも趣味をもったりとか、出来るかもしれないし・・・」

友人「ひゃーーーーっ!!ありえない!

・・・なんで? 

なんでも、Aちゃん母、家への執着が一通りじゃないらしい。

別に歴史的な家とか、文化財の家とかそういうんじゃないの。
ふつーの家だよ。
でも、それはAちゃん母が45歳のときに購入したドリームハウス(Aちゃん母にとってね)
全ての部屋をきれいに磨き上げ、Aちゃん母の好きなもので埋め尽くし・・・。

「要するに、彼女にとっては家が全てなのよ」

なんでも、Aちゃんには「私が死んでもこの家は売らないと約束して!」と迫っているらしい。
さらに、むかしAちゃんが彼氏を紹介したら、Aちゃん母は

「あなた、私の娘と結婚したいの? 
それ(結婚)はいいけど、結婚するつもりなら、この家には手を出さないと、契約書を書いて頂戴!」

彼氏、ドン引き・・・

だいたい、ただのボーイフレンドで、まだ結婚とか何とかそういう話は出てなかったのよ。

かくして、その母の夢の城が、Aちゃんにとっては重荷となってのしかかる・・・

ここで私、フト疑問に思いまシタ。

「ベルギーの人ってそんなに家に執着するの?」

友人 「違うよ、(Aちゃん母は)ポーランド人だよ」

あ、国際結婚なのか。
お父さんがベルギー人で、Aちゃん母は結婚とともにベルギーにきたのでAちゃんはベルギー生まれのベルギー育ちなのだね。

なんでも、Aちゃん母が子供のころを過ごしたポーランドの実家は、せまいアパート。
一室に家族がぎゅうぎゅうになって暮らすような環境だったらしい。
(共産の時代だよね)

これを聞いて、あぁ〜、そうなのか・・・と思った。
なんか少し分かったような気がする。

きっと、自分1人になることもできない住環境のなかで、少女時代のAちゃん母は、素敵な家に住んで、自分の好きなようなインテリアを入れて暮らすことを夢みていたんじゃないか。

憧れの自分だけのお城

それはベルギーに来てもすぐには得られなかった。
一生懸命働いて、ようやく45歳で実現。
それはそれはうれしかったに違いない。

でも、子供は巣立ってしまい、知り合いはいても友達は少なく、ペットも飼わず(家が汚れるからだろうね)、お城にはAちゃん母が1人だけ。寂しくて仕方ない生活。

それでも、家には執着し続ける。

なんだか切ないなぁ・・・。

むかし冬ソナで言っていたっけ。理想の家は?と聞かれたヒロインが

形としての家はどっちでもいいんです。好きな人の心が一番の家だから」。

むべなるかな。
いくらゴージャスな家にいても、自分が不幸ではどうしようもないではないの。

執着というのは、若いころのトラウマやコンプレックスをかくも強烈に反映するんだなぁ。
そういえばうちの祖母はボケたあと、やたら食べ物(おはぎとか)に執着していたっけ。
戦争で食べ物に困った経験がそうさせたんだろう。

「執着が強すぎる人はなかなか成仏できんのよ」

とうちの母が言っていた。
Aちゃん母の場合、成仏どころか、現世でも幸せを逃してしまうのかもしれない。


Aちゃん母の考え方ひとつで、ものごとは幸せなほうに行くように見えるけれど、本人にとっては、そう簡単ではないのだろう。
Aちゃん母の心の問題なのだ。

何かに執着することなく、潔い人生を送りたいと私は自分の人生に関して思っているけれど(仏教的?)、なかなか人間、そうはいかないのかもしれない。

なんだか考えさせられちゃったのだった。


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