移民と相撲
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大相撲の初場所で、欧州のバルト海に面するエストニア出身の大関把瑠都が初優勝した。千秋楽に横綱白鵬に敗れて全勝優勝は逃したが、14勝は立派な数字。初場所の幕内力士は42人。国籍は日本に加えて、モンゴル7人、ブルガリアとグルジアが各2人、エストニア、ロシア、チェコ、ブラジルが各1人と多彩だ。
以前はアメリカ出身の力士が強かった。最初に人気者になったのは高見山だが、大関になった小錦、横綱になった曙、武蔵丸らは全盛時には強かった。他にも中国、韓国、アルゼンチンなどの出身力士もいた。大相撲の土俵は神聖な場所とされ、今でも女性が土俵に上ることはタブーとなっているが、男性であれば国籍は関係ないらしい。
日本の人口減少傾向に歯止めがかからなかった場合、日本の人口は2060年に8674万人になるとの推計が発表された(出生率が2060年に1.35になると想定した場合)。29年後には年100万人以上減少するようになり、36年後には1億人を割り込むとか。
向こう約50年で人口が3分の2になってしまうというから、さあ大変だとマスコミは大きく取り上げた。新聞の社説では、朝日、読売、日経は「出生率を高めよ。そのために関連政策で子育て支援をせよ」とし、毎日は「人口は減っても個々の活力が発揮できる社会を目指そう」とし、東京は「女性が結婚・出産・子育てをしながら働ける社会環境にせよ」、産経は「幾多の困難を乗り越えてきた国民の豊かな工夫と潜在力で乗り切ろう」とした。
各紙とも移民に触れることを避けたので、似たような論調になった。人口が減るから移民で数を増やせばいい……というような単純な論では説得力が薄く、また、閉鎖的ともされる日本社会で移民論議が受け入れられるまでには、まだ時感がかかると判断したのかもしれない。
減少する働き手を補うための移民受け入れ論はさておくとしても、日本に住みたいと希望する人を受け入れる日本国籍取得の簡素化についての議論は進めたほうがいい。人口減問題と、日本を開かれた国にすることとは別問題であり、ドナルド・キーン氏の帰化が好意的に受け止められたように、日本が好きで日本に住みたいという人を受け入れることには抵抗は少ないようだから、そうした受け入れを拡大すればいい。
大相撲で様々な国から来た力士が活躍しているのと同じような光景が、日本社会のそこここに見られるようになるだけだと考えれば、「開かれた」日本にも過度にナーバスになることはないのかもしれない。ただ、強い日本人横綱がいなくなったのは寂しいが。 |





