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ハーフサイズカメラで遊ぼう

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KORELLE(ハーフサイズカメラのご先祖様)

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今回登場するカメラはレフレックスコレレで有名なコッホマン社の「コレレK」というモデルです。このカメラ、存在は知っていましたがお目に掛かる機会が少ない上に、見つけても結構お高いプライスのために手が出ないカメラの一つでした。

ところが昨年とあるカメラ屋のジャンクコーナーに置いてあったのです。とはいえジャンクでもそれなりの値段だったのですが。

お品書きには「シャッター不良」と書いてありました。とりあえず手にとってみると全く問題なし。このカメラはコンテッサと同様、フィルムを入れないときちんと動かないので勘違いされたのかな?

ごく普通のカメラなのでクラカメに興味のある人なら特に説明が無くても使えると思うでしょ。ところが「K」にはそんな親父をあざ笑う仕掛けがあるので知ったかぶりしてカメラをいじる事は冷や汗ものです。ここでは私自身も忘れないように唯一にして最大の注意点を書きますね。

それは裏蓋の開け方。ボディ背面にはいかにもそれらしい小さなボタンがあります。このボタン、押しても引いても動きません。クラカメファンなら「ははぁこれはネジ留め式だな」と考えます。50点差し上げます。

おもむろに反時計回りにこのネジを回し、「さて裏蓋をコンタックスと同じようにガバチョと外し‥外し‥外れない」

さて、どーしたものかと考えて「えぇいままよ」と力任せに裏蓋を引っ張りましょう。「パキ!」乾いた音とともに哀れベークライトボディには無残なクラックが‥‥おお泣き。

確かにこのネジで裏蓋はボディに止められているのでネジを弛めるまではあってます。しかし実はもうひとつ板バネで裏蓋とボディはロックされてるのです。そしてロック解除するには先ほどのネジを「押す」必要があります。

だから満点回答は「ネジを弛めた後、ネジを押しながら裏蓋を引き下げる」。普通蓋を外すには「引っ張る」と考えるのが普通なのに「K」は「押す」という逆の操作を必要とします。これが「コレレKの作法」でした。

さて、コレレKの発売は1933年。何とオリンパスペンから遡る事20年以上というハーフサイズカメラの大先輩です。

しかし実際はハーフサイズカメラとして考えられたカメラではありません。というか本当のところは当時「そもそもハーフサイズという概念などなかった」のです。

35mmカメラの始祖といえばライカなんですが、当時シネカメラのフィルムを流用すると言う考えは各社で試みられていました。そしてその多くはサイズもシネそのまま(現代で言うハーフサイズ)で、いかに多くの駒数を記録するかが主眼のようでした。

代表的なカメラは「ツーリストマルチプル」。専用カセットで200から300駒撮影可能という代物です。もっとも当時は船旅で数ヶ月なんて事もあり行く先々でフィルムが手に入る保証も無いから記録カメラとしての実用性はライカよりあったと思いました。

そんな中で当時の印画技術がまだハーフに耐える物でなかった事から2コマ分を使用するという考えのライカサイズが勝ち残り、現代銀塩カメラの礎を築いたのは承知のとおり。

当時の35mmカメラがシネフィルムを専用カセットに装填する方式が普通でしたが、コダックがライカ規格のパトローネを採用したため専用カセット式は詰め替え作業が面倒で時代から取り残されていきます。

コレレKはちょうどライカIIIと同じ頃の発売で、幸いな事に現行の35mmパテローネでも使えます。この点については「コダック製は大丈夫だが、フジのパテローネは装填できないケースがある」との記述もあります。

手に入れたモデルはフジのパテローネも問題なく装填できました。

手にすると、まずオリンパスペンより短い横幅というコレレのコンパクトボディに驚かされます(画像参照)。これだけのサイズに纏め上げたのはお見事です。またスタイルもシンメトリックでお洒落です。

コンパーシャッターにテッサーレンズという素性はこのカメラが単なる安普請カメラではない事を物語ります。また実用性云々は置いといて最短撮影距離が50cmというのも何となく嬉しい。

同じ合成樹脂でも現代のプラスチック製カメラと違って、逆にベークライトの味わいがノスタルジックな暖かみさえ感じさせます。

操作は極オーソドックスなのでクラカメを使う人なら最新のデジカメより慣れるのが早いでしょう。巻き戻しが出来ないのでフィルム交換の際等にはダークバックが必要になります。ただハーフサイズなので36枚撮りフィルムを装填すれば一日の散歩には充分です。

スタイル良し、レンズ良し、その上にハーフサイズでクラカメ気分まで味わえるコレレKは実に素敵なカメラなのです。


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