Cartouche

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*私は貝になりたい*

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   ***STORY***                 2008年  日本
清水豊松は高知の漁港町で、理髪店を開業していた。家族は、女房の房江と一人息子の健一である。戦争が激しさを加え、赤紙が豊松にも来た。彼はヨサコイ節を歌って出発した。--ある日、撃墜されたB29の搭乗員が大北山山中にパラシュートで降下した。「搭乗員を逮捕、適当に処分せよ」矢野軍司令官の命令が尾上大隊に伝達され、豊松の属する日高中隊が行動を開始した。発見された米兵は、一名が死亡、二名も虫の息だった。日高大尉は処分を足立小隊長に命令、さらに命令は木村軍曹の率いる立石上等兵に伝えられた。立石が選び出したのは豊松と滝田の二名だ。  gooより


題名がこんなににも重いものだったとは・・
絶句してしまいました。

今年三月に封切られた『明日への記憶』では東海軍司令官だった岡田資中将の法廷での
高潔な姿が描かれていてB級、C級戦犯のことを知りました。
これって級がついていいるからわかりにくいですが、クラスの上下ではなくて、
B級戦犯はハーグ法規などで規定する捕虜虐待など、
C級戦犯は一般の国民に対する非人道的行為、となっていますが、実際は
B級は残虐行為の命令者、C級は実行者とする場合もあってBC級と呼ばれてます。

この”実行した”にひっかかってしまったのが清水でした。
でもそれもあやふやなところがあって、アメリカでは紙による命令書が出て・・という
合理的なものですが、日本は口頭。
事実確認をきちんとされないまま、審議は進んでしまいます。ここでとても弁がたったり、
弁護士さんでもつけられれば違うのでしょうが清水にはそんなことできませんでした。

また岡田資中将のような方であれば、国際法に反した米国を非難しつつも
部下のことは完璧に守り通す・・ということをしたでしょう。
ところが彼の上官たちは保身のためもあってか責任の所在をたらいまわし。
後できちんと弁明するシーンもありますがそれではとても遅すぎました。

そしてまたもうひとつとても辛かったのは戦犯の人たちが国賊と言われていたこと。
送り出すときには
”名誉なことだ”
”お国のためにがんばって”
と言って旗を振っておきながら、今度は面倒なことに関わりたくないと思うからか
進んで嘆願書に署名する人は少ないのです。
署名を集める途中、大きな蔵のある家で門前払いされます。お金の力でうまく切り抜けた人?
他の人にも増して冷たく見えました。

そして結局・・

何事も弱い立場の人に全部しわ寄せがってしまうのですね。
ラストの彼のセリフはあまりにも重いものでした。

これは邦画にしては珍しく映像も素晴らしいものでした。
映画らしいワイドな自然の美しさがたっぷり!!
岸壁からのシーンはまるで立体的な地図を見てるみたいだし、かすむ連なる山々がきれい。
段々畑の水田は上から撮ると鏡のようです。
そして雪の中のシーンは美しいと共に人々の厳しさが伝わってきました。
後半のプリズンも奥行きが充分にあって、セットの安っぽさが感じられませんでした。

また音も印象的。
召集令状が来たとき髪を刈るバリカンの音。
刑務所で廊下を歩くアメリカ兵のブーツの足音。
部屋から出してもらえるときの下駄の音・・
そんな細かなところも丁寧に拾っていて、効果的でした。
・・が音楽が仰々しすぎ。もう少し控えてくれたほうがかえって感動が増すと思います。

監督:福澤克雄
原作:加藤哲太郎
脚本:橋本忍
出演:中居正広 /仲間由紀恵 /笑福亭鶴瓶 /草なぎ剛 /上川隆也 /石坂浩二

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閉じる コメント(37)

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物語の世界さん。私も最初はこのふたりって合わないし、なにより心もとないな〜って思いました。
でもすごいですよ。迫力モノです。

2008/11/29(土) 午後 10:14 car*ou*he*ak 返信する

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巨匠橋本忍脚本とミスチルのテーマ曲という組み合わせ。リメイク版らしい組み合わせでした。中居正広の演技が涙を誘いました。私は人間にはなりたくありません。貝になりたい。絶望的な言葉でしたね。

2008/11/29(土) 午後 11:26 mossan 返信する

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もっさんさん。う〜ん。私ミスチルファンを敵にまわすのはイヤだったので記事には書かなかったのですが、この作品には合わないと思いました。音楽もちょっと大げさだし・・
でも映画は素晴らしかったです。

2008/11/30(日) 午前 0:02 car*ou*he*ak 返信する

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見た後にやるせない気持ち消化しきれ無い気持ちで一杯になる作品でした。
自然が美しく描かれているからこそ余計にせつなくなり、人間は一体なにやってるんだよと思えてきました。
「明日への記憶」は残念ながら見ることは出来ていないのですが、戦争というのは嫌なものだと、やるせなさを改めて感じ、考えさせられました。

2008/11/30(日) 午前 8:33 yuki 返信する

優しさゆえに上官から過酷な命令を受けて、実行者として(実際はそうではないのに)戦犯として裁かれることになった豊松の姿はあまりにも惨いものでしたね。彼の上官があのような人たちばかりでなかったら、もう少し裁く側に敗戦国の事情を分かろうとする人がいたら、通訳がもっと日本語に精通する人だったら等等残念な事が多くてなりません。
矢野中将ももっと早く部下の命を救うような弁明をしてくれれば良かったのに、遅きに失した感じでしたね。せっかく命を失わずに家族の元に帰れたのに、このような事になってしまうのはあまりにも辛すぎます。このようなことは二度と繰り返してはならないですよね。
より多くの(特に若い人)人たちに見て頂きたい映画だと思います。
TBありがとうございました。お返しさせてくださいね。

2008/11/30(日) 午後 0:52 つらら 返信する

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当時の国民の生活の厳しさもさることながら、国からの赤紙が届き二等兵になり、終戦後、理不尽な理由で絞首刑を宣告されてしまう戦争の怖さがオリジナルに負けじと描かれていたと思いました。

2008/12/1(月) 午後 10:40 ken 返信する

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yukiさん。そうですね。見た後どうにも消化しきれない、辛い思いが後々まで残ってしまいました。
画面いっぱいに拡がる自然の美しさ。
確かにそれが人間の愚行との対比ともとれましたね。
「明日への記憶」の岡田中将の高潔な行為を比べると彼の上司たちの
ひどさがよくわかります。

2008/12/6(土) 午後 6:28 car*ou*he*ak 返信する

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つららさん。同感です。彼の上官がきっぱりとしていてくれたら・・そして裁く側にも事情をわかろうとする気持ちがあってくれたらよかったと思います。彼らにじかに接していた感看守さんたちがわかってくれていたのがせめてもの救いでした。でも彼らは上の人っちに遅滞して無力だったのでしょうね。

2008/12/6(土) 午後 6:31 car*ou*he*ak 返信する

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kenさん。当時の事情をもはやよく知らない私たちはこういう作品を見なくてはいけませんね。具体的に色々わかって勉強になりました。

2008/12/6(土) 午後 6:32 car*ou*he*ak 返信する

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時代というのは本当に過酷ですよね。しかしその過去があっての今があると思うと、またいろいろと考えさせられます。犠牲になられた人の死は無駄にしてはいけませんよね。
重いけれど見応えのあるよい映画でした。映画としての映像も綺麗でよかったですよね。
こちらからもTBさせてくださいね♪

2008/12/8(月) 午後 8:11 choro 返信する

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Cartoucheさま、今日観て参りました。戦犯ってなんなんでしょうね。東条英機の遺族の方のお話を聞いた事がありますが、現代の様な価値観ではありませんから元敵国からも日本からもそうとうイジメのような事をご家族は受けたようです。
時代に翻弄され、希望を失い「私は貝になりたい」などと言う人を作ってはいけないとつくづく思いました。 削除

2008/12/11(木) 午後 11:20 [ Maria ] 返信する

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「私は貝になりたい」・・遺書の言葉・・この映画で、より一層納得しました!今、生きてる自分たちはなんて幸せなんだろう。
この時代に生れ、戦争に駆り出され・・不条理な裁判で戦犯にされ、戦争の犠牲者に。あまりにも理不尽。多くの人に観ていただいて、戦争の本当の怖さを知ってもらいたいです。
あの美しい風景との対比は効果的でしたね。
TBありがとうございました!お返しさせて下さいませ(_ _)

2008/12/13(土) 午前 0:47 ふぇい 返信する

これは是非観てみたい映画です。
まだやっているかしら?夫が日本語がわからないから一緒に行ったら退屈するだろうな・・・。戦争ものの映画に興味があるみたいなので、理解できたら喜びそうだったのに残念です。

2009/1/2(金) 午後 10:04 [ - ] 返信する

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やはりこういう戦争映画は見ていて独特な感情がこみ上げてきますね。
豊松は実在してなくても、同じように境遇だった人はいたと思うと辛いです。
TBさせてください。

2009/1/18(日) 午後 1:07 かず 返信する

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Choroさん。そうですね。
こういう人たちの努力があって今の日本があり、私たちが平和に毎日送れてます。感謝しなくてはなりませんね。

2009/1/22(木) 午後 5:32 car*ou*he*ak 返信する

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Mariaさな。ほんとです戦犯って誰が決めたことなんでしょう。
それまでいってらっしゃいお国のため・・と言っておきながら・・
いたたまられない思いでした。

2009/1/22(木) 午後 5:34 car*ou*he*ak 返信する

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フェイさん。この題名にこんな重い意味があるとは思いもしませんでしたよね。こんな言葉を言う人を作ってしまってはいけません。そうですね。美しい風景との対比がまた見事でした。

2009/1/22(木) 午後 5:36 car*ou*he*ak 返信する

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BIDHETTEさん。日本に帰っていらしたときDVDで見てみてくださいね。あ・ダンナさまは日本語わからないのですね。戦争ものには興味があるのですか残念です。

2009/1/22(木) 午後 5:37 car*ou*he*ak 返信する

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かずさん。ほんとそうですね。彼だけでなく、このような思いで死んでいった人はたくさんいることでしょう。そう考えると胸が痛くなりますね。

2009/1/22(木) 午後 5:38 car*ou*he*ak 返信する

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カルさんの記事のおかげで、B級、C級戦犯の事がよくわかりました。
ありがとうございます(*^_^*)
中居クン、本当にいい演技でしたね。仲間さんもよかったです。
これは、いろいろな意味で観る価値ありの作品だったと思いました。

2009/1/23(金) 午後 0:50 まい 返信する

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