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*レスラー*

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   ***STORY***           2008年  アメリカ
“ザ・ラム”のニックネームで知られ、かつては人気を極めたものの今では落ち目でドサ廻りの興業に出場しているレスラー、ランディは、ある日、ステロイドの副作用のために心臓発作を起こし、医者から引退を勧告されてしまう。馴染みのストリッパー・キャシディに打ち明けると、家族に連絡するように勧められる。長らく会ってない娘・ステファニーに会いにいくが、案の定、冷たくあしらわれてしまって…。
                                    gooより

1980年代に絶頂期の人気を誇り、栄光の座にいたものの90年代以降は下り坂の中年プロレスラー。
その役をミッキー・ロークが演じているのですが、まさに彼の人生そのものと重なります。
当時『ナインハーフ』や『エンゼル・ハート』などに出演して、セックスシンボルと言われていた
彼を知っている人はより一層深い感銘を受けることでしょう。


冒頭のシーンから極めて”痛さ”を感じます。
それはヴァイオレンス度の高い試合。
そしてもう一つは彼の置かれているシチュエーションの”痛さ”です。
地方巡業しているようなのですが、足にも手にもテーピングをし、力を振り絞って
リングに上がる様子。
相手との”打ち合わせどおり”だとはいえリングのコーナーに顔を打ち付けたり・・
そしてもらうギャラはほんの数枚の紙幣で家賃を滞納しているのはトレーラーハウス。
見てる私たちはいきなりこの2種類の痛みを感じさせられるのです。

そんな彼は引退を決意し、普通の生活の戻ろうとするのですが、これがさらに何倍も”痛い”。
引退したレスラー達のにサイン会みたいなものがあるのですが、ほんの数人来ただけで
あとはし〜〜ん・・
真っ当な職についてもイラつくことばかりでした。

そんな彼にとってのオアシスはマリアトメイ扮するストリッパー・のキャシディです。
現実にも44歳という彼女はやはりプロレスと同じく、体を張って稼いでいること、
いつまでもやってけない不安を抱えてますから、彼の気持ちはよくわかるのでしょう。
でも今までもひとりで強く生きてきたし、多分好きだからこそ、関係を深くしたくないという
気持ちです。

そしてもうひとり大きくからんでくるのが、娘のステファニー。
小さなときからいざという時にそばにいてくれなかった父への恨みを抱えていますから
関係修復もむずかしいですが、そういう厳しさとちらりと見せる温かさもこの映画の重要な伏線と
なっています。

中盤はこのような人間ドラマがとても丁寧に描かれていていますが、こんなにつらいことばかり
なのにこの映画自体決して暗くもないし、見づらくもありません。
それは時折はさまれるユーモラスなシーンのおかげでしょうか。
日常生活で見せるランディーの子供のようなしぐさやかわいらしさ。
あ・そして周りの人、レスラー同士の友情や温かさがあるから救われているのもしれません。
プロレスってショーだということはわかってますが、まあここまで段取りしていたり、
ホームセンターで試合に使えそうなものを買ったりまでしてるとは思いませんでした。

そしてラスト・・
潔い終わり方とブルース・スプリングスティーンが、ミッキー・ロークのために提供した主題歌
「ザ・レスラー」が『グラン・トリノ』のときのようにしんしんと心に沁みました。
とても素敵な作品です。

ミッキーロークは少年時代からボクシングをしていて、そして92年には試合のために
来日もしていたのですね。知りませんでした。
90年代はすさんだ私生活のためもあってか太ってしまい、少年時代のボクシングの
後遺症で顔も変わってしまいました。
でもそのころもけっこうたくさんの作品に出演していたのですね。
しかし『ナインハーフ2』っていうのも”痛そう”。

この映画にもうひとりなくてはならなかったのがマリサ・トメイ。
この方って名わき役というイメージが強くて、実際アカデミー助演女優賞にノミネートされたり
受賞もしてます。これでもノミネートされましたが、でもこれは立派に主役とも言えますね。
84年にデビューしてますからそれこそミッキーとほぼ同じ時代を映画界で過ごしているわけですが
彼とは対照的。派手な役ではないのにずっとコツコツと佳作を積み上げていっているという感じで
素晴らしいです。

娘役のエヴァン・レイチェル・ウッドはビートルズのミュージカル映画『アクロス・ザ・ユニバース』ではヒロイン役。そして最近見た『ダイアナの選択』では高校生の頃のダイアナ役でした。

第65回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞
第81回アカデミー賞主演男優賞、助演女優賞ノミネート。

監督: ダーレン・アロノフスキー
脚本: ロバート・シーゲル
撮影: マリス・アルベルチ
音楽: クリント・マンセル
主題歌: ブルース・スプリングスティーン
 ミッキー・ロークーーーランディ・ロビンソン
 マリサ・トメイーーー キャシディ
 エヴァン・レイチェル・ウッドーーー ステファニー
マーク・マーゴリス
トッド・バリー
ワス・スティーヴンス
ジュダ・フリードランダー
アーネスト・ミラー
ディラン・サマーズ

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閉じる コメント(74)

ランディの不器用な生き方と、作品自体が、伝え方すら不器用でした。
その辛さや、痛みが・・・・結構長く生きていると、身に沁みるようになるのですね・・。
ナインハーフからミッキー・ロークの絶頂期を知る世代だからこそ、深く刺さる作品でした。

2009/7/15(水) 午前 1:13 Jumble-Mari 返信する

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Jumbleさん。ほんと作品そのものからもいい意味での不器用さを
感じました。確かに自分がある程度生きてると(笑)その痛みなど
より共感できるようになりますね。
私もミッキーの絶頂期を知っていたのでより心に残る作品となりました。

2009/7/18(土) 午前 11:31 car*ou*he*ak 返信する

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この役はミッキーロークしかありえないようなピッタリな役でしたね。
不器用だけどもまっすぐなラムに心撃たれました。
TBさせてください!

2009/8/14(金) 午前 7:31 かず 返信する

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かずさん。ほんとこれはミッキーのための映画のようでした。
不器用ですが、真摯な生き方でしたね。

2009/8/17(月) 午後 11:10 car*ou*he*ak 返信する

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ロークは若い頃からファンでしたので、ナインハーフのあのスレンダーだった彼が、実際演技ではないと思えるほどのレスラーぶりを発揮したこの作品、観ていて感慨深いものがありました。いい作品でした。最後は涙がでてきましたわ。
TBおねがいしますね。

2009/8/17(月) 午後 11:40 オネム 返信する

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ああ・オネムさんおひさしぶり。
やはり若いころからご存じだったのですね。
ほんと演技とは思えないほどの迫力で、素晴らしかったです。

2009/8/17(月) 午後 11:43 car*ou*he*ak 返信する

ミッキー・ロークとランディの生き様が、リンクしてようにも感じる映画でしたね。

2009/10/19(月) 午後 7:02 [ ティルク ] 返信する

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ティルクさんそうでうsね。ご本人と役柄がダブって見えました。
いい作品ですよね〜

2009/10/19(月) 午後 11:23 car*ou*he*ak 返信する

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やっと観ました。ミッキー・ローク、久々じゃないですか?

2010/1/21(木) 午後 10:23 mossan 返信する

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もっさんさん。はい。久々ですね。

2010/1/22(金) 午後 4:08 car*ou*he*ak 返信する

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コメントありがとうございました
Cartoucheさんのこの記事とても良いです!好きです^^
ミッキーとこの作品がオーバーラップして伝わって来ます♪
TB 出来たらさせてください…上手くいくかしら^^; 削除

2010/2/20(土) 午後 8:21 [ Maria ] 返信する

やっとこさ 半年遅れで観させていただきました(^^ゞ

もう男泣き男萌え〜
ブルース・スプリングスティーンさんの主題歌に泣けて泣けて

泣き泣きのTBをお許しください(^_^;)

2010/2/22(月) 午後 8:21 たんたん 返信する

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Mariaさま。ありがとうございます。
ミッキーとこの作品ってどこかオーバーラップしていて
より一層の悲しさを感じました。

2010/2/22(月) 午後 9:35 car*ou*he*ak 返信する

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たんたんさん。男性だとより一層、彼の気持ちがわかるのかも
しれませんね。
あ・そうそう。主題歌も良かったです

2010/2/22(月) 午後 9:36 car*ou*he*ak 返信する

あ、↑一番にコメ入れさせてもらってたのに、やっと観れました(^-^;
彼の全盛期を知っているだけに、ほんとにミッキー主演という事でグっときちゃいました。
そうそう、とても丁寧に描かれていましたよね。シンプルながら作品としても秀逸だと思います。
ラストでまたいいタイミングで曲が流れてジーンときちゃいました〜
その曲の自作動画記事ですが、こちらからもトラバさせてくださいね♪

2010/8/29(日) 午後 9:10 じゅり 返信する

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じゅりさん。そうですね。ミッキーの全盛期。私も知ってるので
余計共感できますね。
ほんとストーリー自体はシンプルですが、描かれてることは深く
見ごたえありました。

2010/8/29(日) 午後 10:10 car*ou*he*ak 返信する

「ナインハーフ」の頃はどうにもこうにも好きになれないヤツだったミッキー・ローク…
人性の年輪を加え、芸能界では干され、落ちぶれた果てに、素晴らしい映画に出会いましたね♪
これは、まさに彼の“生き様”そのもの!まさにプロレス(=役者)をやるしかないのですねぇ〜。
共演のマリサ・トメイのベテラン・ストリッパーも良い(^v^)
オスカーも2人を落選させるなんて、KY(空気読めない)な感じ〜!?

2011/4/8(金) 午後 9:43 やっくん 返信する

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やっくんさん。あ・私もナインハーフのことは好きではなかったです。でもこの作品ではとっグッド〜
彼の人生そのものでした。

2011/4/18(月) 午後 10:37 car*ou*he*ak 返信する

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はじめまして・・・
レスラー人生もピークを過ぎ、娘とは絶縁状態、ステロイドの影響で心臓は弱っているありさまの中年レスラー ランディー。
トレーラーハウスで家賃滞納の落ちぶれぶりいっぱいですね。

演じたロークも、80年代のセクシー俳優路線で順風満帆だったのに
ボクシングをやりたいと やったはいいが鳴かず飛ばず・・・
俳優としての大事な顔がボクシングでゆがみ、俳優としての役が激減して これまた落ちぶれ俳優に・・・全盛期を自分で捨てちゃって

ボク、半ば バカだよな ロークと思いました。

’88年に「ホーム・ボーイ」という同じくミッキー・ロークが演じた
流れ者のボクサー ジョニー役はよかった。 ボクシングはスクリーンの中だけにしとけばよかったんですよ。

こちらは アメリカ各地を渡り歩く流れ者ボクサー。レスラーのランディとは違った不器用さがジョニーにはありましたよ。

ミッキーが演じたランディとジョニー ふたつの作品をくらべながら見るのも 悪くないですよ。 削除

2011/9/22(木) 午後 7:07 [ zebra ] 返信する

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zebra さん。落ちぶれた役をミッキーがやっていて
とてもいい映画でした。
私はそのホームボーイは未見なのですが
そうですかふたつを比べてみるといいかもしれませんね。
今度見てみます。

2011/9/22(木) 午後 8:00 car*ou*he*ak 返信する

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