山バイク 2012 初夏

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峠道。バイクで走るのがもったいないような山の萌え具合。
バイクを茂みに置いて山道を歩き出したら、
先の方はどうなってるのかと気になって、
さらにそこに行くとその先も気になって、
そうして、今年三回目のいきなりなんとなく山バイク。やばいクマ。

誰もいない林道をしっとりと山歩き。
山岳部はあちらのコース。トレッキングはそちらのコース。
たぶんここは誰も行かないへんてこコース。

おもわず惹き寄せられるものは、どきどきワンダー。
なんとなくの良い予感。

針葉樹の葉っぱ同士がそよいで掠れて やや乾いた音。濁音すこし。
広葉樹はややしっとりした音。うぐいすが音を重ねて音深まる。

風が吹くとその向きや強さで違いがあり、
音がスライドしながら流れてゆく。
さらざらさらり さらりするさら するすらさらず。

ひとはなんで心地よいと眠たくなるんだろう。
このけだるく嬉しい乳酸の溜まり感。清涼な疲れ。

バイクなんて乗ってる場合じゃないぞ!
いまは山。ノーリーズン。ナウ シーズン。ジャストなう。

冬山のキレと夏山のコク。移り変わるその息吹。
マウンテンフレーバー。マウンテンパフューム。マウンテンコーラス。

有害な虫さえいなけりゃパーフェクト。
あんなでかい おどろおどろな毛虫。毒かなり持ってます気配。
即座に背筋から登った衝撃。本能から無理。東京ドーム100個ぶん。

それでもやっぱり行きたいし、どうしようもない。
どうしようもなく惹かれる気持ち。大山100個ぶん。
そんなうらはらな気持ちもはがゆくて。ノーリーズン。

トトロ カラーのバイクに跨がって、
いま離れつつあるのに、次ぎに行く時が気になる。
きめ細かく気持ちモヤって峠道を降りてゆきました。

いまは山。ノーリーズン。ナウ シーズン。ジャストなう。

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雨上がりの午後

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さらりと走り出して雲行きを見上げながら走りだすと、
さらりと振られて しっとり濡れて、軒先に避難。

雲が薄いなら突き抜けて、厚いなら引き返し、
波のように押しては返す雲の行方は、毎度の季節変わりの逃避行。

青空と曇りと雨。激雨。激晴れ。天気雨。
緩やかな雨越しの景色は、七色プリズム 万華鏡。

天気雨を見上げると、
ビーズが空の彼方で弾けたみたい。

雨上がりの夏草の匂い。草原の匂いがする。
雲の切れ間の日差しは容赦なく、雨上がりの王国。
鮮やかな彩り。夏の薫り。ふわりふらり。

初夏に包まれた気がした春の午後でした。

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春富士2012

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富士山今年初。季節外れすぎの史上初が続く天候の果てにふとまた来てしまった。
普通の平地の松とかブナとか桜でも、何が本当なのかと思うほど、
ここの植生はおそろしくいいかげんに奔放で、それでいて木々は息を飲むほど繊細。
びっくりするような葉脈の繊細さ。きめの細かさ。

進むと、桜だけどほんとに桜かと思うような枝ぶり。
半分の大きさの桜の花びらのまさに満開。ちっちゃな花びらの桜満開。

本来なら酸素不足なれど、萌える時期?なぜか酸素多すぎて過呼吸な海抜2,700m。
フィトンチッドの新鮮すぎる薬、過ぎたりて毒なり。酸素で苦しい。クラクラ。
遮るものの無い大地。半径20km誰もいない感。電波全くなし感。

この気圧の低さ感。キャブ バウバウ完全燃焼ウキウキ感。酸素の特別多い感。
気圧の違う高地の過大酸素はキラキラしすぎてクラクラして、
それでも、とっても落ち着いている不思議心地。

ミニー リパートンのラビン ユーのリアル心地。
ラララな気分でドドドとバイクが答えて、
アップテンポで転調して、サビはメジャーコードでサンバ系。

走るほどみなぎる、ラララでドドドで、燃費30km/Lの富士周遊でした。

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マリクロ

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気がついたら、沼本。津久井湖の上流辺り。
普通のツーではあり得ない隠れ道の先の先。

小学生の頃、友人達とこの湖に釣りに来た。
お小遣いをためて釣り竿を買い、やがてリール、小物を揃えて、
ルアーを買い。残ったお金は交通費ぐらいで、
それでもふたつ電車を乗り換えてバスに乗り、このダム湖に来た。
バス停まで二時間以上かかって、やがて歩いて30分。そんな場所だった。

お小遣いだから、その範囲で子供目線のパフォーマンスで、
キラキラと道具を揃える度に買った時は嬉しくて、ずっと見つめて磨いてた。

そして、この湖で初めて小学生の深いため息をついた。

ヘドンのソニックとダーデブルのスプーンを根がかりして失い。
全く釣れずに、あんなに買った時にキラキラしたものを簡単に失って、
服脱いで緑色のちょっと臭みのあるこの水の中を泳いで取ってこようか迷った。
でも帰りのバスや電車の中で臭いと。友達もいるし。
1ヶ月のお小遣い以上のものをあっさりと失った。
そんな、小学生の考えの先の戸惑いとあきらめがあり、
どうにもならずに考えあぐねていた。そんな事を思い出した。

足もとには小さな青い花の雑草?。マリンカ?かすみ草?なになに?

あのとき、釣り船を1時間借りて回収するという選択肢もあったろうに、
でも、その数百円は当時の自分には大きくてそんな発想も無かったんだろうなぁ。
そういう考えを持つ今にも問題があるなぁ。大人の脂み。

そうして、走り、巡りめぐりて湘南。
足下のクローバーが四葉。さらにたくさん。いくつあるんだろう。

漫画「はいからさんが通る」で少尉が、
「紅緒さんはマリンカのようなひとだ」という言葉を思い出し、
昔はそういう意味なのだと思っていたけど、いまはそんな意味なのかもと。

僕には五つ見えました。クローバーの四葉。
また次回この辺りを通る時に気になるものがまたできてしまった。

燃費28km/Lの晩春でした。

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由芽市山北駅

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気がついたら、山北駅。
TVドラマの架空の都市。由芽市駅前。「カエルの王女さま」。

知識が無くて、事前に調べる事無く、
山北駅は、厚木の先の先くらいに思っていて、
小田急線沿いに駅前を巡り、
結局JRの御殿場線にありました。
迷いの先に山北駅に辿り着きました。

ロープウェイでさくっと山頂に行ったのではなく、
地図なく歩いてへろへろになりながら辿り着いたような不思議な疲労感と安堵感。

駅前はダブル一方通行で、駅前の脱出の道は正面一つ。
感応型信号で必ず赤。見上げる正面の山にカーブミラーがあり、
あんなところに道があるのかと。

細い険しい山道を上がる。バイクのみの細い道。
山から町並みを見渡すとジオラマの様な盆地。
風の谷っぽいジブリ感。ほろ苦く懐かしい小さな幸せの閉塞感。

ステージにたどり着けるか不安で窒息しそうで、
辿り着けても先のステージに立つなんておそろしく恐い。
答えを探しても意味は無く、もどかしいあやふやに飲まれそう。
せつなく錆びる放物線の彼方。

でも、こんな風景を見渡すとふっとつかえが取れて丸くなる。
ビールの最初ののどごしの為だととおもえば、
すべてはロック&ブルース。

ポコポコとマフラー音も心地よく、
風にまぎれてハナウタ。いい予感の南風。
関東の一番搾りのそよ風。頂きました。

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銀次郎
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