日韓近代史資料集

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日韓交渉会議議事要録(十二)
第2回請求権関係部会
                                 アジア局第二課  昭和28.5.19
 
一 日時及び場所 1953519日午後310分〜4時、外務省419号室において
二 出席者
   日本側 久保田代表
       石田大蔵省理財局長
吉田大蔵省理財局総務課長
上田大蔵省理財局外債課長
広田外務省アジア局第二課長
(重光外務省条約局第三課長は欠席)
 
韓国側 張基栄外交委員会委員
洪璡基法務部法務局長
韓奎永駐日代表部三等書記官
林松本外交委員会委員(殖産銀行頭取)
 
三 議事概要
() 冒頭、久保田代表から張代表のあいさつに引用された米国国務省発梁大使あて書簡に関し、日本側の回答を申し上げるとして、我方においては同書簡の内容についてはつとに承知していたものであり、法律問題に対する日本側見解は従来と変わりがない、しかし本部会の討議において法律論に拘っていては議事が進まないのでファクト・ファインディングを行って問題を解決して行くことにしたいと述べた。また石田局長から、今後の議事運営に関し、細い問題は小分科会に譲って余り形式張らずに迅速に議事を進めて行く方法に賛同されたいと補足した。
 これに対し、張代表から、久保田代表が指摘された書簡については、前回会議に出るにあたって首席代表からも法律問題は後回しにして実際問題からアプローチして行けという話もあったし、自分も法律論に触れないでやって行くということには同感であるので、実際問題から話し合って行き法理論の差を少なくするようにしたい、また形式張った会議を一週に一回くらいやっても困難な請求権問題はなかなかはかどらないので専門にやる人に出てもらって常設的かつ継続的に話し合うこととしたい、自分は本問題が専門であるので出来れば毎日でも問題を検討して行きたいと考えている、先日、国宝、被徴用者の未払い給料に関する資料を差し上げておいたが、本日も請求権問題というより、未清算の諸項目を出すから実体を洗うという含みでフリー・トーキングをして研究して行きたい、必要な資料は引き続き差し上げる、と述べ我方の賛成を求めた。
 
() 久保田代表から異議のない旨を答えたところ、張代表は以下の4項目について説明を行った。
(1)まず日本側の意見を承りたいのは、日本では昨年戦傷病者戦没者遺家族援護法が出て援護をやっておられるが、韓国でも、この太平洋戦争中の戦死傷者の問題で苦しい立場にある。少し古い統計ではあるが、確認された戦死病者は4,800人で、行方不明者は7万人くらいある。この人たちに対して日本側が援護法を作ったときに考慮されたかどうか、この会議の席でもいいし、非公式でもよいからお話を承りたい。
(2)上田課長に話しておいたとおり、被徴用者の未払い給与その他の問題はSCAP時代から進捗していた。韓国でも軍政下にあって全国的な申告を求め、1946930日現在の調査によると徴用された者は105千名でその中16千名の死亡が確認されており、約7千名が傷病した。これには詳しい統計がある。日本側におけるSCAPからの引継ぎがどうなっているか、いかに処理される心算か、公式でなくてもいいから方針を伺いたい。
(石田局長の質問に対し、張は調査は申告を主とし、申告のあった死亡者が4,800名で、被徴用者のうち16千名の未帰国者があり、その中には死亡者もいると考えられると述べた。)
(3)次に在韓日銀券問題に言及し、戦後朝鮮銀行が日銀券と鮮銀券の交換を命ぜられ又一部には帰還者に両替してやったものもある。この日銀券は米側の命令で●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●立会いで焼却されたが日本銀行の当然の通貨債務であり、自分としてはこの会談とは関係なしにでも清算されるべきものであると考えている。
(4)日銀券問題と似たものに、日本あるいはその占領地から引き揚げた韓国人の預託金の問題がある。これは日銀券持ち出し制限で預けたまま帰国したものであり、本人から申告をとったことがある。その数字は一億以上になっており、これを担保にするから金を貸してくれという者もいる。
 また、韓国女子で戦時中に海軍が管轄していたシンガポール等南方に慰安婦として赴き金や財産を残して帰国して来たものがある連合国政部発行の受領書を示して何とかしてくれといって来るので社会政策的に受取りを担保にして金を貸したこともある
 以上述べた4項目については、後から貴方の資料で実態を堅めて行きたい。
 
 
 
<コメント>
この文書は、「戦争および植民地支配に対する日本の責任問題は日韓請求権協定で解決していません」という立場をとる「日韓会談文書・全面公開を求める会」のホームページに掲載されているものを見て、私がテキスト化したものです。この資料を利用させていただいたことに御礼申し上げます。
 
日韓会談文書・全面公開を求める会 http://www.f8.wx301.smilestart.ne.jp/
 
文書番号693番です。
 
 日韓交渉当時の慰安婦に関する当事者及び韓国政府の関心事は「現地に残した金や財産」だったんですね。それはまあ当然のことだったでしょう。
 
 
 
 
 
 

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閉じる コメント(3)

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「張代表のあいさつに引用された米国国務省発梁大使あて書簡」ってラスク書簡(http://en.wikisource.org/wiki/Rusk_note_of_1951 )のことなんでしょうか?

2015/6/27(土) 午後 2:55 [ Makoto ] 返信する

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そうではないでしょうね。ここでは日本側は、その書簡の内容は知っている、と言っていますが、ラスク書簡の公開はこれよりずっと後の1978年ですから。
日韓請求権交渉という一大イベントですから、アメリカからもけっこう各種書簡が来ていたんでしょうかね。

2015/6/27(土) 午後 3:58 [ Chaamiey ] 返信する

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このファイルの開き方がやっとわかったので開いてみましたが、確かに「ラスク書簡」ではないようです。1952年4月29日付の書簡です。ラスク書簡なら面白かったのに……。

請求権に関しては、米国は国際法違反を犯しています。占領地における統治は当該国の法に則って行わなけばならなかったのです。ところが朝鮮の日本資産を一方的に接収し、韓国に引き渡しています。なのでSF条約においても韓国の主張を入れた修正をしています。

2015/6/28(日) 午前 9:27 [ Makoto ] 返信する

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