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山寺の和尚さんは猫を蹴る

山寺の和尚さんが猫を蹴る歌があります。
猫好きなわたしとしては、(いや、猫が好きじゃなくてもですが)なんで和尚さんが猫を蹴ったりするのだ!と、幼い頃から納得がいかなかった覚えがあります。
だいたい、和尚さんは殺生しちゃダメで魚も食わないのに、陸河豚を袋につめてポンと蹴ってニャンと哭かす、なんて、酷いでしょ。まさに「この外道!!」と言いたい状況。
それをあんなに軽快なリズムに乗せて歌うなんて、全くどうかしています。

そもそも、お寺には、大事な教典がたくさん保管されていて、ネズミが大敵という事もあり、ネズミを追う猫と和尚さんは、むしろ仲良しと言ってもいいんじゃないでしょうか。

長年、頭の片隅にあったこの疑問、答えのヒントがあったのです。

わたし、京極堂シリーズ好きで、一通り読んでいるのですが、彼の長口上の中に、正にヒントがありました。何年も前に読んだのに、「山寺の和尚さん」と関連づけて考えていませんでした。(鈍い!)
「山寺」は三井寺を指すと考える答えと、延暦寺を指すと考える答えと、2通り考えつきますが、結論から言うと、和尚さんはネズミなんですよね。だから猫は敵。しかも、三井寺と延暦寺の戦いは、文字通り「血で血を洗う抗争劇」なんでありまして、坊さんはかなり凶暴…もとい好戦的だったんであります。
宿敵にゃんこを袋につめて蹴るなんて、生易しいくらいだ!!ってなもんで。

「坊さん=ネズミ」の根拠は、言わずと知れた「頼豪阿闍梨」からのヒントですが、太平記?だかに載っている「頼豪が鉄鼠に化けて比叡山の経典を食い破る」というエピソードは、当時の坊さん同士の争いを風刺している感がありますね。
京極堂は、たしか「比叡山の僧が三井寺の僧の徳を貶める為に流した」という説と、逆に「三井寺の僧が化け鼠に大事な経典を食い破られてしまう霊験の乏しい比叡山を貶めた」という説を挙げていて、興味深いものでしたが、わたし個人の印象としてはむしろ、単純に「坊さん同士で醜い争いすんのやめなよ」という世間(あるいは天皇)の呆れ・からかいのメッセージを感じるのです。
結局は、三井寺も比叡山も、見方によってはどちらも貶められている構造が、「いい加減にしなさいよ」という世相の表れなんじゃないでしょうか?
もともと「白河天皇が、坊さんの喧嘩の間に挟まれるのが嫌で、約束を守らなかった為」という所にも、その「うんざり感」が感じられます。自分の望みを叶えさせておいて、面倒は御免、としてしまう天皇も天皇だけど、皇子は4歳で亡くなっちゃってるからあまり責めても可哀想かなと。
「山寺」を延暦寺とすると、猫を蹴る理由は「鉄鼠の祟りを祓えない役立たずの猫」に対する戒めと仮定して、蹴られている猫は蹴っている僧自身、というパラレルが展開する訳ですが、そうなってくると、最早「虐待僧/破戒僧」のイメージから転じて「自戒」の高潔さまで感じられると同時に、「自戒を掲げて暴力に走る僧への皮肉」なんかも見えてきてしまうのです。結局は「毬を蹴りたし」という欲求に囚われて、解脱出来ずに猫を蹴る「成らずもの」という事になりますよね。

あるいは、「山寺」はどこかと限定してではなく、「猫=化け物」を僧が調伏するという構造なんでしょうか?
…もう何とでも言えるくらいの様相を呈してきましたね。。

と、ここまでうだうだ書いてみましたが、調べてみると、いやいや、いろんな説がありますね。
福岡の大正寺というお寺の蔦道和尚の悲話が元になっているという言い伝えとか、昭和初期に服部良一氏の童謡を久保田宵二氏がシャンソンにアレンジしたものであるとか、そもそもの童謡が小唄を元にした戯れ歌(今で言う所の「ドドスコスコスコ」とか「4月だ花見だ酒が飲めるぞ〜」的な酒飲み歌と言ったところでしょうか?)だとか、調べれば調べるだけ出てきそうですね。
それにしても、例えば民間伝承の小唄が元にしても、「坊主が猫を蹴る」という発想が生まれる背景には、「坊さんとネズミの関係」と「僧に対する風刺」があるのではなかろうか?なんて思う訳です。
頼豪阿闍梨のエピソードでさえ、元を辿れば中国に行ったり、巡り巡って日本に帰ってきたり、大本のネタを限定する事は難しいのでしょうね。

ともあれ、原因から結果が派生し、結果から原因が派生する、その原因はたまた結果は複数であったり、あるいは似て非なる話が混同されたり、そこからまた新たな原因が、あるいは結果が派生していく、単純な1つの事柄に見えて、いつでも複雑な流れの中に、真実は成り立っているものなのだなぁと、改めて思う訳です。
なにしろ、「猫を蹴る坊さん」で、ここまで話がややこしくなるとは、ぬ〜、やられたわい、と思う訳です。こんなゴチャゴチャになってしまうとは、ね。。

今日の結論。「にゃんこを蹴らないで下さい」です。にゃんこは可愛い。

今回(というか、いつもなんですが)わたしのぼんやり思った事をグダグダ書いているだけなので、確固たる根拠とか、研究に基づいた文章ではありません。悪しからず。

ひな祭りだってのに、何で「山寺の和尚さん」??
どうせなら「ひな祭りの起源」をテーマにすれば、季節感あるのに、という声が聞こえてきそうですが…。。

これからも、気の向くまま、マイペースにやってゆきます。


へへっ




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