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書庫☆番外編脱出成功レビュー

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おクラ入りと言えば…

別に野菜のオクラさんが入ったスープでも炒めモノでもゴザイマセンよ。おクラ入りとは、音楽や映画の業界では下記のような意味合いで使われておりますの。

製作した楽曲や映画などの発表・発売が中止になり、倉庫にしまわれることにより陽の目を見られなくなること

おクラの「クラ」とは「蔵」を表すものであり、ソコに入れられるハメになって以後はそのまんま寝かされ続け…という状態を指す。要は市場に出回らず、しまいこまれてしまった作品群のことを意味するのである。

ワタクシメがだ〜いすきなまんが家、里中満智子センセイが描かれた少女まんが「スポットライト」という作品におきましても、おクラ入りに関してはこんな記述が。

-これじゃとても客はよべない-と判断された作品は上映されることなく倉庫にしまいこまれてしまう。おクラ入りとよばれるフィルムがそれである。(引用元:「スポットライト」|KCなかよし第4巻|講談社、昭和51年10月5日発行)

本作は昭和50年(1976年)1月号から翌年9月号まで、延べ1年9ヶ月に渡り「なかよし」誌上にて連載され、同時期にはいがらしゆみこセンセイ作の「キャンディ・キャンディ」も人気を集めていたもの。

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当時モノ、講談社KCオリジナルは全4巻巻き毛の先輩女優、固い決意を見よ!

「スポットライト」のおおまかなあらすじは…元女優でありながらも人生の選択を誤り、長屋暮らしへと転落してしまったオンナ。そんな彼女のひとりム・ス・メが母のゆめを果たそうときびしい芸能界へ。ライバルとの争いや数多くの挫折を味わいながらも真の女優へと成長してゆく様を描いた大型スターまんが…といったトコロ。本作が連載の頃と言えば、今はアラフィフ状態のワタクシメがまだ幼き小坊の時分でゴザイマスよ!その割にゃとても質や絵柄がすばらしく、芸能界の裏事情に関するお事柄についても徹底的にリサーチしたワ!と言わんばかりのスゴ描写がてんこもり。さすがは少女まんが界の巨匠と呼ばれる里中センセイでゴザイマスよね、決して中途半端なモノはお描きにならないノ。ココをご訪問してくださる皆様にもお奨めしたい作品なのでありまする。

それはそうとおクラ入りと言えば…70-80年代のアイドル業界にもそのようなハメに陥ってしまった作品がいくつも存在したもの。いわゆるボツ曲(またの表記を没曲)と呼ばれたりする類のモノなのだが、今回はココにコジつけ、あの方のおクラ入り曲をレビュってみたいと思うのでありまする。

表題の「最近のム・ス・メ」は小出広美嬢のシングル第5弾として、1984年5月1日(注:5日説もあり)に発売「される」予定だった楽曲である。この曲に関しては色々とお噂が絶えないのだが、決して↑で記述ったような客をよべない云々という理由でそういう運命を辿ったモノではないことだけは強調しておくことにする。この曲に関するエピソードとしては…

●とある会場にて「新曲発表会」が開催される予定だった←中止
●とある番組にて歌撮りも行われた←放映されずおクラった
●堀江しのぶ嬢が「最近の娘」という題名でカバー←が、発売には至らず?

ワタクシメが認識しているだけでもこれだけある。また一方でそもそも本作は堀江しのぶ嬢のために書き下ろされた作品だったものがボツっておクラ→小出広美嬢にそのお鉢が回ってきた…という説もあったりで。だけどコレはどうなんでショ?しのぶさん歌手デビューは1984年...デビュー曲候補だったと考えれば無きにしも非ず?う〜ん、でもなんだか違うようナ。とにもかくにも真相はますます闇の中といった様相を呈してくるのである。

さて、本作の作詞を担当されたのはSHOW氏、作曲は小杉保夫氏、編曲は若草恵氏という三つ巴体制。作曲の小杉氏は前回レビュった浅香唯嬢の「ふたりのMoon River」を手がけられたお方である。作詞のSHOW氏とのコンビものはアイドルポップスではあまり見受けられないが、SHOW氏における単独作詞曲であれば、石川秀美嬢の「もっと接近しましょ」や橋本美加子嬢の「蒼いときめき」などが存在。しかし、ご本人に関しての詳細は一切合切不明であり、一体どこのどなただったのかしらん?というミスターX状態ナノ。あれから四半世紀以上が経過したというのにソレは今でもわからんまま…という、まさにナゾの作詞家さんということになる。

そのナゾがナゾ呼ぶ彼が放った渾身の一発(←かどうかもわからんけんど)が「最近のム・ス・メ」ということになるのだが、これがまた諸事情によりおクラ入りってしまったのだからまったくもってツイてないというかなんというか。↑で言及した堀江しのぶ嬢の件が仮に真実であるのならば、ソレもダメでコチラもダメということになり、運から見放されまくった曰くつき楽曲ということに。それでも楽曲としての登録はきちんと成されている模様で、当該サイト上でもそれはハッキリと確認できるのである。

しかし、これだけ運から見放された楽曲でありながらも、実はなかなかの仕上がりっぷり。なのでワタクシメ的にはお気に入りだったりもする。それこそ小出広美嬢が腰におテテをおあてになり、肩をイカらせながら歌われる場面が容易に想像できるというかなんというか。楽曲の良し悪しという感想はヒトそれぞれの趣向が絡んでくるお事柄だからして、とある場所では凡作やらエロ歌謡などと評されているムキもある。まぁ、コレは各人の感性により決定づけられたものってことで収めておくことにいたしますワ。ワタクシメは「好きよ」…ただそれだけのお話なのでありまする。(笑)

♪タララララッ タラララ タララララッ ドォ〜〜ン

シンセイサイザーにシンセドラム、そしてエレキの音色…いかにも〜といった80年代のこの頃風味がてんこもりな序章。そして重低音がドォ〜〜ン!コレは小出広美お嬢さまの「お〜で〜ま〜し〜」をイチ早くにお知らせするドラの音かね?といった趣きか。アグレッシブなエレキの響きに耳を傾けてみれば、やはりこの作品も中森明菜嬢とそれらフォロワー達が続々とカマしたいわゆるあの路線…そのテの毛並みが頭上にチラつくのである。が、しかしそれまでの亜流作品のような重さや暗さは感じさせず、あくまでもタイトでリズミカル!そしてコケティッシュな風味が加味されているトコロが当時のこの路線における新しい試みだったのカモ。コレは編曲を担当された若草氏のお力がとても大きい!と感じるけれど。

♪ファッション雑誌を開いても 退屈気分かくせない
 ピンクのルージュもいいけれど 素顔で街を歩きたい
 
♪浮気はいいのよ(ダーリン) わからないように(ダーリン)
 アクセルのない恋なんて つまらない

ショッパナからの賞賛になり申し訳ないのだが、広美嬢は歌が上手い…と言うよりも実に魅力的で歌手向きのお声を持った方とでも表すべきなんだろうか。安定感がありズッシリ!そしてドスが効いて迫力マンテンかと思えばソフトな一面も感じさせるソレは…あたかも豊満裸体婦の名画なぞを美術館で鑑賞しているかのようなキブンにさせてくれる。声質的には岩崎宏美嬢に近いものがあるか…お名前も同じヒロミ同士ってこともあり、お声も自然と似てくるものなのかしらん、ナゾ。もっともっと歌いこんでいったのならば、歌手としての大成も視野に入れることができたタイプだったのではないかと。

ところで本曲の主人公さまったら…なにやら満たされないご様子ナノ。それこそ松尾嘉代さま主演で80年代に土ワイ枠で放映の「たそがれ夫人」みたいな風情がそこはかとなく漂うのだもの…まぁ、アッチは○ウのたちはじめた中年既婚女性が主人公だったとキオクしてるけんど。そのうち妙な体操だかをおっぱじめるのではないかと警戒せざるをえなくなりますワ。(笑)アイドルポップスだというのに一体なんなのでしょ、この雰囲気は。

♪だって最近のム・ス・メ 経験済みよ
 オォ 愛より早くすべてを知るの
 
ほほぅ…と昭和のじいさんみたく感心してる場合ではゴザイマセンよ。序章ではなにかこうとてもヤバ〜イ匂いがたちこめておりましたので、ここらで切り替えの「チェンジLOVE」とイキましょか〜なんといってもコレはアイポなんだからん。そそっ、この作品がアイドルポップスなのだと認識させてくれる部分が、サビにあたるココということになりますかナ。

まずは「娘」を「ム・ス・メ」と表記し若々しさを演出。えっ?でもその割に「愛より早くすべてを知る」だなんて、しこたまの“たそがれムード”でムセかえるほどになってるけんど。(笑)その若さで「すべて」を知ってしもうたら後に楽しみなんてないじゃない。ただし、歌中ではその「すべて」とやらはオブラートに包まれているため、実際にソレらがナニを指し示しているのかは聴き手の想像力にお・ま・か・せ…という仕掛け。当時の成熟男性リスナーさんたちがココをどう捉えたのかが興味シンシンだったりもするのだが、なにぶん世に出回る前におクラ入りってしまった盤のため、それら男性陣による語り合いの場が持たれたかどうかの記録は見当たらず仕舞いナノ。(笑)

♪だって最近のム・ス・メ 経験済みよ
 オォ すこしその辺 ちょっとその辺
 もっとその辺 わかってほしいな

埋めようとしてもなかなか埋めることができない男女の間に横たわる川のようなモノ。オトコはオンナにこうしてほしい、オンナはオトコにああしてほしいという、それら考え方の異なりにより生じてしまう歪み。世は移り変われど相も変わらずその部分での相互理解はなかなか進まないようでゴザイマスね。本曲ではそういうトコロに不満を抱える「ム・ス・メ」…そんな彼女がオトコに対して「じれったい!」と投げつけた、いわば警告メッセージのようなモノ?「最近のム・ス・メ」はすべて「経験済み」よ〜後は真実の愛を知りたい…それだけナノ、はよ精神面でトロかして。こんな解釈でよろしいのかしらん、ナゾ。

男性側にとりましては♪発破かけたげるっ〜ほど強烈無比な一発ではないにせよ…♪余裕見せていたらバカを見るわ〜くらいのぷちおどし入り?ってな雰囲気もアリアリだったりで。コホン、つきましてはソレを真摯(しんし)に受け止め、襟を正した上で改めて男道(オトコドウ)をまい進させていただこうと感じた次第なのでありまする。(笑)

となにかこう政治家サンの所信表明演説みたくなってまいりましたが、政治家と女性と言えば、「女性が輝く社会」とやらを目の色変えてガムばってらっしゃる我がお国の現ソ〜リ大臣さまがリンクしてくるものでゴザイマスよね。あの方はクチを開けば女性女性とおっしゃるけんど…そもそもそのように性別で分類すること自体が眉ひそめな気がしてしまうのはワタクシメだけ?女性でも男性でも分け隔てなく…皆それぞれが得意分野にて能力を発揮して活躍できる国にする!それが本来の目指すべき姿なのではないかと思うのだけんど。

♪女はレディーでありたいの こうしろなんてもうたくさん

まさかこの曲をご拝聴され「スキスキスー」?その勢いのまま現政策をお決めになられたのではないでしょうね^^;。でも取り扱いを誤ると女性陣から強烈パンチが飛んできますわヨ〜なにせムズかしいんだからん。「女心と秋の空」…とはよく言ったものでゴザイマスよね〜ムカシのお・ヒ・ト。ありゃ?だけどかつてはそのことわざにおける「女」の部分が「男」として常用されてたとか...。ってことで♪男も紳士でありたいの〜こうしろなんてもうたくさん〜ってのもアリってことに?(笑)

なにはともあれ…本曲のお成績について解説いたしましょう。ってかそもそもおクラ入りってしまった盤にレコード売上なる記録が存在するハズもなく。なので○位で○万枚というソレは一切記載ができませんの…スンマセン。なんでも本盤は発売直前になって市場での販売が即中止!という決断が成され、一般リスナーたちの手に届くことなく幻に…。それでも発売日以前に関係者向けのみに配られたという見本盤が存在していたため、それらは今でも中古市場で稀にお見かけしたりもする。そして近年には“オハコンバンチワ”からコンピレーション盤としてCD化と相成ったものの、コチラも諸事情により市場からゴッソリと「カイシュ〜させていただきます」、これまた幻と化したのでありましたとサ。

♪チープな夢でもうれしいのに あなたはまるでわかってない

広美嬢…当時のアナタは本盤の発売を望まれていたのでしょうか。だとしたらこのような形となりさぞおツラかったことでしょう。また、これまでにさまざまな諸事情はあったにせよ…ご本人、彼女の関係者そして交流を持たれた方々それぞれが個々の想いをめぐらせたことかと思われ。歌手として輝くことを楽しみにしていた一ファンといたしましては、どのように申し上げたらよろしいのやら。

思い起こしてみれば…歌うアナタのお姿を最後に拝見いたしましたのは、とあるデパートの屋上でゴザイマシタよ。冬の乾いた空気の中…アナタは白のワンピースにライトブルーのスカーフというお召しモノで「心はプリズム」を熱唱してくださいました。その歌声は「Something Romantic」…えもいわれぬ美しさ!それこそ♪忘れっこないわね…未だに頭から離れないのでありまする。

♪女はレディーでありたいの こうしろなんてもうたくさん

それにしても当時の芸能界…こうしろなんてもうたくさん!まさにそのものだったことでゴザイマしょう。今でも相変わらずそうなのかしらん、ナゾ。なにはともあれ…場末のブログだけどペンネームで書いてるワタクシメにだってネ、土俵が異なるとは言えその想いを少しは共有できましてヨ、広美嬢〜!こうしろなんてもうたくさん。(笑)

☆作品データ
作詞:SHOW 作曲:小杉保夫(1984年度作品・キングレコード|未発売)

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