ここから本文です

書庫全体表示

イメージ 1

♪もう泣かない女になってみせるわ〜

と…歌の冒頭からスゴむお歌により颯爽とデビューを飾ったのは、1980年に放映されたテレビドラマ「翔んだライバル」におけるりんごちゃん役で人気を博した辻沢杏子さん。彼女は元々、劇団ひまわりのご出身であり、一時は「明星」などティーン向け雑誌においてソレの広告塔なども務めてらしたと記憶する。

そんな彼女の歌手デビューは1984年4月21日。そう、それこそリンゴちゃん役で人気者となってから数年が経過、22歳にしてやっとこさのレコードデビューと相成ったのである。80年代…20歳を過ぎてのアイドルデビューは基本的にかなり遅い方となり、また周囲の同期歌手の殆どがティーンだったことなどもあったせいか、すでにご本人様にはお姉さん?はたまた杏子姐さん?とでも呼んだほうが相応しいような…そんな貫禄が漂う状態となっていたのでゴザイマス。そんな杏子姐さん(←このように呼ばせて頂きますわ)の記念すべきデビュー曲が♪もう泣かない女に〜と凄みを効かせたオンナを主人公に据えたという、表題の「サヨナラMr…」だったのである。

この曲は作詞を中山大三郎氏が(←シブイ!)、作曲をTAI氏が手がけたというチューンとなっており、アイドルポップスというよりは、夜の芳香が漂わんばかりの、アダルティーな歌謡曲といった風情がしこたまとなっていたもの。そもそも、この曲を手がけたTAI氏のご経歴もイマひとつ不透明というか、ちょっとばかりのナゾに包まれているのである、なぜなら同名義で他に残した作品が見当たらないからである。おそらくはどなたか有名作家のペンネーム?という線も考えられるか。

さて、そんなミステリアスな方により作られたこの楽曲のテーマは…

悲しみを置き去りに旅立つオンナ

である。すでにこのモチーフからして‘演歌ちっくな臭い’をも漂わせたりもするのだが、ソコはかつてのリンゴちゃん役でアイドル人気を博した杏子姐さんだもの。この曲の歌唱に関してはなんと‘フリフリの聖子風ドレス’での歌唱と相成り、この曲を視覚的に…より一層魅力的にして下さったのでゴザイマス。

♪ルート5を行けば 夜明けの風の中
 ひとつひとつ過ぎてゆく あなたの思い出
 あんなにも愛してた わがままも許した
 だけど今はお別れよ サヨナラMr…

このお歌の主人公様がなぜにこのオトコとの別れを決心されたのか…ソレに関してはこの曲の後半部分で暴かれていくのだが、この部分でちと気になるのが♪だけど今は〜というクダリだろうか。‘今’と唄っているくらいだから‘今’はひとまず別れを決めたけど、ゆくゆくは元の鞘に舞い戻るおつもりなのか、はたまた彼に対して腹黒い企みを胸の内に抱え復讐のその時を虎視眈々状態なのか…そこら辺のトコロは謎…である。

♪もう泣かない女に なってみせるわ
 夜明け前海沿いに 車を飛ばす
 そう あなたに芽生えた新しい恋
 過ちじゃすまないでしょ どう

あらぁ。要は彼ったら新しいオメコを獲得してしまったようでゴザイマス。で彼女としたら挙句の果てに…ナミダナミダの三行半をカマした図なのでしょうか。だけど2番の歌詞では…

♪心ふるえているわ 今でも大好きよ

と唄っており、未練がタップリの女々しさも見せる主人公様。その割には…

♪そうあなたは今頃 まどろみの中
 この私探すでしょう きっと

とぷちタカピーなところも覗かせたりで…しかも♪きっと〜…とかなりの高確率でタカをくくってるあたりもスゴイわね。彼が探さずに知らん顔だった場合は一体どういうリアクションを取るおつもりだったのでしょうか。(笑)

それにしても杏子姐さんの低音による♪過ちじゃすまないでしょ〜はなかなかの迫力がゴザイマス。姐さんのような美人にこのようにスゴまれるほど怖いものはないのですよねぇ。こうして歌中で二度もスゴんでるくらいだから、サヨナラMrと女々しく去っていきながらも、心のどこかには…

企むオンナ

が芽生えているのでしょうか。このお歌からは単に悲しみに暮れるオンナだけではない、なにか別の臭いを密かに感じとる筆者なのでゴザイマス。

この曲はオリコン最高49位、2.3万枚…と、なんともまぁ!オリコンチャートの左側に滑り込む快調なヒットと相成り、新人歌手のデビュー曲としては合格印のヒットと相成ったのである。このヒットにより杏子姐さんは賞レースの前哨戦だったテレビ東京主催の「メガロポリス歌謡祭」での本線出場を手始めにして、その後に続く新人賞でもその存在を大いにアピールしていくことになったのである。下記が姐さんにおける戦歴なのだが…

「メガロポリス歌謡祭」優秀新人エメラルド賞
「日本歌謡大賞・新人まつり」当選
「日本テレビ音楽祭・新人賞」予選突破&本選出場
「KBC新人歌謡音楽祭」優秀新人賞
「ヤング歌謡大賞新人グランプリ」服部良一特別賞
「銀座音楽祭」審査員特別賞
「新宿音楽祭」銀賞
「横浜音楽祭」新人賞
「あなたが選ぶ全日本歌謡音楽祭」予選突破&本選出場

どうよ、コレ!他の新人歌手が夏から秋口へ向けて2曲目、3曲目と放つ中、杏子姐さんはデビュー曲の「サヨナラMr…」で1発勝負よ!これ1曲でこんなにゲットしてしまったのだから大したものでゴザイマスよね。それに杏子姐さんは審査員を務めたセンセイ方にはすこぶる評判がよろしかったようで…もしかしたらお色気点なるものも密かに加点されていたのでしょうか、謎。

ちなみにこのデビュー曲は日本テレビ「歌のトップテン」にて、チャート上昇中の話題曲として取り上げられ、同期の桜だった岡田有希子さんと一緒にご出演。その際は…それこそユッコに負けず劣らずのフリフリドレス&旧・聖子ちゃんカットを引っさげてのご登場だったのでゴザイマス。元々、お顔立ちがとっても美しい杏子姐さん…それはそれは聖子ちゃんカットがバッチリコンコンと似合っており、リンゴちゃん時代において姐さんに魅了されたオールドファンを大いに喜ばせてくれたものでゴザイマシタ。歌手デビューが遅かった分、「なりふり構わず目立たなきゃ!若い小娘には負けないわ!!」という鼻息の荒さもあったのでしょうか。さすがは…

東芝のファースト・レディー(←歌手デビュー時のキャッチフレーズ)

やることなすこと堂に入っていたようで。ちなみに現在の杏子姐さん…芸名を辻沢響江(←きょうこと読みます)へと改名され、女優さんとしての活動を継続中でゴザイマス。


☆作品データ
作詞:中山大三郎 作曲:TAI(1984年度作品・東芝EMI)

この記事に

開くトラックバック(0)ログインしてすべて表示

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事