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逢坂剛『平蔵の首』読了。叙述トリックを駆使した『鬼平犯科帳』の再構築か。

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『ジャッキー・ブラウン』の正統派な演出が頼もしい

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 ボビー・ウォマックの『110番街交差点』が高らかに鳴り響く中、スチュワーデスのジャッキー・ブラウン(パム・グリア)が颯爽と登場する。
 場面は切り替わって銃密売人のオデール(サミュエル・L・ジャクソン)がテレビを見ながら、ムショ仲間であり昔の相棒のルイス(ロバート・デ・ニーロ)に銃の講釈をたれている(香港映画の影響で黒人は拳銃を二丁買うようになった、というオデールのセリフに香港ノワールファンは思わずニヤリだろう)。
 オデールの話を神妙に聞き入ってるように見えるルイスだが、その目は精彩を欠き、頭にはぼんやりと霞がかかっているかのようだ。オデールの情婦であるメラニー(ブリジット・フォンダ)はそんなルイスに色目を使っているようにも見える。
 さらに保釈代行業のマックス(ロバート・フォースター)やATF(アルコール、タバコおよび火器取締局)のレイ(マイケル・キートン)といった主要人物たちが次々に立ち現われる。
 そんな彼らの人物像をクエンティン・タランティーノ(以下、QT)は、歩みを早めることなくじっくりと丹念に描いていく。

 このスローな展開に従来のQTファンは違和感を覚えるかもしれない。QTは省略という大胆な手法を用いて作品に独自のスピード感を添加してきた。例えば『レザボアドッグス』では、オープニング直後の宝石店襲撃をあっさりと省き、『パルプ・フィクション』では八百長ボクサーの試合を惜しげもなく省略した。しかし、本作では省略という時間の短借を排除し、どっしりと腰を据えた正統派の演出で登場人物たちの内面/背景を濃密に切り取ろうとする。

 持ち味のスピード感を犠牲にしてまでも登場人物を彫り深く描こうとした意図は、原作者への敬意にあるのではないか。本作の原作はエルモア・レナードの『ラム・パンチ』(E・レナード原作の映画化作品については『アウト・オブ・サイト』の記事で短く触れている。興味のある方は参照されたし)。QTは悪ガキの時分レナードの著作を万引きしてまで読んだ、と公言するほどの最愛の作家なのだ。
 『ジャッキー・ブラウン』の大枠はオデールの隠し資産50万ドルをめぐる争奪戦だが、小悪党どもの虚々実々の騙し合いというレナード十八番の世界観を、QTは巧妙にスクリーンに移し替えている。

 前述した50万ドルの奪い合いが本作のメインプロットだとすれば、人生の後半戦に突入したジャッキーとマックスの起死回生の逆転劇が裏テーマと言えるだろう。
 メキシコの三流航空会社のスチュワーデスに甘んじているジャッキー。保釈代行業のやさぐれた生活に嫌気がさしたマックス。もはや後戻りはできない年齢に達してしまった焦り。だからといってやり直す機会もない。そんな二人が出会い、小悪党どもと渡り合う内に、人生の主導権を自らの手に取り戻していく。さらに、ここに恋愛の側面を加味したのが、本作におけるQTの新機軸で、それが節度を保ったオトナのラブロマンスとして見事に結実しているのだから驚かされる。
 『パルプ・フィクション』で描かれたジョン・トラボルタ&ユマ・サーマンのエピソードでは、恋愛関係に発展しそうな二人をドタバタコメディの文脈で寸止めにしたQT。そこには恋愛を大っぴらに語ることへの照れが見え隠れしたが、本作ではQTのロマンチストの側面が全面的に解禁されている。しかし、そんな二人の到達点が肉体関係ではなくただ一度きりのキスだというのだから、やはりQTは恋愛に関しては「奥手」なのかも知れないね。

 『レザボアドッグス』ではティム・ロス、スティーブ・ブシェミ、マイケル・マドセン、クリス・ペンといったマイナーながらもクセ者俳優を「発見」し、『パルプ・フィクション』ではJ・トラボルタを「再生」したQTのキャスティング。その配役における人並み外れた嗅覚は誰もが認めるところだが、主役級のキャストをずらりと揃えた本作でも、意表をつくR・デ・ニーロの起用が功を奏している。
 監督から「汚れた洗濯物を重ねたような人物」と演技の注文を受けたというデ・ニーロは、デパートの中では来た道を忘れ、駐車場の車の置き場所も思い出せないという暗愚な男を達者に演じる。デ・ニーロ級の俳優なら脇に回っても「出番は少ないながらも強烈な印象を残」して場面をかっさらいそうなものだが、デ・ニーロはくすんだ男を地味に、目立たず、抑えた演技(これが素晴らしい)で巧妙にこなして、アンサンブルキャストの輪を決して壊さない。スターのオーラなど微塵も感じさせない演技を易々と披露できるあたりが、デ・ニーロの名優たる所以だろう。

ジャッキー・ブラウン(1997・アメリカ)
●監督・脚本/クエンティン・タランティーノ
●出演/パム・グリア サミュエル・L・ジャクソン ロバート・フォスター ブリジット・フォンダ マイケル・キートン and ロバート・デ・ニーロ

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あ、たしかに、『パルプ〜』と比べるとスピード感がないですよね。 構成的には似てる気もしますけど。 あのラストのキスシーンは、印象深いですね〜。 ロバート・フォスターの間合いたっぷりの芝居が好きでした。^^

2009/10/12(月) 午後 5:01 サムソン

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所謂タラちゃんテイストとしてはやや薄いかな〜と思うけど、これ好きです^^
あはは、深い考察からタラちゃん奥手とするのが、しねまんらしいかも(笑)さすがでござります^^
挿入曲自作動画記事ですが、トラバさせてね〜♪

2009/10/12(月) 午後 9:52 じゅり

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『レザボアドッグス』を再見したところなのですが、そうですね、この作品はあっさり感がありましたね〜
彼は恋愛には奥手なのですか、新たな発見です♪
この作品もまた観たくなりましたね〜

2009/10/13(火) 午前 8:07 恋

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>サムソンさん。コメントありがとうございます。
ロバート・フォスター渋かったですね〜。昔気質というか、50〜60年代風の寡黙なタフガイぶり(+哀愁)がよかったです^^

2009/10/13(火) 午後 9:27 cinema365

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>じゅりさん。TBありがとうございます。
QTが従来の路線をあえて外したのか、それとも図らずもスベってしまったのか。どちらなのか気になりますね。

2009/10/13(火) 午後 9:28 cinema365

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>恋さん。コメントありがとうございます。
2時間半を超える長尺ですが、胃にもたれないというか、あっさりな感じですね。
QTは「暴力」描写に関しては過激ですが、「性」を描くと淡白な印象を受けます。意外にもQTは草食系男子だった!?

2009/10/13(火) 午後 9:32 cinema365

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これはもう大好物な一作です!!サントラもたまに出してきて聴いたりしてますよ♪
かる〜く大物を使ってるのがいかにもタラちゃんですよね。エッチな感じのブリジット・フォンダもツボでした^^

2009/10/21(水) 午前 7:51 SHIGE

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>SHIGEさん。コメントありがとうございます。
QTは音楽センスが抜群ですよね。デニーロを小馬鹿にするB・フォンダのビッチぶりも巧みでしたね〜。

2009/10/22(木) 午後 6:10 cinema365

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再見できたので記事に致しましたが、こんなには書けないわ。。^^;
でも多分同じところを同じように堪能できた・・・と、私は信じておりますです ^^
役者さんたちもすごい・・・というか、選びかた、使い方がやっぱり素晴らしかったです。タラちゃん万歳♪
トラバさせて下さいませ。

2010/11/22(月) 午後 9:42 恋

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>恋さん。TBありがとうございます。
そうですね〜、パム・グリア&ロバート・フォスターなんてキャスティングは目利きのQTならではの発掘/復活だと思います。他の監督にはちょっとできない芸当ですね〜^^

2010/11/23(火) 午後 9:55 cinema365

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そっか、タランティーノは奥手だったのか。なるほど。
これは、彼の作品にしては非常にオーソドックスな感じがしていたのですが、省略されていなかったのですね。納得です。
TBさせてください。

2011/8/6(土) 午後 9:39 [ あきりん ]

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>あきりんさん。TBありがとうございます。
そうですね。QTにしてはオーソドックスな印象を受けますね。

2011/8/7(日) 午前 8:50 cinema365

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2009/10/12(月) 午後 9:53 [ じゅり好み☆ ]

ジャッキー・ブラウン

1997年のアメリカ製作映画です。 いや〜もう、音楽の使い方痺れます〜♪ タランティーノ監督とは、相性の良し悪しというのはあるとは思うのですが、 やはり私には、ぴったり。 やっぱいいわぁ。。 先日の『VIVA!イングロリアス・バスターズ』の、 これはルーツ編として放映された作品の中のひとつです。 他にも『キル・ビルVol.1』、『キル・ビルVol.2』、 『パルプ・フィクション』、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』などがありましたね〜

2010/11/22(月) 午後 9:42 [ ☆恋の映画とお酒に恋してる☆ ]

「ジャッキー・ブラウン」 (1997年)

1997年 アメリカ 155分 監督:クエンティン・タランティーノ 出演:パム・グリア、 サミュエル・L・ジャクソン、  ロバート・フォスター、      ロバート・デ・ニーロ、 ブリジッド・フォンダ、 マイケル・キートン おばちゃんが頑張るサスペンス。  ★★★☆ 映画オタクのタランティーノ監督の第3作。 これまでの彼の作品を特徴付けていた時間軸の錯綜がほとんどなくて、非常に”まともな”作りになっている。 出演陣も何気に豪華。肝心のヒロインだけを知らなかった(苦笑)。

2011/8/6(土) 午後 9:37 [ あきりんの映画生活 ]

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