彷徨えるサラリーマンの奮闘記

もっと自分を活かせる何かがあるのでは?と妄想を抱きつつ、時間だけが過ぎていく・・・

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ボナンザ VS 勝負脳

タイトルだけ見ると、いったい何の本なんだろうと思う。
ボナンザとは英語なのか? 人の名前なのか?
勝負脳というのは賭け事に関するものか?

ボナンザ VS 勝負脳
角川oneテーマ21 保木邦仁、渡辺明 686円

実のところは、将棋に関する本である。
ボナンザとはコンピュータ上でプログラムされた将棋の
ソフトの名前、勝負脳とはプロ棋士の渡辺氏のことで
ある。

将棋自体にはさほど興味はないのだが、将棋をする
プログラムの作り方に興味があった。

ボナンザが他の将棋ソフトと違うところは、手の読み方。
通常の将棋ソフトは「選択的探索」と言って、ある程度
有効な手に絞って先を読んでいくアルゴリズムが採用され
ていることが多いらしいが、ボナンザではしらみつぶしに
手を調べ上げる「全幅探索」という手法が使われている
そうだ。

人間らしい考え方をするプログラムの作り方について書いて
あるのではと期待したが、そうではなかった。
作者(保木氏)の目的は、将棋というゲームを通して、最適
戦略などのゲームの解を求めることだ。

コンピュータを使って必勝の方法というのを見つけることが
できるならば、たとえ対戦相手がプロだろうと、常に勝つ
ことができるわけである。

一方、プロ棋士である渡辺氏は、人間としての感性・経験の
面からどのように考えて将棋を指しているかを述べている。
それはそれで読み物としては面白いのだが、「構想力」とか
「大局観」などの抽象的な言葉で表現されていて、具体的に
何なのかがいまいちピンとこない。

しかし、プロ棋士が、それほど深くまで手を読まず、ダメな
手はすぐに見切り、正解に近い手から読むことができると
いうのは参考になった。

下記の記事にも、将棋ではなくチェスについてであるが、
同じような内容が書かれてあり、興味をひかれる。

日経サイエンス 2006年11月号
チェス名人に学ぶ才能の秘密

最後に保木氏が、直接将棋の内容とは関係ないが、基礎研究
軽視の風潮について、−「何に役立つか」ばかりを重視し
すぎると、突拍子もない発見や発明はない− と書いている。

特に理学部は「面白いから研究する」という考えが大前提に
あり、何に役立つのかという問いにすぐには答えられない
場合が多々ある。ニュートリノ研究のカミオカンデも同じだ。
強いて言うなら、「人類の文化への貢献」か。

将棋は子供の頃に少しかじったくらいだが、遊び程度に
ちょっと勉強してみるか、と読んだあとに思うのだった。

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桂三枝
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