△本/塩野七生

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”非常事態も5年も続けば、常態になる”

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「非常事態も5年も続けば、常態になる」

バブル崩壊後、なんと、日本は20年以上も非常事態が続いている。恐ろしいことだ。
社会に出て約30年。生き残ることの難しさを痛感する。生き残れなかった数多くの企業や経営者は、何が原因だったのか?
塩野七海さんの著書、『海の都の物語:ヴェネツィア共和国の一千年』より印象的な記述を抜粋しながら、その理由を考えてみた。

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「いつからか、組織の老化現象が始まった。盛者必衰は、歴史の理である。現代にいたるまで、一例も例外を見なかった、歴史の理である。それを防ぐ道はない。人智によって可能なのは、ただ、衰退の速度をなるべくゆるやかにし、なるべく先にのばすことだけである」
『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 より』


確かに。哀しいが、それが現実だと思う。

1983年、日経が「会社の寿命(企業が繁栄を謳歌できる期間)は30年」と唱えた。しかし、その後時代の変化はめざましく。もはや企業の寿命(盛期)は30年どころか、10年は確実に切り、5年とも言われる。

過去、破綻(老化を止められなかった)した経営者は、こう考えた

「人は合理的に行動するものと思っていた。現実主義者であった・・・人が謝りを犯すのは、自分達が合理主義者でリアリストなものだから、非合理主義的に行動する相手を理解できないからなのだ。まさかそんなバカなまねをすまい、と思ってしまうのである」
『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 より』


人が合理的行動しないという現実は、バルブの崩壊が象徴している。

バブル時(1990年前後)、株や不動産を売却して利益を得た人は、殆どまた不動産や株・絵画・航空機等々に再投資した。その時代、不動産や株に投資せず、資産を現金で持っていることは、無能な人がする事だと言われていた。『目の前に”おいしいえさがあるのに、なぜ?手を出さない”のだ』と。その後、バブル経済が崩壊し、結果として、再投資に成功した人は一割もいなかった。

バブル崩壊後、日本の組織は老化した。老化すると・・・

「今まで出来たことが出来なくなった。興隆期は、時代が味方してくれるから簡単だ。この時期だと主導権は自分たちの手にあるからである。それが下降期に入るとむずかしくなる。時代の味方を期待できないうえに受け身に立たされた側には、主導権はもはやない」
『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 より』

まさに、現在の日本の姿かもしれない。

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老化とは徐々に進行してゆく体の不自由さを後追いで脳が納得してゆくプロセスといわれる。組織(国家)も同じだ。組織(国家)の老化・疲弊を 経営者(政治家)が後追いで納得していくプロセスともいえる。それは悲しいことに違いない。しかし、この段階で簡単に死ぬことがでない。多くの従業員(国民)の生活がかかっている。生き残らなくてはならない・・・。







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”価格破壊に追従しない理由”

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”280円の牛丼は食べたくない。”

 世の中不景気だというのに、価格の値下げ競争が激化している。利益を生まない不毛な価格競争にはまったら、体力勝負!我々中小企業には絶対に勝ち目はない。価格競争に巻き込まれない、それが経営の鉄則。しかし値下げ競争をしている業界の経営者の心境は?考えるとちょっと恐ろしくなる。
 自分がお金を支払うのだから、値段が安い方がよいに決まっている、と頭で分かっている。でもなぜか、吉野家の280円牛丼を食べたいとは思わない。この複雑な心理は何によって引き起こされるのか?
 塩野七海さんのコラムに答えがあった。以下「文芸春秋」2010年1月号、”価格破壊に追従しない理由”より、抜粋。

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”価格破壊に追従しない理由”

 以前「文芸春秋」に掲載されていた浜矩子氏の一文「ユニクロ栄えて国滅ぶ」を、興味深く読ん

だ。なぜなら似たような状況は、イタリアでも起っているからである。(中略)

 なぜ価格破壊が文明の破壊につながるかは、多くの女同様にショッピング好きの私に言わせれば、次の

ような関係にある。

 ショッピングとは、ただ単に物を買うという経済上の行為に留まらず、想像力をきたえる行為にも

なりうる。ちなみに私が、仕事を終えた後の午後の散歩の途中でショーウィンドーの中に、気になるハン

ドバックを見つけたとする。それで中に入り、見せてもらい、値段を聞くのだがやはり高い。もちろん他

の女同様に、私も熟考する。今や円安・ユーロ高だから、昔とちがって一週間くらいは熟考する。だが、

結局は買ってしまう。と言ってすぐには使わない。

 ここからがショッピングの効用の最たる分野が始まるわけだが、何日もの間書斎の一画に置き、仕

事に疲れたときなどにチラチラ眺めながら、これをどの服と合わせれば活かすことができるか、と考える

のだ。仕事が終わる午後には実際にその服を着け、バックを手に鏡の前に立っての実験も欠かせない。

 要するに、その品を買ったことによって、私の想像力が刺激を受けるのである。そして、想像力とは筋

肉に似て、使わないと劣化するという性質を持つ。

 筋肉の劣化を阻止したいがために、人はジムに通うではないか。それも、相当なお金を使って。なら

ば、想像力の維持にも役立つショッピングでお金を使うのも、充分に意味のある投資ではないかと思う。

筋肉であろうと想像力であろうと、必要なのは「刺激」なのだから。

 つい先頃に買ったアルマーニのバックは、ローマでは秘かに顧客のためだけに行われる早目のバー

ゲンでさえも十四万円だったのだから、たしかに高かった。だが、「気に入った」というよりも、「気に

なった」品であったのだ。だからこそ、私の想像力は刺激されたのである。そして、高い品と安い品のち

がいは、買い手の想像力を刺激するかしないか、にもあるのではないかと思っている。

 一千円のユニクロのセーターは、セーターにすぎない。だが二十万円のアルマーニのスーツは、私を幸

福な気分にするだけでなく、これをいつどのように使うかにも考えをめぐらせることで私の想像力が高ま

り、めぐりめぐったとしてもその成果は、一冊の歴史物語にもなりかねないのである。こうなると、安物

買いのゼニ失いという昔の人の知恵も、一理あるのではないか、と思ったりする。(後略)

以上「文芸春秋」2010年1月号、”価格破壊に追従しない理由”より、抜粋

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 さて、自身を顧みて、思った。要するに、その品を買ったことによって、僕の想像力が刺激を受けるのである。そして、想像力とは筋肉に似て、使わないと劣化するという性質を持つ。
 やはり僕は280円の牛丼は食べたくない。 (*^_^*)その為には、最低限のサムマネーは必要。毎日、しっかり稼がなくては・・・。



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”亡国の悲劇”

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”亡国の悲劇”

 民主党の代表選挙が今日おこなわれる。瀬戸際に追い込まれた日本の将来を左右する、非常に重要な選挙だと思っている。だが、冷静に今の日本の現状を俯瞰すると、塩野七海さんの言葉を思い出す。
『なぜか、危機の時代は、指導者が頻繁に変わる。首をすげ代えれば、危機も打開できるかと、人々は夢見るのであろうか。だがこれは、夢であって現実ではない』
 上記は、7年前に小説家 塩野七生さんが「文芸春秋」に投稿したコラム(2003年10月号)”継続は力なり”からの一節だ。
 更に、塩野さんのコラムにこんな一節もある。
『亡国の悲劇とは、人材が欠乏するから起きるのではなく、人材はいてもそれを使いこなすメカニズムが機能しなくなるから起こるのだ』

 今の日本の政治には、本当に人材がいないのだろうか?違うのではないか?今日は塩野さんが「文芸春秋」に投稿したコラム(2006年12月号)”『ローマ人の物語』を書き終えて”をご紹介・・・。

以下、文芸春秋(2006年12月号))”『ローマ人の物語』を書き終えて、より抜粋

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 年に一巻ずつ十五年間にわたって発表する」ことに決めていいた『ローマ人の物語』も、ようやく

先が見えてきた数年前からは、全巻を書き終えた瞬間はどんな気持ちになるのだろうと想像していたので

ある。机の上に泣き伏すか、それともガッツポーズでもし、ヤッタ!と叫ぶか、と。(中略)

 文は人なり、という。しかし、「文」でなくても「見方」でも、「人なり」なのである。どんな英

雄でも召使の眼から見ればタダの人、という言葉があるが、ある程度までは正しい。身近かにいた人間の

観察は、やはり参考に値するのだから。だが、この視点だけでは人間はわからない。それでこの一句も、

私は次のように解釈することにしている。

 タダの人でしかない召使の眼から見たから、タダの人ではない英雄もタダの人にしか見えなかったの

だ、と。(中略)

 ある人に、こう言われたことがある。「カエサルにつてあれほども書ききった後では、その後に来

る人物たちをどうやって書きつづけていくのかね」。私は、笑いながら答えたのだった。「御心配いりま

せん。次はアウグストゥスのところに行くだけですから」

 作家とは粛々とペンを走らせる人、と思っている人が聞いたら呆れ返るだろう。しかし、こんな具合に

男たちを次々と渡り歩くことで、全十五巻を書いてきたのである。白状すれば、面白かったですね。ゲー

テではないが、人間世界のすべてをやってくれたというローマ人だけに、登場人物たちも多種多彩であっ

たから。

 イイ男だと、史料を勉強しているときから早くも愉しくなり、勉強も進むのだから面白い。クスク

ス笑いながら、煮ても焼いても喰えないとはあなたのような男のことですよ、などと独り言を言いながら

書くことになる。

 一転してネロのような困った皇帝になると、これはもう「クイーン」のフレディ・マーキュリーだ

と思い、生まれた時代をまちがえたのが皇帝ネロだと、書きながら笑い出す始末。ウェンブリーのサッ

カー場を埋めつくした観衆を前に自己陶酔できるならば、ネロなら喜んでローマ帝国を差し出したにちが

いない。

 衰亡に近づいても、そこは人間世界のすべてをやってくれたローマのこと、情けなくもだらしない

男ばかりでない。亡国の悲劇とは、人材が欠乏するから起きるのではなく、人材はいてもそれを使い

こなすメカニズムが機能しなくなるから起こるのだ
、と痛感するするほどにイイ男は、興隆期に比べ

れば数は少なくてもいることはいる。(後略)


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 『亡国の悲劇とは、人材が欠乏するから起きるのではなく、人材はいてもそれを使いこなすメカニズムが機能しなくなるから起こるのだ』
 の、メカニズムを”国民の意識”に置き換えると・・・
 『亡国の悲劇とは、人材が欠乏するから起きるのではなく、人材はいてもそれを使いこなす”国民の意識”が機能しなくなるから起こるのだ』
今の日本にピッタリ当てはまるのではないか、なんて考え込んでしまった・・・。




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”拝啓。小沢一郎様”

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”どうにかしなくては。この政治の混迷・・・。”

 私が社会に出て30年。今ほど日本の将来を悲観的に思ったことはありません。世間一般は政治の問題(リーダーシップ・政策など)を嘆く人が多いのですが、政治の軸がぶれるのも、リーダーシップが欠如しているのも、それは国民の責任が大きいのではないでしょうか。
 国民の軸がぶれるから、痛みを受け入れる覚悟が乏しいから、政治に甘えるから、そして政治が国民のご機嫌をとることに一生懸命だから、こんな嘆かわしい状態になってしまたのでは・・・。
 現在の衆議院議員の任期は残り3年。日本社会の閉塞感を打ち破るためには、この3年間を大連立期間に充てるしか方策がないのではないか、と本気で考えるようになってしまいました。
 大連立とは消費税、年金、医療、介護、防衛などの懸案に民主・自民の大連立で一気に決着をつけようという構想。
 消費税増税に真っ向から反対しているのは、共産党と社民党ぐらいで、もともと大連立構想にはこの両党は含まれていないので、もし9月の民主党代表で小沢さんが勝つようなことがあれば、大連立への動きがあるかもしれません。
  今日は塩野七海さんが文芸春秋(2009年4月号)に掲載した”拝啓。小沢一郎様”というコラムに注目。この記事が掲載されたのは昨年の4月で、まだ自民が政権の座にいた時でした。その5ケ月後、衆議院選挙で自民党は大敗し、民主党が政権交代を実現しました。
  しかしその後の混迷は、残念ながら塩野さんの記事のとおりになってしました。その眼力に脱帽・・・。

以下、文芸春秋(2009年4月号)「拝啓。小沢一郎様」より抜粋

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”拝啓。小沢一郎様”

・・・危機を打開するには、何をどうやるか、よりも、何をどう一貫してやりつづけるか、のほうが

重要です。打開策の効果はすぐには現れないもので、その間に巻き起こってくる不安や抗議には耳を貸さ

ずにただひたすらやりつづけるしかないからです。それには堅固で持続する意志しかありません。

 そして、不安や抗議の声にもびくともしないでやりつづけるには、足許がおびやかされていてはできな

い。つまり、危機に対処するには何よりも、政局の安定が不可欠ということになります。ここであなたは

言われるでしょう。次の総選挙で民主党が勝つことで政権が代わり、それで安定する、と。

 でも、どうしてそう言えるのでしょう。仮に衆議院選挙で民主党が第一党になったとしても、単独で過

半数を制せるか、という問題がまずある。第二に、もしも単独過半数を獲得できたとしても、参院では民

主党は、単独過半数を持っていません。社民とか何かを加えて、ようやく参院を制しているにすぎない。

こうなると、参院で勝ったとしても、民主党は常に、衆院のみでなく参院でも、連立しないと統治はでき

ないということになる。

 それで、「連立内閣」ですが、これが実は魔物なんですね。(中略)

 日本では、次の総選挙では民主党が勝つでしょう。しかし、参院でも連立を組まないと過半数に達

しないのに加え、衆院でもおそらく、社民や国民新党と連立を組まないとやっていけないことになるでし

ょう。

 そうすればまず、社民がキャンキャンわめき始める。化石みたいな国民新党も黙ってはいないにちがい

ない。そしてこれに、民主党内の郷愁派というか守旧派が、浮足立ってくる。結果、選挙で多く支持され

た大政党が、ひとにぎりの票しか得なかった小政党に引きずられるという、有権者の意向の反映しない政

治に向かってしまうことになる。

 こうなっては、日本人は政治を見離します。そして、有権者から見離された政府では何をやっても、危

機の打開は成功しないでしょう。

 私にはどうしても、選挙で民主党が勝ちさえすれば、それがイコール日本の政治の安定になるとは

思えないのです。それどころか、今や世界で一国だけになってしまった政局不安定が、これ以後も、つづ

くことになると思えるくらいです。

 こうなると、大手術をするしかないのではないでしょうか。自民党と民主党の、今すぐの大連立です。

この二党が連立を組めば、いかに両党とも内部にいる郷愁派が脱退で脅しても、決議には影響しない票数

には達せる。つまり、浮足立つ人を計算に入れないでも大丈夫という数を有しないかぎり、日本での政局

の安定は実現できないということですが。

 そしてそれをやれるのは、小沢様、あなた御一人です。なぜなら、形勢不利な側が手を差し出した場合

の握手は成功しないものですが、有利な側が手を差し出した場合は成功するからです。

 あなたも、私の作品を読んでくださる御一人と聴きました。ならばおわかりでしょう。古代のローマ人

が、「勝って歩み寄る」名人であったことを。あなたも、政局屋ではなくて政治家として、名を残したい

とは思われませんか?

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 小沢さんを好きか?嫌いか?はどちらでもかまいません。政治家は、国民のご機嫌を取るためにいるのではありません。バブル崩壊以来20年が過ぎたというのに、その後日本は衰退の一途をたどっています。
 政治家は、厳しいけれど重要な決断をしなければならない時にこそ、その存在意義があるはずです。ここでなんとかしないと、日本の衰退への道はブレーキが利かなくなってしまいます。
 今、私は政治に大いに期待しています。頑張って下さい。政治家の皆さん・・・。



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” 現実を見るということ・・・”

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”現実を直視する勇気・・・”

「人間ならば誰にでもすべてが見えるわけではない。多くの人は、自分が見たいと欲する現実しか見ていない。」
塩野七生 著『ローマ人の物語(5)ユリウス・カエサル(ルビコン以後)』 より

 上記は、2千年以上も昔にユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)がいった言葉。カエサルの言葉だけに、非常に重みがありる。人は「 見たいと思わなくても、見るしかない現実」から目をそらす特性を誰もが持っている。
 例えば、仕事で結果が出ないとき、「景気が悪い」「自社の商品が悪い」など・・・。自分の能力にではなく他に原因を求め、現実から逃げるてしまう。しかし現実を直視し、自己の問題点を把握しなくては成長は望めない。それは誰でもわかっているはず・・・。
 そんなことを考えていたら、2009年5月12日(毎日新聞・時代を駆ける)に掲載された、世界を代表するバレリーナ、吉田都さんの話を思い出した。

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”欠点を見据え克服し 自信”
2009年5月12日(毎日新聞・時代を駆ける)より一部抜粋

 イギリスに渡った当初、手足が長く頭の小さい西洋人に囲まれて、鏡の中の自分が異質な存在に見

えました。「生まれつき、バレエには向いていないんだ」と、打ちのめされました。でも、だからこそ、

どうしたらきれいに見えるのだろうと、考えずにはいられなかったんです。「少しでもラインを長く見せ

るには?」「どんな角度がきれいなのか」体型は変えられないけど、見せ方は工夫できる。欠点と向き合

いながら、レッスンに励みました。


 体形に恵まれたダンサーは、鏡に映った自分に失望することがありません。何もしなくてもきれい

だから、努力ができないのです。それに気づいたとき、私は「自分には頑張る動機が与えられている」と

思えました。コンプレックスにはずいぶん苦しみましたが、それがあったから、ここまで来られたとも言

えます。


 《コンプレックスや異邦人としての心細さを、吉田さんは一つ一つ、自身へと転換していった》

コンプレックスのない踊り手はいません。世界で活躍しているのは、逃げることなく欠点を見据え、克服

したダンサーたちです。

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 年々、鏡に映った自分にちょっと”がっかり”しつつ・・・。でも、知性のピークは60代と言われている!!
 ならば、せめて「心の器を磨かねば!」なんて、日々精進、精進・・・。(●^o^●)




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