「J・エドガー」(2011)
|
レオはオスカーノミネートを逃して残念でしたね〜
アメリカ史に疎い私は、アメリカの政治や社会のことはほとんど解っていないのですが、映画を観るようになってからエドガー・フーバーのことはいく度となくその名前やキャラクターをスクリーンで耳や目にして覚えることができました。最近ではジョニーの「パブリック・エネミーズ」でも登場したし、先日再見した「俺たちに明日はない」でも同じ時代ですから名前は登場しますね。この2本は本作鑑賞前に観ておいてよかったです(笑)。 映画は賛否が分かれているようですが、あまりエドガー・フーバーのことを知らない者にとっては、周りの有名人達の登場も含めてとても興味深く観ることができました。キング牧師への弾圧には驚き、また最後の大統領のニクソンのシーンでのウォーターゲート事件を示唆するようなせりふなども面白かったです。 それにしても8人もの大統領の期間、ずっとその世界に君臨していたと言うのも凄いですよね。物語は思ったより晩年のシーンが多く、自伝執筆の為にエドガー自身が過去を語る形で進みます。 しかし、エドガーは片寄った人間性ながらやはり頭のいい人ですよね〜先を見る目があり、行動力も持ち合わせていますが、彼がこの世界にいた50年(って半世紀ですからそれもまた凄い!)で社会が変わるのは当然ではあるけれど、その若いかけだしの頃から科学捜査を重視し、観察力や整理能力などとにかく捜査に必要な思考がずば抜けていたのは先天的な能力なのでしょう。 ところが、人間というのは人並以上に能力を持った場合、必ず行き過ぎの面も出てしまいがちです。過度な盗聴や人を信じることができず近しい友人のいない一生。。。。映画を見る限り、エドガーが心を許していたのは、家族のほかでは公私共にパートナーだったクライドと秘書のヘレンだけだったのでしょうか。この二人だけは彼の人生の大半を共に過ごしたわけですからね。 片寄った性格の持ち主というのは平凡な幸福は得られないのかもしれません。親から大切に育てられ、自身もマザコンになるほど母親を愛していても、親は普通は先に逝ってしまいます。エドガーは人を信じることができないために、芯からのゲイであったかどうかはわかりませんが、恋愛にも臆病になり(最初にヘレンに申し込んで断られたときの様子でその臆病さがよくわかります)もしかしたらクライドには恋愛感情というより、一緒に仕事をしていく上で、他の人には言えないわがままの言える相手として信頼を置いていたのかも・・・などと思ってしまいました。最後に「運命的な出会いだった」と言うようなことは言ってましたが。。。勝手な解釈ながら、社会的にどんなに権力を持っていたとしても、人間としてはかなり孤独でモロさを持った人だったのかなぁと思えたんですよね。 まぁ権力者なんて多かれ少なかれそんなものですよね。どうしても人からは疎まれるし、権力が増せば増すほど、鍼のむしろ的な立場になり、人を信用することができなくなるのも仕方ありません。 実際のフーバーがどうだったかはわかりませんが、この映画はやはりイーストウッド監督らしく、FBI長官のというよりそんな人間フーバーを描いていたように思います。40年以上組織のTOPとして君臨していた一人の男の物語と言う感じでしょうか。ラストもせつなかったですね。 レオは本当に最近似たような雰囲気の役が続いていますが、演技は上手いですね。今回のような実在の人物を演じるのは「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」、そして「アビエイター」に続き3度目(?)ですが、私は違和感なく観れました。オスカーに値する演技だったかどうかは他のノミネートされた映画を観ないと何とも言えないけれど、いっそのこと全く違うキャラクターを演じた方が、返って新鮮でいいかもしれませんね。^^; 同じく20歳代から70歳代までを演じたクライド役のアーミー・ハマーもよかったですね〜倒れたあとの晩年の演技は病いを経た高齢者そのもので凄いと思いました。(最近高齢者が周りに多いのでよくわかるんですよね〜^^;) 同じ半世紀を共に生きてきたヘレンのナオミ・ワッツも老けメイクで頑張っていましたが、男性二人に比べるとメイクが若いですね(笑)。でもこのヘレンの静かにエドガーを見守るキャラクターを魅力的に演じてましたね。 エドガーの母親役のジュディ・デンチは相変わらずの存在感でしたが、エドガーが若い時の母親は少し無理があるかも。^^; ごめんなさ〜い(笑)。 しかしこの時代も大変な激動期だったんですね。ただ、今よりいい意味でも悪い意味でも勢いがあったように思います。第2次大戦を挟んでの50年間を生きた人間の伝記物として、ものすごい感動とかはなかったので賞レースには弱いかと思いますが、個人的にはとても面白く鑑賞できました。(^^)
|

