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// 再挑戦「平泉」のテーマ // 朝日新聞
文化庁は23日、一関市で記者会見し、2011年の世界遺産再挑戦を目指す「平泉」を視察した専門家から、同庁が昨年12月にまとめた新たな推薦書のコンセプト案の主題について、「浄土世界を現世に象徴的に表現した作品群と考えるのが妥当」とする趣旨の見解が示されたことを明らかにした。「浄土世界」をテーマ(主題)の中心に据えた資産構成のコンパクト案に沿った見解で、昨年末の推薦書作成委員会で示された確実な登録を目指す「現実路線」を追認した格好だ。来月13日の第4回推薦書作成委員会では、主題設定や構成資産の見直し論議が必至の情勢となりそうだ。
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今回の専門家視察は文化庁の招聘(しょうへい)事業。現地視察を踏まえ(1)主題設定(2)顕著で普遍的な価値(3)登録の評価基準――について、世界遺産センターからイコモス元事務総長でカナダのカールトン大准教授のハーブ・ストーベル氏(60)=建築学=を、イコモス(国際記念物遺跡会議)から中国イコモス執行委員会副会長で清華大教授の呂(ル)舟(ズー)氏(49)=建築史=をそれぞれ招き意見を聞いた。
(1)に関しては「統一的な概念で一体のものとしてストーリーをまとめるべきだ」との意見で、文化庁素案について「B案を考慮したC案=メモ参照=と考えるのが妥当」との見解が示された。「浄土世界」と「政治・行政上の拠点」の2本柱とする文化庁素案は「わかりづらい」と懸念を示した
という。
登録の根幹にかかわる「顕著で普遍的な価値」(OUV)では、「仏教思想」に着目した説明が重要とのアドバイスがあった。さらに平泉文化の中には「建築・庭園の観点からOUVを持つ可能性がある」との評価もあった。平泉の目で見える「物証」、中尊寺金色堂や毛越寺の浄土庭園などを指すと
見られ、これらを「世界遺産級」と専門家も認めた形だ。
世界文化遺産になるための六つの登録基準のうち「平泉」はどれが当てはまるかにつ
いては、五つについて言及があった。事例や物証を基にした比較、調査研究などでの適用の可能性が示された。特に庭園については「人類の創造的傑作」(1)の適用が示唆された。これは国内11の世界文化遺産でも日光、法隆寺、姫路城、厳島神社の4つしか適用されていない。
文化庁の内藤敏也・記念物課長は、専門家は「構成資産の個別の議論はしていない」としながらも、「今回の意見も踏まえて次回の推薦書作成委員会(3月13日)で議論してもらう。今回の意見を反映した資料も提出しなければならないと思う」と話した。
<文化庁素案>
「浄土世界」と「政治・行政上の拠点」の2本柱をテーマに、「平和祈願、万物共生、自然との融合」を顕著で普遍的価値(OUV)と位置づけた。登録基準は「2」=人類の価値の重要な交流、「3」=文化的伝統を表す無二の物証、「6」=顕著で普遍的な意義を持つ思想・信仰と直接的・有形的に関連――の三つを挙げた。当初は前回と同じ9資産で理論構成したが、第2回推薦書作成委で「全体を網羅できるコンセプトを見いだせない限り、9資産では受け付けられない」との指摘を受けた。文化庁は第3回推薦書作成委でA案(現状の9資産維持)B案(時代的同一性から資産の見直し)C案(仏堂、庭園と直接関係するもの)の3案を示したが、A案への賛同はなく、構成資産の見直しが不可避となっている。
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